いとちプロジェクト

福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザイン…

いとちプロジェクト

福島県いわき市鹿島町。医療と地域、「い」と「ち」の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクトです。インタビュー記事やイベントレポート、各種お知らせなどを投稿していきます。

マガジン

  • インタビュー

    かしま病院で働くスタッフの「声」を届けるシリーズ。仕事内容や地域医療への思い、やりがいなどを紹介しています。

  • レポート

    いとちプロジェクトやかしま病院で行ったイベントレポートを届けるシリーズ。

  • コラム

    いとちプロジェクトメンバーの「声」を届けるコラムシリーズ。

最近の記事

地域を「診る」ことは、人を診ること

いとちプロジェクトの小林歩記です。大学を休んでいとちプロジェクトのインターン生として活動しています。大学では政治学を専攻していて、医療の分野に携わる機会はほとんどありませんでした。 医療は身近な存在ではなく、むしろ、私が持っていた医療に対するイメージは、「物理的にも心理的にも自分には遠い」というものでした。病院に行って診察をし、薬局で薬をもらうという一連の動作にかかる金銭的、時間的コストが、私にとってはとても大きかったからです。 コストをかけて病院に行っても医師と話す時間

    • レポート | 医療を外して「その人」をみてみるインタビューワーク

      いとちプロジェクトでは、かしま研修にやってくる学生たちのために、「いとちワーク」という学びのプログラムを提供しています。さまざまなプログラムがあるのですが、講師の思いつきで、ある日突然実施されるワークもあります。今日は、6月18日に突如! 初開催されたインタビューワークについて、いとちインターン生の小林歩記がレポートしていきます。 初の試み! インタビューワークとは何ぞや?午後2時。参加者が全員集まり、いつものように、いとちワークの説明が始まりました。普段のワークでは、最初

      • 24卒新入社員いとちインタビューvol.8 | コロナ禍での実習から学んだコミュニケーションの大切さ

        みなさんこんにちは!いとちインターンの高橋果歩です。 医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にある「かしま病院」のスタッフや医師、地元住民やまちづくりのプレーヤーと一緒に、医療と地域のよりよい関係を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。 今日皆さんに紹介するのは、今年の4月にかしま病院へ入職したリハビリ職3名の方へのインタビューです。今回インタビューした3名のうち、伊藤さんと馬場さんが理学療法士、渡邉さ

        • レポート | 傾聴を通じてひらかれる医療の関わりしろ

          みなさん、こんにちは! いとちプロジェクトにインターン中、大学1年生の小林歩記です。今日は皆さんに、私たちが取り組んできた「喫茶いとち」の取り組みについてご紹介します。 喫茶いとちは、昨年度もかしま病院内で実施された「院内喫茶」の取り組み。前回は、およそ1ヶ月間、もともと喫茶室として使われていた場所で実施しましたが、今回は場所を変えて、病院内で「待ち時間中」の患者さんへドリンクを振る舞う形式で実施しました。詳しくはこちらを↓ 今回の実施期間は2024年5月の1か月間。毎週

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          レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

          いとちワークは、かしま病院が非医療の地域メンバーと合同で週に1度実施する地域医療の実習プログラム。病院の外に出て、まちを歩いたり、ワークショップに参加したりしながら、人の背後にある「地域」や「暮らし」を見て感じるプログラムです。医師ではなく、医療職でもない、地域の人たちが講師を務めるのが特徴です。 徐々に気温も上がり始め、初夏のような日になることも多い鹿島の5月。快晴の日はちょっと暑さを感じますが、半袖でまちを歩くのにはもってこいの季節です。5月は雨天の日もあったものの、順

          レポート | 2024年5月のいとち | 医を出て医を振り返る

          レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

          みなさんこんにちは! 4月からいとちプロジェクトで活動しているインターン生の髙橋果歩です。今回は第3週目のいとちワークで行ったさくらんぼ保育園での実習から、地域(患者)が望む理想の医師像についてを綴っていきたいと思います。 「いとちワーク」は、毎週火曜日の14時から行われる地域医療を学ぶ研修プログラム。かしま病院では、病院実習のプログラムを「地域」にまで広げています。そのため、いとちワークの時間では、医師ではなく、地域の方々が講師を務めています。 ▼第1回目のいとちワーク

          レポート | 皆勤賞の私が見つけた理想の医師像

          レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

          最南端とはいえ東北のいわき市。朝はまだちょっと肌寒い日もありますが、日中はすごく穏やかで過ごしやすい天気が続いています。かしま地区の自然も、新緑の緑が徐々に濃い緑へと色が変わって、生命のエネルギーがみなぎって見える、そんな風景が感じられるようになりました。 さてここからは、4月のいとちについてレポートしていきたいと思います。いとちってどんな活動しているの? どんなことが学べるの? と思っていた方、ぜひぜひこのレポートを参考にしてみてください。 この4月ですが、いつものよう

          レポート | 2024年4月のいとち | 問診ではないインタビューとは?

          レポート | ACPとは人生そのものだ

          はじめまして。大学を休学し、今年の4月からいわきに来た髙橋果歩です。ローカルアクティビストの小松理虔さんの元でインターンをしながら、いとちプロジェクトにも関わることになりました。 いとちプロジェクトは、医療と地域の関係性をつくろうというプロジェクトですが、私はこれまで、「地域医療」と接点をもたない生活をしてきました。それもそのはず、大学は国際学部に進学していますし、小学校から今まで、学校を休んだことはほとんどありません(いつも皆勤賞!)。 また、広島市で生まれ、小学校から

          レポート | ACPとは人生そのものだ

          一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴。|院内カフェのススメ

          医療と地域の担い手たちによるコミュニティデザインプロジェクト「いとちプロジェクト」では、2023年11月〜12月の毎週金曜日、病院内の喫茶室でフリーコーヒーをふるまうプロジェクト「喫茶いとち」を行いました。 舞台となったのは、「地域医療と全人的医療の実践」を理念に掲げ、人や地域に根ざした医療を提供する「かしま病院」です。11月24日から12月29日の計6回の開催で、かしま病院の職員延べ168名、患者・地域住民延べ68名、総勢236名の方が喫茶いとちに足を運んでくださいました

          一杯のコーヒーが、病院にあけた風穴。|院内カフェのススメ

          コラム|「全人的」の「分人的」な、かかわりしろ

          いとちプロジェクトがどのようなプロジェクトなのかを知るための補助線として、当事者として関わっている私、小松理虔の立場から、ここ最近つらつらと考えていることを言語化しておこうと思う。 このテキストは私が普段考えていることが分厚い下敷きになっているから、初見の人には若干伝わりにくい内容があるかもしれないけれど、全部まとめて振り返ると本が1冊書けてしまうかもしれないので、ここでは一旦棚に上げておき、早速書き始めていくことにしよう。 医と地が連携した育成プログラム いとちプロジ

          コラム|「全人的」の「分人的」な、かかわりしろ

          レポート | 2024年1月と2月のいとち | 学びと体験のかしまへ

          2024年も2月中旬に入りました。寒い日が続いていますが、いとちプロジェクト、今年も日々順調に、そして楽しく活動しています。この2ヶ月を振り返るレポートを掲載しました。しばしお付き合いください。 日々のいとちワーク 毎週火曜日14時より、いとちワークが実施されています。いとちワークは、病院や施設から一歩地域に出て、その地域の風景の中を歩いたり、地域の人たちとおしゃべりしたり、暮らしぶりを想像したりして地域を学ぼうという研修ワークです。講師は、いとちプロジェクトのメンバーが

          レポート | 2024年1月と2月のいとち | 学びと体験のかしまへ

          いとちインタビュー vol.7 | 石川拓磨先生 | 医師としての「自分らしさ」を模索する

          「これからの地域医療は、病を治すことだけでなく、その地域に住む方々の健康問題や地域課題を捉える人間力が必要となります」 こう語るのは、かしま病院の診療部部長を務める中山文枝先生です。人間力を鍛えるためには、病院以外の場所で学んだり自分と向き合ったりする時間も大切だと考えていらっしゃいます。 そのため、かしま病院では、地域医療実習の1コマで「人間力」を鍛えるプログラムを導入し、地域での暮らしに目を向けるまちあるきや、さまざまな立場の人と言葉を交わす対話のワークショップを行

          いとちインタビュー vol.7 | 石川拓磨先生 | 医師としての「自分らしさ」を模索する

          いとちインタビュー vol.6 | 鈴木歩未さん | 食を通じて生活を「つなぐ」

          みなさんこんにちは!いとちプロジェクトの池本次朗です。 医療と地域、「い」と「ち」の担い手によるコミュニティデザインプロジェクト「いとち」では、いわき市鹿島町にある「かしま病院」のスタッフや医師、地元住民やまちづくりのプレーヤーと一緒に、医療と地域のよりよい関係を目指し、さまざまな取り組みを行なっています。 いとちのnoteでは、現場の先生たちへのインタビュー、地域医療・総合診療についてのさまざまな情報、イベントレポートなどを発信していきます。 今回紹介するのは、かしま

          いとちインタビュー vol.6 | 鈴木歩未さん | 食を通じて生活を「つなぐ」

          レポート | いわき地域医療セミナー | 医を学ぶ学生たちを、いとちで支える

          福島県立医科大学といわき市とが連携して行っている「いわき地域医療セミナー」という医学生向けのプログラムがあります。医師を目指す学生が、実際の地域医療の現場を体験的に学ぶもので、震災後の2013年から毎年続けられてきました。じつは、いとちプロジェクトの母体である「かしま病院」が、そのセミナーの受け入れ先になっており、今年も、8月から9月にかけて合計3回、30名近くの医大生を受け入れています。 かしま病院の研修の特徴は、総合診療を、①多職種連携の実践的な動きのなかで学ぶプログラ

          レポート | いわき地域医療セミナー | 医を学ぶ学生たちを、いとちで支える

          コラム|病院の広報スタッフが地元の「よさこいサークル」に3ヶ月通い続けて学んだこと

          「鹿島公民館で活動している、『鹿島おかみさんソーラン隊』というサークルを見つけたんです!! 長岡さんも、今度よかったら一緒に行きませんか?」 ――――いとちプロジェクトで、共に活動しているコミュニティデザイナー見習いの前野有咲さんから声をかけてもらったのは、今年の5月。 普段、かしま病院で広報スタッフとして働く私は、地域活動の経験はそう多くはない。参加するのを少しためらったものの、地域に関わる機会になればと、鹿島おかみさんソーランに加入することを決めた。 そこから、「か

          コラム|病院の広報スタッフが地元の「よさこいサークル」に3ヶ月通い続けて学んだこと

          レポート | 夏のいとちツアー | 現場を生きる人の生き様から「喰らう」もの

          みなさんこんにちは。いとちプロジェクトメンバーで地域活動家の小松理虔です。9月。上半期の最後の月ということで、今年の前半をいろいろ振り返るわけですけれども、今年は特に夏の時期はツアーばかりやっていたなあ、ガイドばかりしていたなあと思い返します。 いとち関係のツアーだけでなく、福島県浜通り地区で開催された「常磐線舞台芸術祭」のプログラムでもツアーを行ったり、いとちプロジェクトの「地域医療実習ワーク」で毎週のように鹿島地区を歩いたり。長いのも、短いのいも、地元で旅を続けた半年で

          レポート | 夏のいとちツアー | 現場を生きる人の生き様から「喰らう」もの