石楠花 直
どっぷり昭和の売れない物書き屋だす。
本にならなくても多くの方に作品を読んでいただきた…
記事一覧
【小説】KIZUNAWA⑰ 京都のコースをイメージしろ
ロード練習初日の夜、達也たちが家に戻ると窓から明かりが漏れていた。「桜井さんが帰ってきているよ」
太陽が達也の肩を叩いた。
「本当?」
「照明が点いているからね」
二人が玄関を開ける。
「ただいま!」
元気に叫ぶ。
「お帰りなさいませ」
桜井の優しい声が帰って来た。
「今日の夕食はハンバーグでございます。もう少し時間が掛かりますので先に入浴を済ませて下さい」
桜井はそう言うとフライパンのふたを一