侠客鬼瓦興業98話「吉宗くんはたいした男・・・」
「おっ、おい、どうしてだ・・・、なんで吉宗のやつが?」
追島さんはススだらけの顔で、お慶さんに尋ねていた。
「ユキのことを助けようと、夢中で中へ」
「ユキを助けるって、ユキはもうここにいるだろうが!」
お慶さんは小さくうなずくと、青ざめた顔で燃え上がる建物に目を向けた。
「あの子、まだ何も知らずに、中でユキのことを探してるんじゃ」
「あっ、あの煙の中でか?」
「そうよ、きっと必死にユキのことを」
「だっ、だとしたら途中であきらめて引き返してくれてればいいんだが」
追島さんの言