tako Octopus

はじめまして、岩手県に住む38歳です。感性が平成で止まっております。まだまだ初心者で右…

tako Octopus

はじめまして、岩手県に住む38歳です。感性が平成で止まっております。まだまだ初心者で右も左も分からない現状ですが、チマチマとでも投稿できたらと思います。よろしくお願いします!

最近の記事

【超短編】アンドロイド

 男は『女』を作った。  孤独を紛らわせたくて、己の自尊心を満たしたくて、有り余るほどの時間をその『女』に費やした。  出来上がった『女』は上々だった。見た目は言わずもがな性格も申し分ない。――当然だ。男はそういう風に作ったのだから。  『女』は甲斐甲斐しく男の後をついていった。常に微笑みを絶やさず、男の言う事に逆らわず、全てを素直に聞きいれた。  そうプログラムされていたから。  しかし男は『女』を捨てた。  男は『女』にこう言った。  ――「お前は気味が悪い」――

    • 【短編小説】生まれゆくものたちへ

      あらすじ 一面が砂漠の荒廃しきった世界。容赦なく照り返す熱砂の砂漠を、重い足取りで進む男がいた。死にかけの男はやがて、朽ち果てた建物の向こうに一本の枯れ木を見つける。持っていたなけなしの水を与えると……。  その荒廃した世界は、いつの時代かも分からない。目の前は一面砂だ。時折吹く風は、乾いた砂塵を手に取り、どこへなりと消えていく――。  無限に広がる砂漠、永遠に続く青空。痛いくらいに眩しい視界は、ぼんやりと白い膜がかかっているようだ。ぎらついた太陽が照り返す砂漠は非常

      • 【超短編小説】高嶺の花子さん

         僕の前方斜め向かいの席に、めちゃくちゃ可愛い女の子がいる。名前は『高嶺(たかね) 華子(はなこ)』  古くさい名前だが逆にそれが良い。昨今の妙に奇をてらった名前が流行っているなか、時代を逆行する古風な名前――『華子』  いいじゃないか! 彼女は完璧すぎるから、そのくらいの欠点があった方がいい。  彼女の目はクリクリと大きくて、ふっくらと柔らかそうなサクラ色の唇、この歳特有のニキビもない透き通るような白い肌……。腰まで伸ばした染められていない黒い髪は、すれ違う度良い匂いがす

        • フォローは安易にしない方がいいかもよってお話

          結果だけお伝えしますと、「ロマンス詐欺(かも?)にあいかけたよ」って話になります。注意喚起もかねてワタクシの実体験をば、ここに書き起こします。 前置きとして、ワタクシは一昨年までツイッター(現『X』)をやっておりました。ある日、何かのきっかけで流れてきた外国の綺麗な写真にワタクシ一目惚れ。それまで企業さんの公式アカしかフォローしていなかった自分が、初めて野良の、それも外人さんの個人アカウントをフォローさせていただいたのであります。これが手痛いお勉強の第一歩目でした。 フォ

        【超短編】アンドロイド

          【短編小説】マッチ売りの障女 後編

          あらすじ 時は昭和か平成か。夕暮れ間近の駅に少女の声が聞こえてくる。「マッチはいりませんか?」お腹を膨らませた妊婦にマッチを差し出す。妊婦は、訝しみつつもマッチを受け取り、住んでいるアパートへと戻った。そしてマッチを一本擦ってみると……。  どこからかあどけない声が聞こえてくる。 「マッチはいりませんか?」  夕暮れ間近の駅は人でごった返しており、少女の声はいとも簡単に雑踏にかき消された。 「マッチはいりませんか?」  片手にカゴを掲げた少女は、買い物帰りの妊婦に

          【短編小説】マッチ売りの障女 後編

          【短編小説】マッチ売りの障女 前編

          あらすじ 時は昭和か平成か。夜の駅前に少女の声が聞こえてくる。終電を逃すまいとする男に少女が尋ねた。「マッチはいりませんか?」  30代後半であろうサラリーマン風の男は、左腕につけた時計をおもむろに確認した。時刻は夜の11時25分。終電を逃すまいと足早に進むお仲間達に倣(なら)い、男も駆け足で駅に向かった。その時―― 「マッチはいりませんか?」  あどけない少女の声が聞こえた。  こんな時間に? とでも言いたげな表情で、男は声のした方へと振り向いた。  視線の先には、

          【短編小説】マッチ売りの障女 前編

          【短編】君想う心に雨が降る【小説】

          酷い土砂降りだ。 目に映る空はこんなにも青く晴れているというのに、私の心は暗く重い雨雲に覆われている。冷たい血潮はザーザーと酷い音をたて、手足の指先は凍ったように動かない。数分前までの熱い鼓動が嘘のようだ。底抜けに明るい空に腹が立つ。 あの人が視界に入るだけで、あの声が耳に入るだけで、この胸はうるさいくらいに高鳴っていたというのに。熱い鼓動は今や絶望の鐘へと成り下がった。 「なんで?」と聞くのもバカらしい。「奪われた」、「盗られた」なんて言うのもナンセンス。 ただの友達で

          【短編】君想う心に雨が降る【小説】

          創作物

          ここ最近作ったものをここに置かせていただきます。 一枚目は、いつぞや記事にしたクリエイターさん風に作ってみたくて作った。早い話がパクリですm(__)m ⇩はいつぞやの記事。あれから一ヶ月以上経ってるのね。時が経つのは早い。 二枚目のバタフライピーはジュースの色を補正かけました。 3分の1くらい飲んだ時に色味がタンザナイトっぽいな~と思って、忘れたくないので嘘つきました(#^.^#) 三枚目はパッと浮かんだ俳句が元。 『通り雨 狐と一緒に お嫁入り』 ⇧ここからイメ

          私の好きなもの……ってお話

          え~、書いていた記事をうっかり全削除しちまいましたので、今回は私の好きなものについてお話します。ぶっちゃけやけくそです。 間髪入れずに皆さん! 特撮は好きですか!? 私は好きです!! といっても薄~く浅~く。それほど深い造詣はございません。でもね、シナリオ良いのが多いのよ特撮って。下手なドラマより面白い(個人の感想です)戦隊しかりライダーしかりウルトラマンしかり。レベル高いっすよ~、マジで。贔屓目で見てるせいかもしれんけどね。 ※ 個人的にオススメな作品はもう枚挙にい

          私の好きなもの……ってお話

          人間関係ってむつかちいねってお話

          ここ2~3週間、友人関係でモヤッとしたのでここに吐き出させてもらいますm(__)m 駄文・長文、純度100%の愚痴なのでスルー推奨。 ※ 高校の頃から付き合いのある友人が、某フリマアプリでトラぶったっていうのが事の発端。ここからは箇条書きで⇩ 大まかな流れはこんな感じ(おそらく) それから自分にラインが来たわけですよ。話を聞いてくれと。で、上記流れを説明してもらったわけ。 ※ 話しを聞いたうえで「作家さんの反応もまあ止む無しよな~」と思って、友人に包み隠さず伝えた訳

          人間関係ってむつかちいねってお話

          初めての……ってお話②

          ひとつのブースを見るのに時間かけちゃって、結局一時間以上(下手したら2時間?)かけて全部のブースを回ったよ。とにかく見るだけでも楽しいイベント。手しごとマーケットなる同時開催イベントもあって、目一杯……いやそれ以上に楽しめました(*^。^*) タロット占いとかめちゃくちゃしたかったんだけど、如何せん軍資金が……という事で、今回は泣く泣く断念。次回リベンジするぞい。 ※ はぐれていたお友達と無事再会したので、今度は二人でお店を回るよ。ゆっくり見て回って、外人さんが出店して

          初めての……ってお話②

          初めての……ってお話①

          ついについに念願叶って行ってまいりました、ミネラルマルシェ! 存在を知った時から行きたくて、でも行けなくてモヤモヤしておりました。だけど今はニートの身。おぜぜ(銭)は無いが時間はたっぷりあるのだ。 先月から旅行計画を立てていたのですが、なんとまあ急遽一緒に行って下さるお友達が現れまして!初めから高速バス&電車で行くつもりだったから、とってもラッキー☆思いがけず時間とお金に余裕ができたわさ(V)o¥o(V) ※ 朝7時に出発して、現地に到着したのが丁度開演時間。会場入り口

          初めての……ってお話①

          イベントを満喫してきたよってお話②

          前回の続き。 赤レンガ館のイベントに行って、前世占いをしてもらいました。個人的には2500円はお高かったかも^_^; 男性占い師の方ごめんなさい。違う占いにすれば良かったね。 お次は同じ部屋で出店していた、マヤ暦リーディングなるものを受けてきました。リーディングだから占いじゃないのか。屋号は『マヤの白い犬』さん。視てくれるのは女性の方でした。 まずは自分のフルネームと生年月日を聞かれます。どの占いでも大抵同じよね、このやり取り。専用の紙に書いて待つ事2~3分。マヤ暦がどう

          イベントを満喫してきたよってお話②

          イベントを満喫してきたよってお話①

          先週の土曜日に、性懲りも無く盛岡に行ってまいりましたので、思ひ出をここに残します。この日は土沢でもイベントがあったから、そりゃあもう散財×散財+散財でしたよ\(^o^)/ 自分的メインイベントは赤レンガ館で行われていたクラフト市。でもその前に見つけてしまったフェザンでのGWイベントのフライヤー。何を隠そう占い好きの私、まずはこちらの方に足を運びました。 説明が壊滅的に下手なので⇩図にしてみました。 すみません、青い字の部分が思いのほか見づらいので、改めて書きおこしますm

          イベントを満喫してきたよってお話①

          【短編小説】車窓

          ガタンゴトンと一定のリズムを刻む電車に揺られ、どれくらい経つだろうか。車窓から見える景色は、変わり映えのない無数のビル群。私は二人掛けの席の窓際に座り、傍らに荷物を置いていた。荷物といっても大したものではない。サラリーマンなら誰でも持っている極々普通のカバンだ。 乗客は私以外にいない。酔っ払いも喚く子ども、誰も……。 ああ、雑音がなくていい。 私は窓辺の出っ張りに肘をかけて、流れる景色をぼんやりと眺めていた。何を考えるでもなく、灰色だけがただただ続く光景を、何の感慨もなくジ

          【短編小説】車窓

          【詩】どこかの田舎をイメージした唄

          道に迷った旅人よ ここらで一息つかないか 通りすがりの磁気嵐 そのコンパスも一休み ドウドウ吹く風ガラス色 どこから見ても無色透明 何色にだってなれるけど 何色にだって染まらない 道に迷った旅人よ 不安な気持ちも無理はない だが一目だけ見てほしい アンタの心で見てほしい 空と大地と吹く風と 自慢の景色だ見てくんな 時間に余裕ができたらば もっぺん来とくれ大歓迎だ 文章は宮沢賢治を意識して考えてみました。遠野は本当に何もない所ですが、そこが良い所だと私は思います。このまま変

          【詩】どこかの田舎をイメージした唄