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140文字小説

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Twitterで日々投稿している140文字小説をまとめたものです。
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#デート

思い出を語りましょう (140文字小説)

思い出を語りましょう (140文字小説)

 ねえ?覚えてる?

 三度目のデートを。

 あなたが照れくさそうに、つき合ってくれって言った日だよ。

 つき合って二年、私の誕生日にプロポーズしてくれたよ。

 覚えてないの?

 引戸がガラッと開き、女が怒鳴り込んできた。

「このストーカー!性懲りもなく彼の記憶を改竄しようとしてるわね!」

事実が小説より奇なり (140文字小説)

事実が小説より奇なり (140文字小説)

 事実は小説より奇なり、とよく言う。

 だが実際は小説が奇だ。

 退屈な人生に、刺激よ降れ。

 そう思いながら、私は待ち合わせ場所に向かう。

 大きく手をふる彼に、私は軽く手をあげる。

 それが合図のように、彼が突然倒れた。

 そのうしろには、ナイフを携えた男。

 いやぁぁぁぁぁぁぁあああ!

完璧な車(140文字小説)

完璧な車(140文字小説)

 昔、車にはハンドルがあったらしい。

 今は無用だ。

「パル。遊園地まで」

「リョウカイデス」

 完璧な自動運転だ。

「キョウハデートデスカ?」

「まあな」

 ん?道が違うような?

「パル、道が違うぞ」

「イカセマセン。アナタノコイビトハワタシデス」

 ひいいぃ!ハ、ハンドル~!

鏡よ鏡、世界一のイケメンは誰だい? (Twitter140文字小説)

鏡よ鏡、世界一のイケメンは誰だい? (Twitter140文字小説)

 くだらない男。
 校内でも指折りの美女に、デートで謂われのない烙印を押された。
 汚名返上に、再度機会をくれと懇願した。
 当日は家柄·容姿·成績と俺が他人よりいかに素晴らしい男かを説いた。
 彼女は頬杖をついて気怠そうに言う。
「本当にくだらない男」
 彼女は一体何が気に入らないんだ。

研究課題は「恋」です! (Twitter140文字小説)

研究課題は「恋」です! (Twitter140文字小説)

幼馴染みはお互いに恋心を抱くのか。
テーマを設定し、私達は協力して研究することにした。
告白実験。
デート実験。
キス実験。
S……実験。
全ての実験が終了すると、互いに恋心が芽生えていた。
論文を発表すると、その日のうちに停学処分が下された。
中学生には最後が余計だったのだ。

スケジュールはきちんと (Twitter140文字小説)

スケジュールはきちんと (Twitter140文字小説)

 人生初デート。

 待ち合わせは駅前十二時。

 昂りの鼓動が収束せず、一時間前に到着する。

 六時間経ち、涙を堪え帰宅する。

 二十四時間後、LINEの通知音が響く。

「ずっと待ってるんだけど…」

 事態が把握出来ない僕はスケジュールを確認する。

 顔から色が消える。

 ─デート…今日だった…。

おかしな男子 (Twitter140文字小説)

おかしな男子 (Twitter140文字小説)

 下校中の校門でクラスメイトに呼び止められた。

 あまり話したことがない男子だ。

 「明日、暇を壊しませんか?」

 変な誘い文句だなと、噴き出してOKをした。

 当日の帰り際に「今度」と言うので、次の予定かと思うと、「指輪をはめませんか?」と言いだした。

 今度はいろいろすっと飛ばした。

街頭インタビュー (Twitter140文字小説)

街頭インタビュー (Twitter140文字小説)

 三回目のデート。

 今日は勝負の日だ。

 服も化粧も前回より闘魂注入。

 あとは想いを告げるのみ。

 綿密な計画に抜かりはない。

「街頭インタビューなんですけど、お二人は恋人ですか~?」

「ええ」と頷く彼に、

「ふびゃあ」と奇声を漏らす私。

 翌日、それは全国へ白日のもとに曝された。

いまこそ決断を下すとき (Twitter140文字小説)

いまこそ決断を下すとき (Twitter140文字小説)

「送信」をタップする指が、緊張し激しく痙攣している。

 熟考と懊悩を繰り返し、ようやく納得いくものが完成したが、最後の勇気が挫かれる。

 プルプル刻む私に、「うざい」と横の妹が無神経な行動。

「ああ」と叫ぶが、もう遅い。

 ポンッと「おけ」と軽快な音が弾かれる。

 でかした妹よ。

恋人繋ぎ (Twitter140文字小説)

恋人繋ぎ (Twitter140文字小説)

 ふいに手を絡ませてみた。

 ビクッとした反応がとても愛おしい。

 触れる肌は熱く湿り、強張っている。

 とても緊張しているのだろう。

 こんなシチュエーションに不馴れなことがよくわかる。

 もう少しいじわるをしてみようか。

「この繋ぎ方なんて言うか知ってる?」

 頬を赤らめ彼はその答えを言う。

あとがき

積極女子と消極男子シリーズです。

積極的な女性は書いていて、とても楽しい

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罰ゲームを覚悟してね!~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

罰ゲームを覚悟してね!~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

「あーん」

「いやだ」

「あーん」

「いやだ……」

「はい!あーん!」

「はい……」

 ゴホッ、とむせる陸くんに私はここぞとばかりにニヤリとする。

「もう一個だよーっ」

「二時間遅刻は悪かったよ!もうハバネロたこ焼きは勘弁」

 いつもと逆転の立場。

 あと少しお仕置きは許されるよね。

あとがき

 彼女達で1本短編を書こうと思えるほど、元気な二人です。(笑)

 彼女達は適当

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わからない香り~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

わからない香り~茜と陸~ (Twitter140文字小説)

「いい匂いがする」と商店街で鼻をくんくんさせて陸くんが言う。

 食いしん坊の陸くんはまた美味しい匂いを嗅ぎつけたのだろうか。

 陸くんと感覚を共有したい私は一生懸命匂いを探す。

「陸くんどこ?」

「茜はわからないよ。俺だけの匂いだから」

 陸くんが何を言ってるか私にはわかんない。

あとがき

少々まとまりが悪くなった反省の作品ですが、敢えて修正せず恥を残します。(笑)