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コントな文学『ファーストキスだったのに』
コントな文学『ファーストキスだったのに』
大学のゼミの飲み会終わりの帰り道、突然唇を奪われた・・・ファーストキスだったのに。
ファーストキスだったのに、いきなり舌を入れられた。
ファーストキスだったのに、上の歯も下の歯も舐められた。
ファーストキスだったのに、ダイソンの掃除機ばりの吸引力で舌を吸われた。
ファーストキスだったのに、何か視線を感じるから恐る恐る目を開けたら、キスしながら顔
『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』
『今日も世界で誰かが嘘をついている。マジックミラー号編』
マジックミラー号?
マジックミラー号って何だい?
え?アダルトビデオの企画物?
僕はそういう下品な類のものは観た事が無いから知らないよ。
本当だよ、アダルトビデオなんか観たこと無い。
進学校から現役で東大に入って勉強漬けで忙しかったからね、観るヒマも興味も無かったよ。
それに僕は卒業したら官僚、いずれは事務次官になって日本を動
コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』
コントな文学『ベーブ・ルースや軽自動車の所有者のように』
元気になってまた大好きな野球がしたい。
その為には手術を受けて病気を治さなくちゃいけない。
でも手術の成功確率は30%だ。
手術を受ける勇気が出ない僕の病室に現れたのはベーブ・ルースのようなホームランバッターじゃなくて軽自動車の所有者でした。
「俺はベーブ・ルースじゃないから君の為にホームランを打つ約束はできない。代わりに今から軽
『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』
『今日も世界で誰かが嘘をついている。性欲モンスター夫婦編』
「ねえ、最近ダンナとしてる?」
「う〜ん…月に1回あるか無いかかなぁ…」
「ウチは週1ペース」
「マジで?めっちゃ愛し合ってんじゃん。ウチなんか下の子ができてから1回もしてないわ。完全にレスよ」
*
立花陽子36歳。
今日は大学の同期の友人グループの女子会でカフェに来ている。
私とダンナは結婚10年目で小1の娘と5歳の息子が
コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』
コントな文学『心配性 in サンポートホール高松』
僕は心配性だ。
心配性な僕は今日、ヒット曲が1曲だけのシンガーソングライターのライブに来た。
有名なヒット曲が1曲しかない。
しかも3年前の曲なのに地方の1500人キャパのホールが埋まるのか心配していた。
せめて1000人以下のキャパのホールでやった方が無難じゃないのかと心配したけど、8割以上埋まった客席を見て僕は一安心した。
だが、次
『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』
『今日も世界で誰かが虚しくなっている。一人娘編』
一人娘の彩が幼稚園の年長さんになる年に妻の亜希子が他界した。
それから20年。
まるで死んだ亜希子の生き写しのように彩は美しい女性に成長した。
そして男手一つで大切に育てた彩は昨年、義理の息子になった裕一君と結婚した。
今日は彩と裕一君が結婚して初めて迎えた亜希子の命日だ。
例年よりも早く満開になった庭の桜は、亜希子が彩と裕一君を祝福す
コントな文学『憧れていたプロポーズ』
コントな文学『憧れていたプロポーズ』
石﨑将太33歳。
高校卒業後、青森から上京して寿司職人になり10年以上が経過した。
俺はついに明日、小さいながらも夢だった自分の店を出す事になる。
まるで一国一城の主になった気分だ。
オープンを前日に控えた店内のカウンターに職人見習いの頃から、ずっと俺の事を応援し支え続けてきてくれた彼女を座らせた。
自分の店を出すという夢は、いつしか俺と彼女2人
コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』
コントな文学『芥川賞作家なのに親近感』
芥川賞を受賞した小説家なのに…
マジで?
信じられない…
家の本棚にマンガしかないじゃん。
しかもドラゴンボールとワンピース全巻揃ってんじゃん。
王道中の王道じゃん。
芥川賞とか純文学って小難しくて暗そうなイメージがあったけど親近感湧くなぁ…
「え?芥川賞作家なのに家具は全部ニトリで揃えたの?」
普通中の普通じゃん。
親近感湧くなぁ〜。
「