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Ching-O)))の映画雑記

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ミシガン州川口市在住。あなたの隣人の親愛なるキチガイ、Ching-Oの人生を弄んできた色々な映画についての雑記をここに一堂に集めました。人の頭の中を覗く悪い趣味があるあなたのため…
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#映画感想

【映画雑記】『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を久しぶりに観たよ。

【映画雑記】『ブレア・ウィッチ・プロジェクト』を久しぶりに観たよ。

近頃はYou Tubeを眺めてるとエロとグロ以外はなんでもあるなあと思います。ここんとこ自分がよく観ているのは「心霊スポット潜入」モノ。最初は心霊スポットでソロキャンプする方の動画を観ていたのですが、いま一番のお気に入りは人気チャンネル『ゾゾゾ』。「怖いものに興味がないパーソナリティーの落合さんがイヤイヤ心霊スポットに連れていかれる」というお約束のフォーマットが妙な説得力を持っていて大変おもしろう

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【映画雑記】『リズと青い鳥』観ました。

【映画雑記】『リズと青い鳥』観ました。

『リズと青い鳥』(2018)を観ました。

こういう女の子しか出てこない映画でも胸が痛いような気持ちになるのは、自分みたいなおじさんの中にも「女の子」の部分があって、すれ違いのなかで藻掻く感覚や、言葉にしなかったことで後悔したことなんかを思い出して大きな共感を覚えたからだと思います。青春の機微をものすごく細やかに、繊細に描いた傑作です。これ以上の言葉が出てこない。観て!

…気持ちが荒みがちな大人

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【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

【映画雑記】『エミリー・ローズ』観ました。

2005年のアメリカ映画、『エミリー・ローズ』を観ました。

もう20年近く前の映画ですが、オカルト好きなら知ってる人も多い1976年に西ドイツを震撼させたアンネリーゼ・ミシェルの悪魔憑き事件に材を取った秀作でした。あらすじとビジュアルの雰囲気からつい『エクソシスト』の二番煎じかと懸念してしまいましたが、共通点はあるにしろ全く異なる仕上がり。モデルとなったアンネリーゼがその死をもって存在が広く知ら

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【映画雑記】映画「暴力脱獄」という福音。ルークという救世主。

【映画雑記】映画「暴力脱獄」という福音。ルークという救世主。

 久しぶりに「暴力脱獄」を観た。

 ポール・ニューマン主演の1967年のアメリカ映画。彼が演じるのはとある刑務所に器物損壊でぶち込まれた男。その名はルーク・ジャクソン。自分にとって、映画の中でこれ以上にカッコいい人はいないと断言する。

 ルークはとにかく挫けない。そして、刑務所の中で自分の境遇を惨めに感じている連中に福音をもたらす救世主として描かれていて、劇中には十字架やキリストを彷彿とさせる

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【映画雑記】映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」を観ながら真夜中に思ったこと。

【映画雑記】映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」を観ながら真夜中に思ったこと。

 夜中に1973年の映画「ジーザス・クライスト=スーパースター」をBGVに黒霧島のお湯割りを飲んでいた。言わずと知れたアンドリュー・ロイド・ウェバーとティム・ライスによるキリスト最後の7日間を描いた説明不要のクソ有名なミュージカルを映画化したものだ。

 キリスト最後の七日間と言えばいわゆる「受難劇」と表現されるやつだ。それまで数々の神通力で民衆を圧倒させ、超人的なカリスマ性を誇ったイエスが、エル

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【映画雑記】「フォーリング・ダウン」を観て慄く中年。

【映画雑記】「フォーリング・ダウン」を観て慄く中年。

「フォーリング・ダウン」を観た。

 真面目に生きてきた筈が悲惨な境遇に打ちのめされ、怒りが沸点を越えてしまった男と、人生の折り返し地点も過ぎて諦めの中でなんとか踏みとどまっている男の人生がぶつかった一日の話。

 前者(劇中では名前はなく仮称:Dフェンス)ははっきりと台詞で説明はされないが、離婚し、おそらくDVか何かで分かれた妻と娘に近づくことを禁じられている。おまけに失業者で不良債務者だ。彼の

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【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

【映画雑記】「妖精たちの森」/見所が子どもではない前日譚

 俺の好きな1961年の古典ホラー映画「回転」の前日譚として作られた1971年のイギリス映画「妖精たちの森」を鑑賞。

 自分も読んだ町山智浩さんの本「トラウマ映画館」でも取り上げられていたらしいんだけど、覚えてない…。イギリスの片田舎の瀟洒な屋敷が舞台で、倒錯的な愛に耽る男女二人と、その二人の仲を「永遠に」とりもとうとする両親を亡くした兄妹の物語。「回転」で語られた過去を基に、想像力逞しくして作

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【映画雑記】「ヒルコ/妖怪ハンター」/私は14歳の夏を思い出した。

【映画雑記】「ヒルコ/妖怪ハンター」/私は14歳の夏を思い出した。

 塚本晋也監督による1991年の映画「ヒルコ/妖怪ハンター」を鑑賞。初見は中学生の時で、最後に観たのも相当前だと記憶する。

 原作は諸星大二郎の漫画「妖怪ハンター」シリーズ。他に映画化されたものでは2005年公開の「奇談」があります。

異端の考古学者、稗田礼二郎が様々な怪異と遭遇するスキモノにはたまらない傑作です。その原作では喪服のような黒服に長髪、物怖じしない姿勢など、手塚治虫のブラックジャ

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鳴りやまぬ警鐘/「メトロポリス」フリッツ・ラング&ジョルジオ・モロダー

鳴りやまぬ警鐘/「メトロポリス」フリッツ・ラング&ジョルジオ・モロダー

「メトロポリス」はご存知で? 
(戸田奈津子構文)

 1927年公開、近未来の超巨大都市を舞台に労働者と資本家の軋轢と、それによって起こる暴動を描いたSF作品であります。

 さらっと言いましたが、スケールの大きな階級闘争を真っ向から描いていて娯楽映画としては実に深刻なものだったりします。監督はドイツ映画の父、フリッツ・ラング。1927年といえば海外ではビートルズのメンバーは誰も生まれておらず、

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【映画雑記】「GODZILLA/ゴジラ」(1998)/作った本人が黒歴史認定、でも面白いよ。

【映画雑記】「GODZILLA/ゴジラ」(1998)/作った本人が黒歴史認定、でも面白いよ。

 20年ぶりくらいにローランド・エメリッヒ監督の「GODZILLA/ゴジラ」を観た。製作と脚本はディーン・デヴリン。90年代に青春を送った人間には好き嫌い問わず記憶される「インデペンデンス・デイ」のコンビです。

 当時は大きな両生類(字幕:戸田奈津子)で無性生殖をして、マグロ食って、ビル街を走り回るゴジラのキャラ変に違和感バリバリだったけど、庵野秀明が考案した段階を経た形態で成長する「シン・ゴジ

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【映画雑記】「ヒッチャー」/There's a killer on the road…

【映画雑記】「ヒッチャー」/There's a killer on the road…

 1986年公開のサスペンススリラー映画、「ヒッチャー」を久しぶりに観ました。

 映画が好きになった80年代の終わりから90年代にかけてテレビの洋画劇場で何度かみたことがありましたが、あまり詳細は記憶にありませんでした。

 ストーリーは至って単純。眠気覚ましの話し相手にひろったヒッチハイカーがとんでもない異常者で、主人公は執拗に命を狙われるハメになるというもの。主人公を翻弄し続ける頭のキレる殺

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【映画雑記】「アングスト/不安」。体調を整えてから観ましょうね。

【映画雑記】「アングスト/不安」。体調を整えてから観ましょうね。

 ぼんやりと日常を過ごしている俺を、なかなかに鬱々としたダウナーの渦に沈めてくれる素敵な映画を観た。

「アングスト/不安」

1983年公開のオーストリア映画。

 実在の殺人鬼、ヴェルナー・クニーシェックが仮釈中に起こしたアルトレイター一家惨殺事件をベースにしたサスペンス/ホラー。殺人鬼の内面に肉迫するとても危うい映画。

 全編、どうやって撮ったんだろう?という目をみはるカメラワークが続出。

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【映画雑記】「ワンダーウーマン1984」を遂に観た!(ネタバレあります。)

【映画雑記】「ワンダーウーマン1984」を遂に観た!(ネタバレあります。)

「ワンダーウーマン1984」

 いやー、待たされた。本来は昨年末公開だったのに「ジョーカー」の想定外のヒットで先送りになり、さらにコロナ禍で今年3回も公開が延びた。待った。待ったのであります。やっと…会えたね…。

 やっと会えたダイアナ・プリンス…。
 そりゃもう…凄かった!

 スタッフ、キャストは同じだけど前作とはガラリと趣向を変えたかなり挑戦的な映画だったなぁと一晩たって感心している。

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【映画雑記】「アタリ ゲームオーバー」

【映画雑記】「アタリ ゲームオーバー」

 U-NEXTで配信しているドキュメンタリー「アタリ ゲームオーバー」。
軽い気持ちで観始めたら物凄く面白かった!

 1983年、アメリカのビデオゲーム業界を沈没させた「アタリ・ショック」。そのきっかけを作ったと言われる伝説のクソゲー「E.T.」とそれを作った男。予備知識なしでも充分見られます。アタリといえばティーンエイジライオット。任天堂以前のビデオゲーム業界の先駆者であり覇者。家庭用ゲーム機

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