Sejima Saki 瀬島咲希

日本での約6年の社会人生活を経て、現在コペンハーゲンを拠点にbranding desi…

Sejima Saki 瀬島咲希

日本での約6年の社会人生活を経て、現在コペンハーゲンを拠点にbranding desinerとして活動中。 identityを異文化理解の視点から考えるPodcastを運営、 記事へのお問い合わせはInstagramのDMまでお願いいたします!

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私のnoteを読んでくださる皆さまへ

初めまして。瀬島咲希と申します。 私のnoteに興味を持ってくださり、ありがとうございます。 この文章を書いている現在、2024年2月、私はデンマークはコペンハーゲンを拠点に活動しています。 約6年間東京で社会人生活を送った後、ずっと心の中であたためていた海外移住をするという決断に至りました。決断と言っても大それたことではなく、ふと湧いた「あ、今かも」という気持ちが背中を押してくれたような気がします。 行き先として選んだのは、これも以前から興味があった街。デザインに関係

    • コンフォートゾーンから出続ける

      慣れ親しんだものは心の支えに、新しいものは変化の後押しに。 最近、「慣れ」と上手く付き合うのが一つの生きる術だと感じるようになった。この記事でも、無理の無い範囲でコンフォートゾーンを出ることを宣言している私。 まず前提として、私は人生の中でこの「コンフォートゾーンを出ていくこと」をやめないでいたいと思う。このアクションは何より、自分への自信につながるからだ。 大きいところでは、日本での転職活動やデンマークに来たことは私にとってのコンフォートゾーンを出たことだ。物理的にも

      • MONO JAPAN 2024 オランダと日本のものづくり

        みなさんは長崎県にどんなイメージをお持ちだろうか? グルメな方は中華街やカステラ、歴史好きの方は隠れキリシタンや坂本龍馬の亀山社中など。ちなみに私の中にあるイメージは「異文化交流」と「ものづくり」だ。遡れば鎖国時代に唯一開かれた場所として海外から技術が入ってきて以来、それを独自に発展させ、自分たちのオリジナリティを生み出してきた面白い土地だと思う。 私が長崎に住んでいた大学生時代にも、その歴史のエッセンスを受け継いだ「ものづくり」に関する面白いイベントに出会った。 実際

        • Aalto Summer School 2024 - 後半

          この記事は「Aalto Summer School 2024 - 前半」の続きです。 Aalto大学のサマースクール後半について書きたいと思う。 締めくくりのファイナルプロジェクトでは、一週間ともに過ごしたグループのメンバーと「私たちの未来へ影響を与えうる試作工芸品」を制作した。 Day5:Futures Frequency未来がどうなっていて欲しいのか、なぜそう思うのか、現状の問題は何かなど、少し先の未来について考えてみる講義。 このSITRAのサイトを素材として、仮想

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        記事

          Aalto Summer School 2024 - 前半

          今年の夏休暇を利用して、フィンランドに滞在し、Aalto大学のサマースクールに参加した。前半と後半に分けて、その内容や感じたことをレポートしたいと思う。 ことの発端は一昨年の冬、私はデンマークワーホリに行くのを決めたと同時に、Aaltoのサマーコースに行きたいと思っていた。理由は、 ・Aaltoの建築、プロダクトのファンだった(キャンパスはAalto設計) ・北欧デザインの文脈での考え方、表現技法が知りたかった ・デザインとビジネスの両軸からアプローチする教育に強いと感じ

          Aalto Summer School 2024 - 前半

          デンマークの白米的存在

          みなさん、記事への沢山のスキをありがとうございます! 週1回の更新がなかなかできていないですが、引き続きお時間ある際に読んでいただけると嬉しいです。 以前、友人から記事のリクエストをもらった。それはズバリ、「デンマークの食文化」 デンマークでも殆ど日本食を食べている私、これも良い機会と思い少し書いてみる。 現地のデンマーク人が、各家庭の冷蔵庫に一個あるよ(たぶん)、と言っていた調味料が、REMOULADEというマヨネーズだ。 写真にあるカレー味のマヨネーズは、オープン

          デンマークの白米的存在

          私が細く長くデザインを続けたい理由

          今のブランディングデザインの活動をしていると、私自身について聞かれることが2つある。デザインのバックグラウンドがあるのか、ブランディングとは・そのやりがいは、ということだ。 まず一つ目について、つまり学術的にデザインを学んだかということだが、答えはNoだ。私は大学では国際関係学と英語を中心に学んでいたし(お金を貯めては海外に行っていた)、当時はもっぱら文章を書くことや異文化理解に興味があった。 大学卒業後に入社した外資系の会社は英語'で'仕事がしたかったから。事業用不動産

          私が細く長くデザインを続けたい理由

          尋ねられ人の流儀

          私は自分でも不思議に思うことがある。どこへ行っても、誰かに何かを尋ねられるのだ。あまりにも話しかけられるので、いっそそれを楽しみ極める(?)ことにしてみた、という個人的で平凡な内容です。 以前、東京は高円寺を歩いていたときの話だ。高円寺は東京屈指のサブカルタウンで、住んでいる人も、軒を連ねる店も、どこか個性的で、その異世界感を楽しむために時たま訪れていた街だ。(当時住んでいた家も近かった)ある日、レトロな喫茶店の前で人を待っていたら、地図を片手におそらく観光客であろう身なり

          尋ねられ人の流儀

          コペンハーゲンの足元にナチズムの爪痕

          街の中心地を散歩していたら、見覚えのある金属タイルが目に留まった。「躓(つまずき)き石」だ。ナチスホロコーストの記憶を継承するために、ドイツ人芸術家が始めた取り組みの一つで、ドイツやヨーロッパ各地で目にすることができ、世界で最も広範囲にわたる慰霊碑と言われている。 どこに埋め込まれているかというと、ナチスによってその生涯を閉じた方が収容所に移送される前、最後に住んでいた家の前だ。 私が見つけた躓き石には現地デンマーク語で、ここに住んでいた人、生年月日、逮捕日、ドイツへの強

          コペンハーゲンの足元にナチズムの爪痕

          【インタビュー】コペンハーゲン在住グラフィックデザイナー・環境活動家の平山みな美さん

          コペンハーゲンに行くことを決めた時、私の頭の中に一人の女性が浮かびました。以前ウェブサイトの記事を読み、その活動に興味があった、コペンハーゲン在住のグラフィックデザイナー・環境活動家の平山みな美さんです。 ぜひお話を聞きたいとインスタグラムを通してメッセージを送ったところ、快諾してくださいました。今回は、そのインタビュー内容を掲載します。 結論が先になりますが、私がコペンハーゲンに来て初めてお話を伺ったデザイナーが平山さんで、本当に良かったと思っています。作り手として情報

          【インタビュー】コペンハーゲン在住グラフィックデザイナー・環境活動家の平山みな美さん

          コペンハーゲンのデザイン会社、朝9時からオープントーク

          Morgenbooster Storytelling in Identity Design Time: April 24, 2024 9:00 – 10:00 コペンハーゲンのデザインファームのウェブサイトを見ていたら、このようなイベントを見つけた。 こうした第一線で活躍するデザイン会社がオープントークをしてくれる機会が多々ある(無料で、しかも朝早くから)のは、大変ありがたい。 今回お話を聞いたのは、1508というデザインコンサルティング会社だ。実際に訪れたオフィスは、

          コペンハーゲンのデザイン会社、朝9時からオープントーク

          近くて遠いデンマークと日本、ヤンテの掟

          この記事でも書いたように、私はデンマークと日本の間には、何か共通するものがあると感じていた。デザインの融和性だけでない、もっと、何か深いところで、通ずるものがあるのかも、と直感的に思っていた。 まだその答えを見つける旅の途中ではあるが、一つ面白い側面があったので、共有したい。 デンマークには「ヤンテの掟(おきて)」と呼ばれる教えがあるらしい。作家のアクセル・サンデムーセが1933年に書いた小説「A Fugitive Crosses His Tracks」の中に出てくる10

          近くて遠いデンマークと日本、ヤンテの掟

          コペンハーゲンから、新年度書簡

          「落ち込む事もあるけれど、私この街が好きです」 先日観たジブリ作品・魔女の宅急便で魔女のキキが言ったフレーズだ。何度も観たことがある映画だが、今こんなにも共感できる言葉はない。笑 住む場所に困っていると親切な人に助けられ、自分にできることが見つかり意気揚々。かと思えば魔力という名のモチベーションが湧かず落ち込む日々。それでも頑張ろうと腰を上げるのは、誰かのために頑張りたいと思う時。おまけにこの作品のモデルはスウェーデンの首都ストックホルムだと言われており(諸説あり)、作品の

          コペンハーゲンから、新年度書簡

          【インタビュー】大里みずきさん:地域を面白がり、デザインする

          私の中にあるブランディングの定義は「なりたい姿の形づくり」ですが、そこに「ありのままの良さ」が必須のスパイスだと教えてくれた人がいます。 福岡県嘉麻市熊ヶ畑を舞台に、地域の出来事や人々の日常をありのままに発信するインスタグラム「くまがはた」です。私がいつも投稿を楽しみに待っているアカウントです。 現在、「地域を自分たちで面白がること≒自治力」というテーマのもと、出身地である熊ヶ畑地域のデザイン(ブランディング)に携わっているのが、運営者の一人、大里みずきさんです。 元々

          【インタビュー】大里みずきさん:地域を面白がり、デザインする

          違和感で再認識した自分

          私はこれまで、「違和感」という言葉自体には余りポジティブなイメージを持っていなかった。 一方で私がよく聞くvoicyパーソナリティのフランス在住大畑典子さんは、何かの回で「違和感を大切にすることの大切さ」について仰っており、以前参加したYL Projectsさん主催のイベントでお話を聞いた、IWAKANというマガジンは「世の中の当たり前に違和感を問いかける」ことをビジョンに掲げている。 そして現在の私は「違和感を大切にすること」がまわり巡って自分にプラスに働いていることに

          違和感で再認識した自分

          Danish Coffee Festivalで見たクラフトマンシップ

          コペンハーゲン近郊で開催されるイベントがないか探していると、Danish Coffee Festivalというものをみつけた。 有名なバリスタ達のパフォーマンスが見られるだけでなく、有名なカフェがブースを出し、コーヒーの購入や試飲ができるらしい。早速チケット(120dkk=約2500円)を購入し、メトロとバスを乗り継いで会場に向かった。 会場に入るとコーヒーマグを一つ持つよう促された。これを使って、試飲ができるらしい。カフェが出している各ブースもすでに盛り上がっていた。(

          Danish Coffee Festivalで見たクラフトマンシップ