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神の定義 | 自己を悟るための科学

すべてのヴェーダを編纂したヴャーサデーヴァの父である大聖者パラーシャラ・ムニは、神の定義について次のように語っています。

aiśvaryasya samagrasya
vīryasya yaśasaḥ śriyaḥ
jñāna-vairāgyayoś caiva
ṣaṇṇāṁ bhaga itīṅganā
(『ヴィシュヌ・プラーナ』第6編・第5章・第 47 節)

このように、パラーシャラ・ムニの定義によれば、バガヴァーン・最高人格主神は、6つの富――完全な力、名声、財富、知識、美しさ、放棄心――をそなえた方です。

バガヴァーン・最高人格主神はすべての富を持つ方です。金持ちはいくらでもいますが、すべての財産は私のものだ、といいきれる人はいません。また、私より裕福な人間はこの世にいない、とも言えません。ところが『シュリーマド・バーガヴァタム』を読むと、クリシュナは地球にいたころ、16,108 人の妃と結婚していたこと、そのすべての妃が、宝石できらびやかに飾られた大理石の宮殿に住んでいたことがわかります。それぞれの部屋は
象⽛や⻩金でできた家具がならべられ、どこを見まわしてもすばらしい富にあふれていました。そのような描写が『シュリーマド・バーガヴァタム』に鮮やかに述べられています。歴史を見ても、16,108 人の妻と 16,108 の宮殿の所有者だった人間はひとりもいません。さらにクリシュナは、毎日妃を替えていたわけではありません。同時に、すべての宮殿に住んでいました。16,108 の姿にみずからを分身させていたのです。とても俗人にできるこ
とではありませんが、神にとってはなんでもないことです。神は無限なる方ですから、みずからを無限の姿に拡張します。それができなければ「無限」という言葉の意味がありません。神は全能者です。1万6千の妃はおろか、1億6千万の妃さえも苦もなく養えます。さもなければ「全能者」という言葉は意味をなしません。

神にはそのような魅力的な様相があります。この世界でも、裕福な人はとても魅力的に 見えます。たとえばアメリカのロックフェラーやフォードは、膨大な財産を持っているか らとても魅力的に見えます。世界中の全財産を持っているわけでもないのに、それほど魅 力的に見えるのです。では、世界中の財富をすべて持つ神が、どれほど魅力的か想像さえできません。

またクリシュナは、生まれた瞬間から無限の力をそなえています。まだ生後3カ月のとき、主を殺しにきた魔女プータナーは逆に主に殺されました。それが神です。神は最初から神。瞑想や神秘的力で神になったのではありません。クリシュナはそのような神ではありません。生まれた瞬間から神なのです。

魔女プータナーの死体の上に遊んでいらっしゃる主クリシュナ

主クリシュナは無限の名声を持っています。もちろん献愛者は主についてよく知り、主の御名を唱えていますが、献愛者ではなくても『バガヴァッド・ギーター』の名声をよく 知っている人は世界中にたくさんいます。世界中のすべての哲学者、心理学者、宗教家が 『バガヴァッド・ギーター』を読んでいます。私たち献愛者も『バガヴァッド・ギーター・あるがままの詩』をたくさん販売しています。売っている商品が嘘偽りのない純金だから です。

バガヴァッド・ギーターを語っていらっしゃる主クリシュナ

『バガヴァッド・ギーター』はたくさん訳されていますが、どれも純粋ではありませ ん。私たちの『バガヴァッド・ギーター』はよく売れています。ありのままに説明してい るからです。『バガヴァッド・ギーター』の名声はクリシュナの名声でもあります。

美しさにしても、クリシュナは無限に美しい方です。クリシュナと交流している人々も美しく、そしてクリシュナ自身もこのうえない美しい方です。前世で敬虔に生きた人々は、現世で優れた家族や国に生まれる機会が与えられます。アメリカ人は裕福で美しい姿に恵まれていますが、それは前世で積んだ善行の結果です。世界中の人々がアメリカに惹かれていますが、それはアメリカが科学的知識、経済力、美しさなどで群を抜いているからです。地球は宇宙のなかではけしつぶほどの星ですが、その地球上のアメリカというひとつの国にそれほど魅力的な要素があるのですから、全宇宙の支配者たる神がどれほどの魅力をそなえているかはかんたんに想像がつきます。神がどれほど美しいか―すべての美を作りだした方なのです。

超越的に美しいラーダ・クリシュナ

人の魅力は美しさだけで決まるわけではありません。豊かな知識を持つ人も魅力的です。 科学者や哲学者も知識をそなえた人として人を魅きつけますが、クリシュナが『バガヴァ ッド・ギーター』で説いた知識に優る知識があるでしょうか。『バガヴァッド・ギーター』 の知識に匹敵するものは世界にありません。同じように、クリシュナはすべてに無執着で す。宇宙のいっさい万物がクリシュナの指示で動いていますが、クリシュナはこの世界に はいません。社⻑がいなくても大⼯場が操業できるように、クリシュナの力は、クリシュ ナの補佐役である半神たちの指示で作用しています。クリシュナ自身は物質界とは離れて いるのです。そのことについて経典がすべて説明しています。

引用:http://radha.web.fc2.com/texts/ssrtexts/ch1-3.pdf

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