人は天使であろうとすると獣(けもの)になる
わたしたちは、「正しさ(正義)」を目指して人が動けば、世の中はよくなると思っています。しかし、これはたぶん思い違いです。なぜ、思い違いなのかを、今回は考えてみたいと思います。
人は天使であろうとすると獣(けもの)になる十七世紀フランスのブレーズ・パスカルは、その有名な『パンセ』の中に、こんな印象的な言葉を残しています。
「人間は、天使でも獣(けもの)でもない。そして不幸なことに、天使であろうとすると獣になる」(L'homme n'est ni ange ni bête,