21 さよなら、僕の平和な日々よ

21 さよなら、僕の平和な日々よ

「……」  はぁ、やはりね。無計画に縦横無尽に暴れて、やったのはみんなあいつらのせいにするわけだ。よく今までこんな裏家業してきたもんだよ。 「まぁ……しいて言うなら、稲元君を連れて行くから、当分留守にするわよ。他の捕まっちゃった人たちは、校門の外で開放するくらいかしら?」 「だーかーらー、どうやってそれを実行するの? もう一回言うけど、相手は銃を持っているんだよ? 左翼だかなんだかしらないけど、やっていることはテロリストだろ? 僕みたいな一般的な高校生が、どうやって太刀打ちす

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20 さよなら、僕の平和な日々よ

20 さよなら、僕の平和な日々よ

 どうしてこれで親子なんだろう? やっぱり僕はネーミングセンスのない父親に似たのだろうか? きっとそうなのだろう。  マントと帽子はどうするか…………こんなもの必要ないんだけど、稲元たちに絶対知られたくないし…………  考えた末、とりあえず身に付けないまま持っていくことにした。音楽室を出ようと思っていたが、先に双眼鏡で職員室をウォッチング。  いるいる。一人……二人。一人は電話を使って外部と連絡している。  僕は行動を前にポケットから携帯を取り出した。 「もしもし美佐子さん?

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「うまくいきますように」じゃなく、「うまくいかなくても怖くない」が強い

「うまくいきますように」じゃなく、「うまくいかなくても怖くない」が強い

誰かとの関係が、 うまくいくかどうかを気にしているうちは、 まだまだ上滑りだ。 うまくいくことを望む裏には、 うまくいかないことを恐れる気持ちがある。 本当に安定した関係というのは、 苦楽を共有できることをいう。 「いろいろあったけど、 共に頑張ってきた。 これから先に、何が起こるかなんて 誰にも分からないけど、 このメンツでやっていこう。」 この関係が最高で最強だ。 最高の関係と、 日々起こる出来事の良し悪しは まったくの別次元だ。 強固なつ

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NYガールズダイアリーを視聴して

NYガールズダイアリーを視聴して

NetflixとHuluで配信されている海外コメディードラマ「NYガールズダイアリー(THE Bold type)」にハマった。 雑誌出版社で働く女子3人のコメディードラマで、基本的には、3人でワイワイしながら失敗しても前を向いていくいわゆるコメディー。 出版社勤務ということで、上司の女性(ジャクリーン)は、「プラダを着た悪魔」を彷彿させる。 このドラマは、「働くこと」を楽しんでいる。自分のやりたいことを主張したり、発信したり、転職したり。またそれを上司は暖かく見守る。

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19 さよなら、僕の平和な日々よ

19 さよなら、僕の平和な日々よ

「もしもーし」 『ヘマしてないでしょうね?』 「してないよ」  僕は疲れたように囁いた。実際、僕は疲れていた。 『やーね、これからが本番よ。しっかりして』 「僕は繊細なの。佐子さんほど無神経じゃないからね」 『ふん、あんたの場合は繊細なんじゃなくて、神経質なだけでしょ』  ああ言えばこう言うで、ホントに口じゃかなわない。ムカツクけど。 「もう、どうでもいいよ。時間ないんでしょ? 稲元が殺されたらどうするんだよ」 『それはないと思うわ……誘拐だし。他の人質はどうかしらねぇ……人

18 さよなら、僕の平和な日々よ

18 さよなら、僕の平和な日々よ

 稲元を誘拐して危害を加えられたくなければ……って脅しかけるよね。稲元のじいちゃんは何をしたんだ? それとも、何かをするのか?  何かをした報復ではないような気がする。報復だというのなら、稲元が僕たちとマックに行った帰りを狙って誘拐して危害を加え、場合によっては脅迫をしたり、最悪は殺すだろう。  でも稲元は連れ去られていない。まだ学校内にいる。だったら今のところだけど、殺される可能性は低いと思っていいよね。  ではなぜ犯人は学校にいるんだ? 学校にいる理由はなんだ? 目撃者を

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懐かしの映画レビュー 「少林サッカー」

懐かしの映画レビュー 「少林サッカー」

懐かしの映画レビュー。 この映画はコメディー映画の名作だと思う。 笑いはシンプルなほどいい、この映画もある意味ベタベタの笑いの連続で、常にクスクスと笑わせてくれる。 ベタと言うのは悪く聞こえがちだが超ベーシックでありマニュアルである。 シンプルイズザベストとは真のセンスを問われる高等テクニックだと思う。 まず冒頭の伏線。 女性がバナナでずっこけるシーンや縦列駐車のシーン、そして街路樹の剪定のシーンなどを最後にうまく回収するのは観てて気持ちがいい(笑) 基本的に終始小ネタでボ

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17 さよなら、僕の平和な日々よ

17 さよなら、僕の平和な日々よ

 キャップを被った男だ。東棟と西棟に挟まれた中庭をじっと見ているようだ。男だろうということだけはわかった。  もっと奥も見てみたいが、三階からではこれ以上無理だ。少なくとも二階は警戒するにこしたことはないということだね。  他の二階の部屋も見てみる。放送室やスタジオには人はいないが、保健室にもいるようだ。一人……? いや、窓に背を向けている。二人という可能性は無視できない。  再び三階に双眼鏡を戻す。二階職員室にいれば、三階職員室も危険だ。んー……いた。  一人かな?  詳し

16 さよなら、僕の平和な日々よ

16 さよなら、僕の平和な日々よ

 改めて考えた僕は意気消沈、がっかりと肩を落としながら音楽室を出た。僕の唯一の心の拠り所だった平凡に裏切られた気がして、すっかりブルーになっていた僕は、ここへ来るときとは違って、警戒心ゼロのまま階段を登った。  この東棟三階には、文系の部室がいくつかある。はじめに写真部の部室がある。現像をするための暗室までもある。そのせいで部室にしてはやや広い。となりは野鳥研究部という部活だが、事実上ヤンキーの溜り場と化している。来年あたり廃部になるんじゃないのかな? で、最後の一つは演劇部

映画の予告の安いコメディー部分いらない

映画の予告の安いコメディー部分いらない

映画館に行って予告を観ていたときに思ったことがあります。それは、予告の一番最後にシュールな面白シーンを入れて笑いもありますよーと安く謳っている部分が余計だということです。これは、旅先の旅館で出てくる得体の知れないその地方の特産品と思われる謎の漬物くらい余計です。 よく予告で笑いあり涙ありなどと宣伝してることがありますが、そういう類いの映画はたいして面白くありません。いや、映画の中身自体は面白いのかもしれませんが、そうやって安く宣伝されることによって、簡単に笑ってたまるか、絶

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