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#いじめ
高校生のための人権入門(17) 人権の中身「安心、自信、自由」
人権尊重は無条件もう一度ここで、パワーハラスメントの話に戻ります。パワーハラスメントの加害者も、ふつうパワーハラスメント自体を良いことだと思ってはいません。また、相手の人権を侵害して良いと思っている人もふつういません。だから、パワーハラスメントの加害者に、パワーハラスメントがいけないこと、許されないということ、人権は尊重しなければならないということを、何回繰り返して言っても実は効果はありません。「
もっとみる高校生のための人権入門(18) なぜ、人権は尊重されなければならないか
はじめに前回、人権の中身とは「安心、自信、自由」だというお話をしました。「安心」とは、「わたしはここにいていい」という思いであり、「自信」とは、「今のわたしはこれでいい」という思いであり、「自由」とは、「わたしのことはわたしが決めている。つまり、わたしがわたしの人生の主人公だ。」という思いだとお話ししました。これを踏まえて、前回の最初に取り上げた疑問、「相手がどんな『ひどい人』で、自分や周りの人に
もっとみる高校生のための人権入門(19) 「多様性の尊重」の落とし穴
はじめに最近、日本で人権について語られる時、とてもよく使われるようになった言葉に、「多様性の尊重」という言葉があります。確かにこの言葉は、「人権侵害とは、自分とは『違う』あり方、考え方、生き方をしている人への非難、攻撃である」というポイント(第18回参照)をよく押さえています。しかし、「人権を尊重する」ということと「多様性を尊重する」ことを、同じことだと考えてしまうと、そこには大きな「落とし穴」が
もっとみる高校生のための人権入門(20) パワーハラスメントを生む「集団」とは
はじめに前回、「現実の『人と人との関係』は、基本的に力と力の関係であり、どちらかがどちらかを支配している(相手を従わせている、自分に合わせさせている)関係なのです。」と書きました。このことについて、次回、くわしくお話したいと思っていますが、今回は、それを考える前に、まず、パワーハラスメントを生む集団は、どんな性質を持っている集団かを考えてみたいと思います。
人と人がつくる二種類の集団人と人がつく
高校生のための人権入門(26) 人権と法律(補足1)
はじめに前回で、「高校生のための人権入門」の本編は終わりましたが、25回ほど人権について書いてくる中で、心に引っかかったことが二つほどあります。それについて2回ほど「補足」という形で書いて全体を終わりにしたいと思います。ひとつめは、「人権と法律」です。
パワーハラスメントは法律で防げるか実際の生活の中で、今、起きていることが人権侵害かどうかが問題になってくると、当然のことながら、法律との関係が議