いとちプロジェクト

福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザイン…

いとちプロジェクト

福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクトです。インタビュー記事やイベントレポート、各種お知らせなどを投稿していきます。

マガジン

  • インタビュー

    かしま病院で働くスタッフの「声」を届けるシリーズ。仕事内容や地域医療への思い、やりがいなどを紹介しています。

  • レポート

    いとちプロジェクトやかしま病院で行ったイベントレポートを届けるシリーズ。

  • コラム

    いとちプロジェクトメンバーの「声」を届けるコラムシリーズ。

記事一覧

レポート | 訪問診療。いま、自分ができることを重ねて

いとちプロジェクトの小林歩記です。今年春に開催された「いとちツアー」で、医学生に混じり訪問診療に同行しました。医学を学んでいるわけではない法学部の私が訪問診療に…

レポート | 2024年6月のいとち | 自分の依って立つ領域を抜け出してみる

徐々に蒸し暑い日が多くなってきました。私たちの拠点のある鹿島町久保地区は、「久保」という地名が示すように周囲を小高い里山に囲まれた「窪地」です。山から水が流れ込…

地域を「診る」ことは、人を診ること

いとちプロジェクトの小林歩記です。大学を休んでいとちプロジェクトのインターン生として活動しています。大学では政治学を専攻していて、医療の分野に携わる機会はほとん…

レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

いとちプロジェクトでは、かしま研修にやってくる学生たちのために、「いとちワーク」という学びのプログラムを提供しています。さまざまなプログラムがあるのですが、講師…

24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

みなさんこんにちは!いとちインターンの高橋果歩です。 医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にあ…

レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

みなさん、こんにちは! いとちプロジェクトにインターン中、大学1年生の小林歩記です。今日は皆さんに、私たちが取り組んできた「喫茶いとち」の取り組みについてご紹介…

レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

いとちワークは、かしま病院が非医療の地域メンバーと合同で週に1度実施する地域医療の実習プログラム。病院の外に出て、まちを歩いたり、ワークショップに参加したりしな…

レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

みなさんこんにちは! 4月からいとちプロジェクトで活動しているインターン生の髙橋果歩です。今回は第3週目のいとちワークで行ったさくらんぼ保育園での実習から、地域…

レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

最南端とはいえ東北のいわき市。朝はまだちょっと肌寒い日もありますが、日中はすごく穏やかで過ごしやすい天気が続いています。かしま地区の自然も、新緑の緑が徐々に濃い…

レポート | ACPとは人生そのものだ

はじめまして。大学を休学し、今年の4月からいわきに来た髙橋果歩です。ローカルアクティビストの小松理虔さんの元でインターンをしながら、いとちプロジェクトにも関わる…

一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴。|院内カフェのススメ

医療と地域の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクト「いとちプロジェクト」では、2023年11月〜12月の毎週金曜日、病院内の喫茶室でフリーコーヒーをふ…

コラム|「全人的」の「分人的」な、かかわりしろ

いとちプロジェクトがどのようなプロジェクトなのかを知るための補助線として、当事者として関わっている私、小松理虔の立場から、ここ最近つらつらと考えていることを言語…

レポート | 2024年1月と2月のいとち | 学びと体験のかしまへ

2024年も2月中旬に入りました。寒い日が続いていますが、いとちプロジェクト、今年も日々順調に、そして楽しく活動しています。この2ヶ月を振り返るレポートを掲載し…

いとちインタビュー vol.7 | 石川拓磨先生 | 医師としての「自分らしさ」を模索する

「これからの地域医療は、病を治すことだけでなく、その地域に住む方々の健康問題や地域課題を捉える人間力が必要となります」 こう語るのは、かしま病院の診療部部長を…

いとちインタビュー vol.6 | 鈴木歩未さん | 食を通じて生活を「つなぐ」

みなさんこんにちは!いとちプロジェクトの池本次朗です。 医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町に…

レポート | いわき地域医療セミナー | 医を学ぶ学生たちを、いとちで支える

福島県立医科大学といわき市とが連携して行っている「いわき地域医療セミナー」という医学生向けのプログラムがあります。医師を目指す学生が、実際の地域医療の現場を体験…

レポート  | 訪問診療。いま、自分ができることを重ねて

レポート | 訪問診療。いま、自分ができることを重ねて

いとちプロジェクトの小林歩記です。今年春に開催された「いとちツアー」で、医学生に混じり訪問診療に同行しました。医学を学んでいるわけではない法学部の私が訪問診療に同行するというのは、とても珍しいことかもしれません。

訪問診療は、病院へ通院することが難しい患者さんの自宅に、医師や看護師が定期的に訪問して診療するサービスのことです。患者のお宅の中まで入って診察を行うため、外来の診察よりも生活背景を把握

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レポート | 2024年6月のいとち | 自分の依って立つ領域を抜け出してみる

レポート | 2024年6月のいとち | 自分の依って立つ領域を抜け出してみる

徐々に蒸し暑い日が多くなってきました。私たちの拠点のある鹿島町久保地区は、「久保」という地名が示すように周囲を小高い里山に囲まれた「窪地」です。山から水が流れ込んでくる地形であり、もともとは田園風景の広がる地域でした。田畑を潰して宅地として造成したため、現在は住宅が多く立ち並んでいますが、久保のお隣、蔵持地区には今でも多くの田畑が残り、農業を営む人たちも少なくありません。

稲が青々と伸びてきた6

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地域を「診る」ことは、人を診ること

地域を「診る」ことは、人を診ること

いとちプロジェクトの小林歩記です。大学を休んでいとちプロジェクトのインターン生として活動しています。大学では政治学を専攻していて、医療の分野に携わる機会はほとんどありませんでした。

医療は身近な存在ではなく、むしろ、私が持っていた医療に対するイメージは、「物理的にも心理的にも自分には遠い」というものでした。病院に行って診察をし、薬局で薬をもらうという一連の動作にかかる金銭的、時間的コストが、私に

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レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

いとちプロジェクトでは、かしま研修にやってくる学生たちのために、「いとちワーク」という学びのプログラムを提供しています。さまざまなプログラムがあるのですが、講師の思いつきで、ある日突然実施されるワークもあります。今日は、6月18日に突如! 初開催されたインタビューワークについて、いとちインターン生の小林歩記がレポートしていきます。

初の試み! インタビューワークとは何ぞや?午後2時。参加者が全員

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24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

みなさんこんにちは!いとちインターンの高橋果歩です。

医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にある「かしま病院」のスタッフや医師、地元住民やまちづくりのプレーヤーと一緒に、医療と地域のよりよい関係を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。

今日皆さんに紹介するのは、今年の4月にかしま病院へ入職したリハビリ職3名の方へのインタビ

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レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

みなさん、こんにちは! いとちプロジェクトにインターン中、大学1年生の小林歩記です。今日は皆さんに、私たちが取り組んできた「喫茶いとち」の取り組みについてご紹介します。

喫茶いとちは、昨年度もかしま病院内で実施された「院内喫茶」の取り組み。前回は、およそ1ヶ月間、もともと喫茶室として使われていた場所で実施しましたが、今回は場所を変えて、病院内で「待ち時間中」の患者さんへドリンクを振る舞う形式で実

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レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

いとちワークは、かしま病院が非医療の地域メンバーと合同で週に1度実施する地域医療の実習プログラム。病院の外に出て、まちを歩いたり、ワークショップに参加したりしながら、人の背後にある「地域」や「暮らし」を見て感じるプログラムです。医師ではなく、医療職でもない、地域の人たちが講師を務めるのが特徴です。

徐々に気温も上がり始め、初夏のような日になることも多い鹿島の5月。快晴の日はちょっと暑さを感じます

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レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

みなさんこんにちは! 4月からいとちプロジェクトで活動しているインターン生の髙橋果歩です。今回は第3週目のいとちワークで行ったさくらんぼ保育園での実習から、地域(患者)が望む理想の医師像についてを綴っていきたいと思います。

「いとちワーク」は、毎週火曜日の14時から行われる地域医療を学ぶ研修プログラム。かしま病院では、病院実習のプログラムを「地域」にまで広げています。そのため、いとちワークの時間

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レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

最南端とはいえ東北のいわき市。朝はまだちょっと肌寒い日もありますが、日中はすごく穏やかで過ごしやすい天気が続いています。かしま地区の自然も、新緑の緑が徐々に濃い緑へと色が変わって、生命のエネルギーがみなぎって見える、そんな風景が感じられるようになりました。

さてここからは、4月のいとちについてレポートしていきたいと思います。いとちってどんな活動しているの? どんなことが学べるの? と思っていた方

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レポート | ACPとは人生そのものだ

レポート | ACPとは人生そのものだ

はじめまして。大学を休学し、今年の4月からいわきに来た髙橋果歩です。ローカルアクティビストの小松理虔さんの元でインターンをしながら、いとちプロジェクトにも関わることになりました。

いとちプロジェクトは、医療と地域の関係性をつくろうというプロジェクトですが、私はこれまで、「地域医療」と接点をもたない生活をしてきました。それもそのはず、大学は国際学部に進学していますし、小学校から今まで、学校を休んだ

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一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴。|院内カフェのススメ

一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴。|院内カフェのススメ

医療と地域の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクト「いとちプロジェクト」では、2023年11月〜12月の毎週金曜日、病院内の喫茶室でフリーコーヒーをふるまうプロジェクト「喫茶いとち」を行いました。

舞台となったのは、「地域医療と全人的医療の実践」を理念に掲げ、人や地域に根ざした医療を提供する「かしま病院」です。11月24日から12月29日の計6回の開催で、かしま病院の職員延べ168名、

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コラム|「全人的」の「分人的」な、かかわりしろ

コラム|「全人的」の「分人的」な、かかわりしろ

いとちプロジェクトがどのようなプロジェクトなのかを知るための補助線として、当事者として関わっている私、小松理虔の立場から、ここ最近つらつらと考えていることを言語化しておこうと思う。

このテキストは私が普段考えていることが分厚い下敷きになっているから、初見の人には若干伝わりにくい内容があるかもしれないけれど、全部まとめて振り返ると本が1冊書けてしまうかもしれないので、ここでは一旦棚に上げておき、早

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レポート | 2024年1月と2月のいとち | 学びと体験のかしまへ

レポート | 2024年1月と2月のいとち | 学びと体験のかしまへ

2024年も2月中旬に入りました。寒い日が続いていますが、いとちプロジェクト、今年も日々順調に、そして楽しく活動しています。この2ヶ月を振り返るレポートを掲載しました。しばしお付き合いください。

日々のいとちワーク

毎週火曜日14時より、いとちワークが実施されています。いとちワークは、病院や施設から一歩地域に出て、その地域の風景の中を歩いたり、地域の人たちとおしゃべりしたり、暮らしぶりを想像し

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いとちインタビュー vol.7 | 石川拓磨先生 | 医師としての「自分らしさ」を模索する

いとちインタビュー vol.7 | 石川拓磨先生 | 医師としての「自分らしさ」を模索する

「これからの地域医療は、病を治すことだけでなく、その地域に住む方々の健康問題や地域課題を捉える人間力が必要となります」

こう語るのは、かしま病院の診療部部長を務める中山文枝先生です。人間力を鍛えるためには、病院以外の場所で学んだり自分と向き合ったりする時間も大切だと考えていらっしゃいます。

そのため、かしま病院では、地域医療実習の1コマで「人間力」を鍛えるプログラムを導入し、地域での暮らしに

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いとちインタビュー vol.6 | 鈴木歩未さん | 食を通じて生活を「つなぐ」

いとちインタビュー vol.6 | 鈴木歩未さん | 食を通じて生活を「つなぐ」

みなさんこんにちは!いとちプロジェクトの池本次朗です。

医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にある「かしま病院」のスタッフや医師、地元住民やまちづくりのプレーヤーと一緒に、医療と地域のよりよい関係を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。

いとちのnoteでは、現場の先生たちへのインタビュー、地域医療・総合診療についてのさま

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レポート | いわき地域医療セミナー | 医を学ぶ学生たちを、いとちで支える

レポート | いわき地域医療セミナー | 医を学ぶ学生たちを、いとちで支える

福島県立医科大学といわき市とが連携して行っている「いわき地域医療セミナー」という医学生向けのプログラムがあります。医師を目指す学生が、実際の地域医療の現場を体験的に学ぶもので、震災後の2013年から毎年続けられてきました。じつは、いとちプロジェクトの母体である「かしま病院」が、そのセミナーの受け入れ先になっており、今年も、8月から9月にかけて合計3回、30名近くの医大生を受け入れています。

かし

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