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エッセイ

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ノンフィクション、実録エピソードです。生きづらさ、自己肯定感、悩みが中心。
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#ママ

私は段取りができない

私は段取りができない

 ああ。今日という日が来てしまった。夏至? 満月? 大祓? どれも違う。本日21日は、クラウドファンディングで購入したサウナチケットの有効期限だったのだ。

 私は段取りができない。前の記事で「私は料理ができない」と書いたが、じゃあ一体私にできることってなんだろう? 少なくとも息はできる。排泄もできる。……これ以上はやめておこう。ただでさえ〇毛ヘア(夫から「ネットで陰〇とか書かないで!」と頼まれた

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ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

ぎっくり腰で、車に轢かれそうになる #育休から育業へ

第二子の育児休業は、ぎっくり腰とともに幕を開けた。

長女が生まれたのは、長男が2歳の頃だった。0歳と2歳の子供たちは、二人とも赤ちゃんみたいなものだ。どこかへ移動する時は2歳長男をベビーカーで、0歳長女を抱っこ紐に入れていた。

栄養不足、運動不足、寝不足。母親にとって産後は、足りないものをあげたらきりがない。育児給付金もしばらく経たないと振り込まれないから、お金も満足にあるわけじゃない。
当時

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【エッセイ】育児と仕事に疲れたママ、アートと恋と酒で癒される。モリゾやゴッホ、ロートレックと驚きの共通点

【エッセイ】育児と仕事に疲れたママ、アートと恋と酒で癒される。モリゾやゴッホ、ロートレックと驚きの共通点

(1)ママのときめき。もしもの世界と、モリゾの慕情 おそらく誰もが旅行へ出かけて、
「もし、自分がここに住んでいたら、どんな暮らしをしているだろう」と、想像を膨らませたことがあるんじゃないだろうか。

 それは、ドイツの車窓で目に入ってきた、一面の雪景色に埋もれた、世界に忘れられたかのような一軒家が目に入った時かもしれない。あるいは、日本のど田舎で、どの家からも離れた場所に、箱庭のような小学校を見

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【随筆】保育園卒業文集に載せた、息子への手紙

【随筆】保育園卒業文集に載せた、息子への手紙

           息子へ

 普段、私は書いたものが家族の目に入らないよう、それなりに注意を払っています(幸いそんなことしなくても、誰も気にかけていませんが)。だからこんな形で読まれるなんて、思ってもみなかったです。
 学校は、保育園でお目にかかれない種類の人たち(惨めなほどに高圧的な教師、いやな目つきをした同級生)に、高確率で遭遇する場所です。まあ、こういう困った人たちは、どこにでもいます。

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家事育児で仕事がうまくいかない人へ

家事育児で仕事がうまくいかない人へ

 私は三人の子どもを育てながら、都内のIT企業で働いている。副業では翻訳やライターや自治体の仕事をしている。夫は夜勤や土日出勤があり、彼も私も実家は遠方だ。今でこそ育児も仕事も楽しいし、夫との仲は悪くない。しかし今に至るまでの道のりは、決して平坦とは言えないものだった。

 半年前に夫から別居の提案をされた時。子どもは五歳、三歳、〇歳だった。彼は「仕事で疲れてるのに家に戻ると『家事やれ』『育児しろ

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NO MORE嫌がらせ,子連れママの護身術

NO MORE嫌がらせ,子連れママの護身術

「金髪ショートにして下さい」と美容院で告げた時。珍しい虫を見るような目をした美容師さんが、鏡に映っていた。

「本当に良いの?」
 美容師さんは、私の髪を手ですいて言った。やっとのことで到達した、念願の茶髪ボブだと知っての発言だった。
「良いんです。強くなりたいから」
 言ってみて、自分でもバカみたいだと思った。美容師という人種は、深入りしない方が良い話題を知っている。美容師さんは頷き、薬剤つくっ

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