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取り留めのない話

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特にジャンルのない話題を、気の向くまま書いていきます。
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#一駅ぶんのおどろき

お騒がせしてすみません

お騒がせしてすみません

7年程前の話。

当時5才の長男と、保育園で同じクラスの男の子、そのご両親と一緒に、子供向けのイベントに参加した。

会場までは、大人の足で30分くらい。

お互い車で行き、現地で落ち合った。

イベント後、会場近くの河川敷でピクニック。

初夏の陽気に、家族連れがキャッチボールやバドミントンなどに興じていた。

奥様同士、子育ての悩みやオススメのお店の話で盛り上がる。

男親は、仕事や趣味の話で

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半纏の思い出

半纏の思い出

祖父が亡くなった30年前。

当時7才だった私の記憶では、葬式の間、子供たちは2階の部屋に押し込められ遊んでいた。

居間から聞こえる坊主のお経が、祖父の死を実感させる。

火葬場のトイレの天井に、直径5センチ大の蜘蛛がいて怖かった。

『じいちゃんはお空に昇ってお星様になるんだよ』

祖父の煙を見上げながら、親父がポツリと発した言葉が耳に残る。

祖父は面白い人だった。

亡くなる前年、当時2才

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怒るべきか否か迷う

怒るべきか否か迷う

『今どこにいる?』妻のGメールから届いた。

どこって、

今日は早朝から県外に出ることを伝えてあったハズだが、今更何を言ってるのか?

『約束のものは注文した?』

約束?なんのことだろう。

マズイなぁ。なんか頼まれたものを忘れてしまったのか。

またガミガミ言われちゃうなぁ。

『ねえ!買っといてって言ったよね!まさか忘れた?』

ゲゲ!問い詰めて来た。

どうしようか。「何を?」って返事を

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食べ物を粗末にしてはいけない

食べ物を粗末にしてはいけない

苦い記憶中1の娘が、

『学校の給食が不味すぎて食べたくない。』と。

貧しい家庭に育った私にとって、それはとてもショックな言葉。

反射的に、

『何を甘えたことを!!!俺なんか、中2の夏休み2カ月間、3食そうめんしか食わせてもらえなくて、栄養失調で倒れたことあんのに。』

食べ物を粗末にすると、尋常じゃなく怒られた。

出された食事を残すと、

『お前にはもう食べ物を与えない』

そう言われて

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人騒がせな奴

人騒がせな奴

突然の電話「もしもし、茉奈さんのお兄さんですか?私、〇〇交番の高橋と申しまして、、」

見慣れぬ番号は、光回線、不動産、危ない投資の勧誘など、面倒な連絡と決まっている。

「今すぐ妹さんの家までお越し頂けませんか?緊急事態です!」

4才下の茉奈とは、かれこれ3年程、音信不通だった。

徒歩5分圏内に住んでいながら、安否不明。

悲しみを通り越して、いつしか諦めの気持ちだった。

仕事中だが、急ぎ

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最近妻が綺麗になって・・・

最近妻が綺麗になって・・・

化粧も念入りに。

ピアスホールは、とっくに埋ってしまったものだと思っていたのに。

洋服はいつも安物のハズが、デパートで揃えているようだ。

おかしい。なにかおかしい。

さり気なくその話題に触れてみたが、

「気のせいじゃない?あなた疲れてるのよ。」

なんて言って髪型を整えそそくさと部屋を出ていく。

まるで昔流行った、SMAPの『青いイナズマ』みたいだ。

そして

お酒なんて、全然飲まな

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目押しってなに?しらんがな(# ゚Д゚)

目押しってなに?しらんがな(# ゚Д゚)

17年前の元旦、当時住み込みで勤めていた新聞販売店の店長に誘われ、いわゆる『初打ち』とやらに付き合わされた。

「今日は元旦だから出るぜ〜!」

こちとら、実の親父がパチンコで拵えた借金で蒸発。

故に、ギャンブルを敬遠していたが、

『お金は俺が出すからさ』と。

朝からお酒を飲んだから、運転手が欲しかったようだ。

まあ、人のお金ならいいか。

店長の隣に座り、渡された5千円を突っ込んだ。

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だから奥さんなんだってば!!

だから奥さんなんだってば!!

お取引先によく案内されるカラオケバー。

地方都市の繁華街で、街の浮き沈みを泳いできたマスターの、渋いマイクパフォーマンスを、今夜も常連客が口真似してイジる。

毎晩、昭和の名曲のオンパレード。

熟年のオヤジ達がもてなす、色気の欠片もないお店だが、音楽好きが集まり、地元ではそこそこ有名だ。

そして、夜の蝶を連れた男たちが、孤独を紛らわすため、はたまた、儚い駆け引きを演じるためにやってくる。

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老け顔あるある聞きたいですか?

老け顔あるある聞きたいですか?

【1.ショッピングにて】取引先の創業30周年パーティーに招待された。

ドレスコードを揃えに、二人で百貨店に。

ニ時間程、

『これはどうかな?』

『やっぱりワンピースかな?』

『バッグも新調しちゃおうかな?』

『ねえ、色はどっちがいいかな?』

久し振りのショッピングにはしゃいでいる。

洋服や装飾品を選ぶ時の、女の子の笑顔の輝きは、いつ観ても眩しい。

20代前半と思しき売り子が、サイ

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夜磯でドッキリ!!!

夜磯でドッキリ!!!

三日月浮かぶ初秋の夜。

肌寒さを感じながら、『超』の付く釣りバカの義兄に案内され、あまり人の立ち入らない磯に立った。

磯釣りの醍醐味

『竿の長さと、細糸による、魚とのスリリングな駆け引き』

5メートルちょっとのカーボン製ロッドが、弓の様に弧を描く。

強引に引くと糸が切れてしまう。

糸を緩めすぎると、底に潜られ、海中の岩で糸を切られる。

人付き合いも。

並んで『電気ウキ』を闇夜の海に

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