筏九命

いかだ・きゅうめい。小説など書いています。Twitterもどうぞよろしく。

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記事一覧

SF創作講座2023非公式梗概「僕の彼女がケネディ殺した」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023…

筏九命
4か月前
2

SF創作講座2023非公式梗概「火力発電のケミー」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023…

筏九命
6か月前
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SF創作講座2023非公式梗概「家電:祖母搭載」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023…

筏九命
7か月前

熱狂、混沌、大阪。『頭の中がカユいんだ』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 夏ですね。それ以外にいうことがないくらい夏です。梅雨が大きな夏の下をくぐって抜けていく、中途半端で嫌な季節です。 今日…

筏九命
9か月前
4

死んだら自分は「何者」なのか。『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 本はめちゃくちゃ買うんですが、どうしても読むのは遅い。しかし漫画だけは別で、スイスイと読めてしまいます。5巻分くらいな…

筏九命
9か月前
2

飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より【小説】

 飴の降るわが屋根つたい星が散る  二つにわれて湧くは寂寥  京子の代表作として知られるこの短歌が読まれたのは、一九一八年のことでした。十八歳にして『アララギ』…

筏九命
10か月前
1

『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』補足

同時投稿しました『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』は、裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式的な作品です。 形式や文字数上限はSF創作講座2…

筏九命
10か月前

「社会悪」が示す情報社会。『サンキュー・スモーキング』【映画紹介】

「シーシャ」というものについて、若干の興味がある今日この頃。 独特の体験ながらも、結局は喫煙行為。中毒になってしまわないか、というところで一歩引いているのが現状…

筏九命
10か月前
1

サーカスから世界を紐解く。『〈サーカス学〉誕生』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 自分は基本的に文芸書しか読みませんが、興味を持ったら学術書も買うようにしています。ニッチな知識を吸収できて面白いんで…

筏九命
10か月前
3

宇宙って虚無だ。『ダーク・スター』【映画紹介】

宇宙映画。昔から宇宙が舞台の映画は星の数ほど作られてきました。 『スター・ウォーズ』に『スタートレック』、芸術志向の『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』、ホラー…

筏九命
10か月前
2

探偵で犯人で被害者で証人。『シンデレラの罠』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 読んでいる本のジャンルがバラバラなので、紹介する本のジャンルも必然的にバラバラになってしまいます。 エッセイ、社会派と…

筏九命
10か月前
10

君に会うため、60年を超える。『ある日どこかで』【映画紹介】

SFと恋愛の掛け合わせはある種の定番になりつつあります。 とりわけ恋愛がテーマになっているSFで多いのは時間モノ。 ループに閉じ込められる『恋はデ・ジャヴ』、1920年代…

筏九命
10か月前
3

僕らは新興宗教の何を恐れるのか。『逆さに吊るされた男』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。 前回『父・萩原朔太郎』を紹介したらスキが10ほど来まして、勝手に盛り上がっていました。朔太郎の知名度に対して知られてな…

筏九命
10か月前
3

気の毒でおかしくて切ない。『迷子の警察音楽隊』【映画紹介】

電車やバスで移動していると不安になりませんか? 特に旅先では土地勘もないうえに地名すらよくわからない。 もし間違えてしまったら大損することになります。 そんな間違…

筏九命
10か月前
1

愛しき父は、偉い詩人らしい。『父・萩原朔太郎』【本の紹介】

noteのアカウントを作ったので、読んだ本を紹介していこうと思います。 前から「やりたいな~」とは思っていたものの、定石がわからず放置していました。が、自分なりにや…

筏九命
10か月前
9

SF創作講座2023非公式梗概「宇宙には味がない」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。 形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。 ゲンロンSF創作講座2023 超・SF作家育成サイト2023…

筏九命
11か月前
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SF創作講座2023非公式梗概「僕の彼女がケネディ殺した」

SF創作講座2023非公式梗概「僕の彼女がケネディ殺した」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。
形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。

ゲンロンSF創作講座2023
超・SF作家育成サイト2023
裏SF創作講座

第7回テーマ:
「ワンシチュエーションで書いてください」

梗概「僕の彼女がケネディ殺した」

 高校生になった「僕」に初めてできた彼女。一つ下の後輩の鈴村愛良は不思議な印象を抱かせる女性で、可

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SF創作講座2023非公式梗概「火力発電のケミー」

SF創作講座2023非公式梗概「火力発電のケミー」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。
形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。

ゲンロンSF創作講座2023
超・SF作家育成サイト2023
裏SF創作講座

第5回テーマ:
「変なペットが出てくるお話を作ってみてください」

梗概「火力発電のケミー」

 ある雨の日、中学生の「私」は野良の火力発電生体を拾う。名前はケミー。煙突から吐き出した煙が煙たか

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SF創作講座2023非公式梗概「家電:祖母搭載」

SF創作講座2023非公式梗概「家電:祖母搭載」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。
形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。

ゲンロンSF創作講座2023
超・SF作家育成サイト2023
裏SF創作講座

投稿が間に合わなかったのですが、一応ここに置いておきます。

第4回テーマ:
「最新技術をテーマにSFを書いてみる」

梗概「家電:祖母搭載」

 学校から帰ると、リビングから死んだ祖母の声がす

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熱狂、混沌、大阪。『頭の中がカユいんだ』【本の紹介】

熱狂、混沌、大阪。『頭の中がカユいんだ』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。
夏ですね。それ以外にいうことがないくらい夏です。梅雨が大きな夏の下をくぐって抜けていく、中途半端で嫌な季節です。
今日取り上げるのは十月の小説ですが。

今回紹介するのは中島らも『頭の中がカユいんだ』です。

中島らも。
小説家、劇作家、コピーライターと幾多のジャンルにまたがって活動した、いわば流浪の作家。
20世紀後半の日本を表すような文化人だと自分は

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死んだら自分は「何者」なのか。『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』【本の紹介】

死んだら自分は「何者」なのか。『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。
本はめちゃくちゃ買うんですが、どうしても読むのは遅い。しかし漫画だけは別で、スイスイと読めてしまいます。5巻分くらいならその日のうちに読んじゃいます。

今回紹介するのはナターシャ『死にかけた僕はまだ芸人を辞めていない』です。

作者は浅井企画所属のコント師「ニュークレープ」のメンバー。
漫画の主人公は漫才師ですが、自身に起きた出来事を基に構成しています

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飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より【小説】

飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より【小説】

 飴の降るわが屋根つたい星が散る
 二つにわれて湧くは寂寥

 京子の代表作として知られるこの短歌が読まれたのは、一九一八年のことでした。十八歳にして『アララギ』に短歌を発表した背景には、父である大学教授、二見禄郎の存在がありました。幼少期より父を通じて歌壇と接点を持っていた京子は、その瑞々しい感性で世の情景を三十一字の世界に起こしていきます。
 飴雨(ジウ)を題材としたこの短歌も、二見家の縁側で

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『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』補足

同時投稿しました『飴雨短歌の表現領域——国木京子の生涯より』は、裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式的な作品です。
形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。

ゲンロンSF創作講座2023
超・SF作家育成サイト2023
裏SF創作講座

形式に合わせるため、アピール文も以下に掲載します。

アピール文

『ありえない』。いい言葉です。問題はその突拍子もない出来事

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「社会悪」が示す情報社会。『サンキュー・スモーキング』【映画紹介】

「社会悪」が示す情報社会。『サンキュー・スモーキング』【映画紹介】

「シーシャ」というものについて、若干の興味がある今日この頃。
独特の体験ながらも、結局は喫煙行為。中毒になってしまわないか、というところで一歩引いているのが現状です。

「健康被害」のリスクを背負ってまでやるべきか。
最近でいえばサウナもそうですね。快感を唱える人がいる一方で、科学的に行為そのものを批判する人もいます。
これをどう判断すればいいか。

そんな話も関係するかもしれない社会派映画。

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サーカスから世界を紐解く。『〈サーカス学〉誕生』【本の紹介】

サーカスから世界を紐解く。『〈サーカス学〉誕生』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。
自分は基本的に文芸書しか読みませんが、興味を持ったら学術書も買うようにしています。ニッチな知識を吸収できて面白いんですよね。

今回紹介するのは大島幹雄『〈サーカス学〉誕生 曲芸・クラウン・動物芸の文化誌』です。

サーカス。
魅力的な舞台としてしばしば小説や映画でも取り上げられる催しですね。
日本では木下大サーカスやシルク・ドゥ・ソレイユの興行が有名で

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宇宙って虚無だ。『ダーク・スター』【映画紹介】

宇宙って虚無だ。『ダーク・スター』【映画紹介】

宇宙映画。昔から宇宙が舞台の映画は星の数ほど作られてきました。
『スター・ウォーズ』に『スタートレック』、芸術志向の『惑星ソラリス』や『2001年宇宙の旅』、ホラーテイストの『エイリアン』、『オデッセイ』『インターステラー』『ガーディアン・オブ・ギャラクシー』……。
宇宙はロマン。異星の旅に侵略者の出現。何が起きたって不思議ではありません。映画の世界では派手に音だって鳴りますし。

だからこそ、宇

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探偵で犯人で被害者で証人。『シンデレラの罠』【本の紹介】

探偵で犯人で被害者で証人。『シンデレラの罠』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。
読んでいる本のジャンルがバラバラなので、紹介する本のジャンルも必然的にバラバラになってしまいます。
エッセイ、社会派と続き、今回はミステリです。

今回紹介するのはセバスチアン・ジャプリゾ『シンデレラの罠』です。

オリジナルは1962年、フランスで出版。
自分が手に取ったきっかけは、この小説が授業の中で「実験小説」として紹介されたからでした。

20歳

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君に会うため、60年を超える。『ある日どこかで』【映画紹介】

君に会うため、60年を超える。『ある日どこかで』【映画紹介】

SFと恋愛の掛け合わせはある種の定番になりつつあります。
とりわけ恋愛がテーマになっているSFで多いのは時間モノ。
ループに閉じ込められる『恋はデ・ジャヴ』、1920年代のパリに飛ぶ『ミッドナイト・イン・パリ』など、映画でもこの掛け合わせは多し。
日本SFでいえば『時をかける少女』なんかも恋愛と時間の組み合わせですね。

定番の時間恋愛モノにも、カルト映画と呼ばれているものがあります。
知っている

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僕らは新興宗教の何を恐れるのか。『逆さに吊るされた男』【本の紹介】

僕らは新興宗教の何を恐れるのか。『逆さに吊るされた男』【本の紹介】

読んだ本を適当に取り出して紹介しています。
前回『父・萩原朔太郎』を紹介したらスキが10ほど来まして、勝手に盛り上がっていました。朔太郎の知名度に対して知られてないので是非一読を。

今回紹介するのは田口ランディ『逆さに吊るされた男』です。

タイトルから推測すると、中世や占い、それに関連したミステリーだと思うんじゃないでしょうか。自分もそう思って本を取りました。
実際は全然違います。

主題はオ

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気の毒でおかしくて切ない。『迷子の警察音楽隊』【映画紹介】

気の毒でおかしくて切ない。『迷子の警察音楽隊』【映画紹介】

電車やバスで移動していると不安になりませんか?
特に旅先では土地勘もないうえに地名すらよくわからない。
もし間違えてしまったら大損することになります。

そんな間違いからドラマが生まれる映画、『迷子の警察音楽隊』をご紹介。
※内容を紹介していますが、本編全体の大きなネタバレはありません。

イスラエルが製作に関わっている映画だけあって、冒頭の制作会社ロゴから未知のオンパレード。
しかし、内容は実に

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愛しき父は、偉い詩人らしい。『父・萩原朔太郎』【本の紹介】

愛しき父は、偉い詩人らしい。『父・萩原朔太郎』【本の紹介】

noteのアカウントを作ったので、読んだ本を紹介していこうと思います。
前から「やりたいな~」とは思っていたものの、定石がわからず放置していました。が、自分なりにやってみることにします。

今回紹介するのは萩原葉子『父・萩原朔太郎』です。

萩原朔太郎について、みなさまはどの程度知っていらっしゃるでしょうか。
大正時代から戦前(戦争開始直後?)にかけて活動した、「日本近代詩の父」とも呼ばれる詩人で

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SF創作講座2023非公式梗概「宇宙には味がない」

SF創作講座2023非公式梗概「宇宙には味がない」

裏SF創作講座への投稿を目的とした、SF創作講座の非公式梗概です。
形式や文字数上限はSF創作講座2023に倣っています。

ゲンロンSF創作講座2023
超・SF作家育成サイト2023
裏SF創作講座

第1回テーマ:
「宇宙、または時間を扱うSFを書いてください」

梗概「宇宙には味がない」

 宇宙には味がない。カムラとナヒトにとって、それは深刻な問題だった。カムラとナヒトは他の人々と同様、

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