【小説】KIZUNAWA⑬・温かい協力者
練習の前に陸上部の村田が数人の部員を連れて来た。
「柞山キャプテンから頼まれていた応援隊を連れてきました」
陸上部のマネージャーをしています石井智子二年と一年の工藤望智(くどうみさと)です。それと中距離の練習コーチとして三年の岡田真一(おかだしんいち)と山中敏明(やまなとしあき)であった。
「最後に一〇キロのコーチは私、村田がやります」
村田は言った。
「智子! 手伝ってくれるの?」
茉梨子は嬉しくてたまらない。
「当たり前でしょ。私たちが駅伝部のお世話をするから、茉梨子は