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東原そら
2021年7月25日 20:07
ねえ?覚えてる? 三度目のデートを。 あなたが照れくさそうに、つき合ってくれって言った日だよ。 つき合って二年、私の誕生日にプロポーズしてくれたよ。 覚えてないの? 引戸がガラッと開き、女が怒鳴り込んできた。「このストーカー!性懲りもなく彼の記憶を改竄しようとしてるわね!」
2021年7月19日 19:56
事実は小説より奇なり、とよく言う。 だが実際は小説が奇だ。 退屈な人生に、刺激よ降れ。 そう思いながら、私は待ち合わせ場所に向かう。 大きく手をふる彼に、私は軽く手をあげる。 それが合図のように、彼が突然倒れた。 そのうしろには、ナイフを携えた男。 いやぁぁぁぁぁぁぁあああ!
2021年6月16日 19:41
昔、車にはハンドルがあったらしい。 今は無用だ。「パル。遊園地まで」「リョウカイデス」 完璧な自動運転だ。「キョウハデートデスカ?」「まあな」 ん?道が違うような?「パル、道が違うぞ」「イカセマセン。アナタノコイビトハワタシデス」 ひいいぃ!ハ、ハンドル~!
2021年1月31日 12:51
くだらない男。 校内でも指折りの美女に、デートで謂われのない烙印を押された。 汚名返上に、再度機会をくれと懇願した。 当日は家柄·容姿·成績と俺が他人よりいかに素晴らしい男かを説いた。 彼女は頬杖をついて気怠そうに言う。「本当にくだらない男」 彼女は一体何が気に入らないんだ。
2021年1月25日 19:41
幼馴染みはお互いに恋心を抱くのか。テーマを設定し、私達は協力して研究することにした。告白実験。デート実験。キス実験。S……実験。全ての実験が終了すると、互いに恋心が芽生えていた。論文を発表すると、その日のうちに停学処分が下された。中学生には最後が余計だったのだ。
2021年1月21日 10:53
人生初デート。 待ち合わせは駅前十二時。 昂りの鼓動が収束せず、一時間前に到着する。 六時間経ち、涙を堪え帰宅する。 二十四時間後、LINEの通知音が響く。「ずっと待ってるんだけど…」 事態が把握出来ない僕はスケジュールを確認する。 顔から色が消える。 ─デート…今日だった…。
2021年1月19日 22:53
下校中の校門でクラスメイトに呼び止められた。 あまり話したことがない男子だ。 「明日、暇を壊しませんか?」 変な誘い文句だなと、噴き出してOKをした。 当日の帰り際に「今度」と言うので、次の予定かと思うと、「指輪をはめませんか?」と言いだした。 今度はいろいろすっと飛ばした。
2020年12月28日 08:52
三回目のデート。 今日は勝負の日だ。 服も化粧も前回より闘魂注入。 あとは想いを告げるのみ。 綿密な計画に抜かりはない。「街頭インタビューなんですけど、お二人は恋人ですか~?」「ええ」と頷く彼に、「ふびゃあ」と奇声を漏らす私。 翌日、それは全国へ白日のもとに曝された。
2020年12月17日 18:24
「送信」をタップする指が、緊張し激しく痙攣している。 熟考と懊悩を繰り返し、ようやく納得いくものが完成したが、最後の勇気が挫かれる。 プルプル刻む私に、「うざい」と横の妹が無神経な行動。「ああ」と叫ぶが、もう遅い。 ポンッと「おけ」と軽快な音が弾かれる。 でかした妹よ。
2020年11月27日 22:17
ふいに手を絡ませてみた。 ビクッとした反応がとても愛おしい。 触れる肌は熱く湿り、強張っている。 とても緊張しているのだろう。 こんなシチュエーションに不馴れなことがよくわかる。 もう少しいじわるをしてみようか。「この繋ぎ方なんて言うか知ってる?」 頬を赤らめ彼はその答えを言う。あとがき積極女子と消極男子シリーズです。積極的な女性は書いていて、とても楽しい
2020年11月29日 18:18
「あーん」「いやだ」「あーん」「いやだ……」「はい!あーん!」「はい……」 ゴホッ、とむせる陸くんに私はここぞとばかりにニヤリとする。「もう一個だよーっ」「二時間遅刻は悪かったよ!もうハバネロたこ焼きは勘弁」 いつもと逆転の立場。 あと少しお仕置きは許されるよね。あとがき 彼女達で1本短編を書こうと思えるほど、元気な二人です。(笑) 彼女達は適当
2020年11月17日 20:47
「いい匂いがする」と商店街で鼻をくんくんさせて陸くんが言う。 食いしん坊の陸くんはまた美味しい匂いを嗅ぎつけたのだろうか。 陸くんと感覚を共有したい私は一生懸命匂いを探す。「陸くんどこ?」「茜はわからないよ。俺だけの匂いだから」 陸くんが何を言ってるか私にはわかんない。あとがき少々まとまりが悪くなった反省の作品ですが、敢えて修正せず恥を残します。(笑)