記事一覧
自分の居場所を生み育てていくこと
noteを更新するのはものすごく久しぶりだけど、どうしても書きたくなったので、今回長らく放置状態だった自分のページをログインしてみた。
書きたくなった理由は、とある本に出合ったのがきっかけ。それは藤井聡子さんが書いたエッセイ「どこにでもあるどこかになる前に。」という本。副題は「~富山見聞逡巡記~」となっている。
藤井さんが雑誌編集者を辞めて、東京から故郷の富山に戻ってきて感じたことや日々の葛藤
横山秀夫著「ノースライト」
大好きな小説家の絲山秋子さんが絶賛してたので「64」を読んでみてすっかりファンになった横山秀夫さんの最新の小説。
主人公は一級建築士。バブルの頃の華やかさとは一転、今では小さな案件をこつこつとこなしている。そんな時に手がけた渾身の建築。それを依頼した家族は、あれほどまでに完成を喜んでいたのに、お金を支払ったものの引っ越しもせずに姿をくらませた──。
一家蒸発というミステリーを物語の「縦軸」にし
パリの街の中年男と若い女
2018年11月26日。イタリア人映画監督のベルナルド・ベルトリッチが亡くなりました。77歳だったそうです。
彼の死を悼んだ追悼上映があったので観てきました。作品は1972年製作の「ラストタンゴ・イン・パリ」です。
妻に自殺されたばかりの40代の男と、若い女性の出会いから別れまでを描いたものです。男性をマーロン・ブランド、女性をマリア・シュナイダーが演じています。
パリのアパートの一室を
ある“女性”の孤独と絶望を描いた作品
先日、東京の名画座「早稲田松竹」で「13回の新月のある年に」という作品を観てきました。
監督はライナー・ヴェルナー・ファスビンダーというドイツ人です。ファスビンダーは1945年生まれ。40本以上の作品を作り、1982年に37歳の若さで急死しています。
「13回の新月のある年に」は1978年製作。ファスビンダー自身が原案から脚本、監督、撮影、美術、編集、製作まで手がけているそうです。
こ
映画にまつわる2本のドキュメンタリー
映画には実写映画やアニメーション、現代映画と古典映画など、さまざまな区別が可能ですが、劇映画とドキュメンタリーという分け方もあります。劇映画はいわゆるフィクションで、つまり作り物。ドキュメンタリーは実際に起こっていることの記録を見せるというものです。
とはいえ、このフィクションとドキュメンタリーの区別は結構難しくて、たとえ実際に起こっている記録であっても「編集」という人間による作為的な処理が