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creative notes #1

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「世界で一番優しい人々」への恩返し

「世界で一番優しい人々」への恩返し


「世界で一番優しい人々」への恩返しこのnoteは、シエラレオネで支援活動を行うNPO法人アラジ代表理事(現31歳)下里夢美(しもさとゆめみ)が、未知の国シエラレオネに渡航し、活動を展開するまでになった等身大のストーリーです。

はじめて父ができた14歳、人生全てを変えたシエラレオネと出会った17歳、エボラ禍を経験し2年間渡航することが叶わなかった22歳、はじめての渡航で悔し泣きしながら帰国した2

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「内なる批評家」

「内なる批評家」

大好きなシェフが自分の店を開いて、あっという間にミシュランの星を取った。まだ行けていないんだけど、時々アップされる美しい料理の写真を見るだけでため息が出る。

能力の基準には「客観的評価」と「自己申告」があって、ミシュランの星が料理人を判断する材料として完璧だとは言わないが、ある程度の目安にはなる。それは結果というより目指している方向の正しさじゃないかと感じる。

最終的にどんなことをしたいか、今

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見えざる瞬間、見過ごされる瞬間たち

見えざる瞬間、見過ごされる瞬間たち

音楽関係の撮影をしていると、求められる写真はアーティスト本人の写真だったりするのですが、僕は主役であるアーティストと同じくらいに機材の写真を撮るのが好きだったりします。

若い頃、青山のスタジオに行った時にエンジニア長に見せていただいた古いマイク。とっても素敵なマイクは当時で50年以上前のものでした。幾多の名レコーディグを記録したマイクは風格に溢れていて、とっても素敵でした。

最近はレコーディグ

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誰かを大切にできるのは、誰かから大切にされた人

誰かを大切にできるのは、誰かから大切にされた人

「姉弟、仲がいいですね」

最近、よく言われるようになりました。
奈美が良太のことをnoteに書くようになってからです。

障害のあるきょうだいを持つ人は我慢してきたことが多くて、
障害のあるきょうだいのことを嫌いになったり、仲が悪くなってしまう人も多いのに、
どうしてですか?と聞かれる機会も増えてきました。

確かに奈美と良太は仲がいい。
でもそれを、そこまで特別なことだとは言われるまで思ってい

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最低でも100回やって初めて、結果を「パーセンテージ」と呼ぶことができる。同じ撮影は二度とないから失敗したり成功したりしながら、おはようございます。

自分の能力に対する親バカ。

自分の能力に対する親バカ。

『ロバート・ツルッパゲとの対話』を書いて一番スッキリしたのは、「ビジュアルとは言葉である」という、映像の文学性について言及できたことだ。

言葉を意識せずに写真を撮ることができないのは、科学的な事実だと思っていたんだけど、そこに「温度」「情念」「言葉にできない」みたいなシュガーコーティングをほどこすオカルトな人がいる。

もちろん、映像で温度や情念も描けると思うんだけど、ビジュアルは言葉の定義に隷

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友人の定義。

友人の定義。

隣のケンちゃんとは遊んじゃダメよ。
 どうして、ママ。
バカがうつるからよ。

 じゃあボク、誰となら遊んでいいの。
お向かいの、賢いタケシくんと遊びなさい。

さて、タケシくんのママは、彼と遊ぶことを許してくれるだろうか。タケシくんのママも同様に、「バカがうつるから」と言うに決まっている。

つまり、自分より賢い人と付き合いたいと思っても、その人は自分よりさらに賢い人と遊びたいのだ。これを「何か

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雨の日に行くコンビニ。

雨の日に行くコンビニ。

写真を勉強している人から「写真を教えて欲しい」と言われた。

俺は勉強する人が好きなので、教えるなんていうのは僭越だけど、疑問に思うことがあれば答えると言っておいた。学ぶ人は、悩むことができる人だ。自分に何かができないということがわからなければ、進歩はない。

こういうときにいつも感じるのは、天性の才能とか持ち前のセンスなどではなく、どんな分野においても、「今までいかに勉強してきたか」に尽きると思

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所有と集合知。

所有と集合知。

先日あるミュージシャンと、「ニューヨーク」というコンビのネタについて話した。彼らは、出す曲がことごとくヒットしているJ-POPデュオという設定で、その作曲風景をコントにしている。

俺たちのファンのあいつらは「永遠」とか「LINEが既読にならない」とかいう言葉が好きだから歌詞にたくさん入れとけ、みたいに話し合いながら最終的に曲ができあがる。ある意味、現在の音楽業界をバカにしているわけだから、そのコ

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世界のメンテナンス。

世界のメンテナンス。

フランクに大ザッパに言うと、「他人のことを思って行動する」人が好きだ。私はがんばっています、という人が何のためにやっているかと言えば、自分のためだったりして、そういう人は「自己実現さえすれば影響力を手に入れ、結果的に誰かの役に立つ」と、本気で思っている。

それはない。私利私欲で動いている人は誰からも愛されないし、応援されないからステージが上がらない。

ジャーナリストの堀潤さんや写真家のキセキミ

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BLUR

BLUR

四年ほど前の今頃割と長めな落ち込みの時期モノクロのブレた写真を好んで撮りためていた。

撮影=スマホになって久しいが、技術の進化は神がかっていて、
もはや手ぶれの写真を撮るのはブレていない写真を撮るより格段難しい。
時を同じくしてZINEなるものを作成する機会に恵まれ、
この写真を小冊子にすることにした。

40を超えて視力の衰えとともに自分が見る世界の様も変化してゆく
暗くなるとさらに見え難く困

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ヤギさんへお手紙書いた。

ヤギさんへお手紙書いた。

ヤギワタルくんがTwitterで、「批評家の必要性」について書いていた。俺はあまり必要だと思っていないので、そうリプライした。140字では到底書けない内容なので、「noteに詳しく書いて」とお願いしておいたらアップされていた。

ヤギくんの丁寧な説明で概要はわかった。批評家によって創作の世界がひらかれたり、作家が進化する可能性があるというのは納得できるし、批評にとどまらずに創作に転じる人がいるのも

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17459以下の頂上。

17459以下の頂上。

今できることって全然どうでもいいんです。

いつかできるようになればいいだけだから。でも、理想が低いとダメなんです。もう結論は言いましたから、忙しい人はここから先を読まなくて大丈夫です。天丼で言えば海老を食べたことになるので、かぼちゃなどは残してもいいです。

あるヨーロッパの国の入国審査の時、仕事は何かと聞かれたことがあります。Art Directorだと答えると「そうか。じゃあ、うちの国の美し

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1998年の、たまごっち。

1998年の、たまごっち。

NHKのワールドカップ中継のオープニング映像を作るため、パリとバルセロナに行った。1998年フランス大会の時だ。

現地のサッカー少年を撮影するので、スタッフがたまごっちをプレゼントしようと言って大量に買い集めたのだが、結局これは子どもたちにはあげていない。

そこで見たのは、リーガ・エスパニョーラを目指すレベルの、バルセロナの名門チーム、同じく名門のパリのチーム、パリ在住の日本人のチーム、それと

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