マシュー・カサイ

好きな風景を好きなようにアレンジして主に油彩で描いています。 朝陽や夕陽、月の光など一…

マシュー・カサイ

好きな風景を好きなようにアレンジして主に油彩で描いています。 朝陽や夕陽、月の光など一瞬で変わっていく風景。百貨店での展示も時々やってます。noteの投稿のため水彩画を多く描き始めました。

記事一覧

竹林の道  光と風の舞

竹林の道を歩いた。 風が涼しい。 夏の光や暑さがここでは和らぐ。 外は強烈な日差しと暑さだ。 ここは何より静かでホッとする。 竹の枝葉が風で揺れ、潮騒のように音…

夏が来た  太平洋高気圧の空

歩く私の腕が日に照らされ熱い。 吹き出す汗 私の水分が大気に蒸発してゆく。 道は白く輝き、揺らめく。 今日は晴天の夏日 太平洋高気圧が空を覆う。 突き抜けるほど…

雨  天のしずく

傘をさして雨の中を歩く。 駅前の大通りは雨でも多くの人が歩く。 パラパラと傘や道路を叩く雨音。 殆どの人は傘を深く差し地面を見て歩いている。 暗い街に色とりどり…

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優しい光の中で

ふと見つけたカフェに入ってみた。 初めてのお店に入るときは少しどきどきする。 暗く落ち着いた店内の奥にテラス席が見えた。 迷わずその席を選び、こんな時期でも熱い…

174

6月の風  雨のち晴れ

鬱陶しい雨が止んだようだ。 外に出ると、まだ雨のムッとする暖気は残っていた。 しかし、徐々に明るくなって湿気は流れていった。 まだ水たまりのある道を歩くと6月の…

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夜の匂い  夜気を吸い込む

夜の匂い しっとりとして、どこかホッとするような気持ち良さ。 ああ、もう今日も夜が来た。 昼間の世界の現実感が薄れ、大気の中にかすかな夜の匂いが混じり始める。 …

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海辺のディナー  ビーチレストラン

以前よく南の島に旅行した。 ホテルのビーチには夕方からテーブルや椅子を出してレストランが設置されてた。 昼はビーチに寝そべったり、海に潜ったりホテルの部屋で昼寝…

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紫の風  紫陽花の寺

目の前に広がる赤紫や青の花の群れ。 濃く鮮やかなものから優しいパステルカラーまで。 昨日たっぷり降った雨を吸い込んで弾けそうな瑞々しさ。 初夏の空から眩しい日差…

189

花とコーヒーの香り  花の喫茶店

そこはまるで花に埋もれたような喫茶店だった。 入り口から屋根近くまで花に覆われている。 花の香りに交じってコーヒーの焙煎の匂いがした。 五月晴れの気持ちのいい天…

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花の迷宮 lost in paradise

広大な薔薇園を歩いている。 園内は様々なバラやその他の様々な花で埋め尽くされている。 満開の花が多い。 花々の最盛期の力。 くらくらするほどの香りと色彩。 穏や…

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神々しい朝日

数年前、仕事で南海の久米島に数日滞在した。 その時の思い出。 もう季節は秋でオフシーズン、ホテルも閑散としていた。 仕事やその他のストレスで不眠も続き、体調はあ…

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夜の花  段違い藤棚

夜の花を見ていた。 月の光に妖しく輝き、闇に香気を流す。 幾段にも重なる藤棚に、無数の藤の花房が細く長く垂れ下がる。 私は虫のように幻惑され引き寄せられ、恍惚と…

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道草の楽しみ 光のテーブル

外出の用事が終わった後、道草するのが好きだ。 時間に余裕があれば、知らない脇道に入るのがいい。 知らない街角。 何となくドキドキする。 面白い建物、不思議なお店…

174

天空カフェ 忘れていた景色

テレビに映し出された景色を見て息をのんだ。 この景色。 見たことがある。 雄大に広がる空と、鏡のようにそれを写した浅い水面。 どこまでも広がっている。 テレビの…

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光のどけき春の日に

目の前を、黄色い帽子をかぶった園児たちが先生たちに引率されながら歩いている。 スズメの群れのように賑やかだ。 大きな声を出す子、歌を歌っている子、笑いあってる子…

188

春爛漫 桜吹雪に思いを乗せて

朝は黄砂で黄色く空が濁っていた。 春霞というような美しい色ではなかった。 軽い落胆を感じる。 それでも春。 気軽に散歩に出て、川端の桜並木を見に来た。 ちょうど両岸…

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竹林の道  光と風の舞

竹林の道  光と風の舞

竹林の道を歩いた。

風が涼しい。

夏の光や暑さがここでは和らぐ。

外は強烈な日差しと暑さだ。

ここは何より静かでホッとする。

竹の枝葉が風で揺れ、潮騒のように音が流れていく。

頭上の笹の葉の間からはキラキラと光がこぼれる。

木洩れ日には焼けつくような熱さはない。

うっすらと目を細めて見上げれば煌めく波間のようだ。

風も、ここを通るときに笹に熱を取られて青い風になる。

風と木洩れ

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夏が来た  太平洋高気圧の空

夏が来た  太平洋高気圧の空

歩く私の腕が日に照らされ熱い。

吹き出す汗

私の水分が大気に蒸発してゆく。

道は白く輝き、揺らめく。

今日は晴天の夏日

太平洋高気圧が空を覆う。

突き抜けるほどの青空

巨大な入道雲が怪獣のように空を占める。

熱い風が吹きつけてくる。

大変だ、なんて暑さだとつぶやきながら笑ってしまう。

これを待っていたんだ。

この暑さ、このエネルギー、まばゆい光

焼けつく喉をペットボトルの水

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雨  天のしずく

雨  天のしずく

傘をさして雨の中を歩く。

駅前の大通りは雨でも多くの人が歩く。

パラパラと傘や道路を叩く雨音。

殆どの人は傘を深く差し地面を見て歩いている。

暗い街に色とりどりの傘が咲く。

ちょこちょこと揺れ鮮やかな花やキノコが行進しているようだ。

大きな黒い傘やオシャレな女性傘。

ゆっくり歩くお年寄りの傘。

小さな子供の傘達が勢いよく走っていく。

傘達は雨の街の主役。

みんなが急ぐ中、私は空

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優しい光の中で

優しい光の中で

ふと見つけたカフェに入ってみた。

初めてのお店に入るときは少しどきどきする。

暗く落ち着いた店内の奥にテラス席が見えた。

迷わずその席を選び、こんな時期でも熱いコーヒーを注文。

壁一面にモッコウバラが咲き誇り、観葉植物も多く気持ちがいい。

今日は割と涼しく、エアコンの効いた室内より外の空気の方がくつろげる。

読みかけの本と、香りのいいコーヒー。

白いテーブルクロスの上にそれだけがある

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6月の風  雨のち晴れ

6月の風  雨のち晴れ

鬱陶しい雨が止んだようだ。

外に出ると、まだ雨のムッとする暖気は残っていた。

しかし、徐々に明るくなって湿気は流れていった。

まだ水たまりのある道を歩くと6月の気持ち良い風が吹いてきた。

風の流れる方向には、雨を降らせていた黒雲が追われるように去っていく。

この時期の晴れた日は本当に気持ちがいい。

たっぷりと水を吸った紫陽花や木々が風に揺れている。

光を受けた花や葉が輝く。

街にも

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夜の匂い  夜気を吸い込む

夜の匂い  夜気を吸い込む

夜の匂い

しっとりとして、どこかホッとするような気持ち良さ。

ああ、もう今日も夜が来た。

昼間の世界の現実感が薄れ、大気の中にかすかな夜の匂いが混じり始める。

夜気を吸いに、夜空を楽しむために、高いところへ行こう。

月の儚い光の中、薄い闇が世界を覆う。

この闇の色は不思議を多く含む色。

昼の雑事に疲れた体が、少しずつ軽くなる。

ひんやりした夜気を胸いっぱいに吸い込む。

頭と体のど

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海辺のディナー  ビーチレストラン

海辺のディナー  ビーチレストラン

以前よく南の島に旅行した。

ホテルのビーチには夕方からテーブルや椅子を出してレストランが設置されてた。

昼はビーチに寝そべったり、海に潜ったりホテルの部屋で昼寝したり。

海と空を思いっ切り楽しむために、観光やゴルフなどすべて断っていた。

特に楽しみだったのが、このホテルの夕方だけのビーチレストラン。

オープンすると一番乗りして好きなテーブルをとっていた。

昼間は大勢の海水浴客で賑やかだ

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紫の風  紫陽花の寺

紫の風  紫陽花の寺

目の前に広がる赤紫や青の花の群れ。

濃く鮮やかなものから優しいパステルカラーまで。

昨日たっぷり降った雨を吸い込んで弾けそうな瑞々しさ。

初夏の空から眩しい日差しが降り注ぐ。

山の青さとお寺の古く黒ずんだ塔。

そこにこの彼岸のような夢の色。

紫陽花寺はこの時期、最も彼岸に近い。

見つめていると紫陽花の花は少しずつ色が変わっていくような気がする。

山から吹き下ろす風に揺れる花の影から

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花とコーヒーの香り  花の喫茶店

花とコーヒーの香り  花の喫茶店

そこはまるで花に埋もれたような喫茶店だった。

入り口から屋根近くまで花に覆われている。

花の香りに交じってコーヒーの焙煎の匂いがした。

五月晴れの気持ちのいい天気の中、歩くこともまた楽しい。

ちょっとここで休憩しよう。

まだ空調が必要なほど暑くないので窓辺の席に座り、外の花を眺める。

手入れが行き届いた花々は、元気いっぱい花や葉を広げている。

溢れ出る花の生気で元気をもらえた。

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花の迷宮   lost in paradise

花の迷宮 lost in paradise

広大な薔薇園を歩いている。

園内は様々なバラやその他の様々な花で埋め尽くされている。

満開の花が多い。

花々の最盛期の力。

くらくらするほどの香りと色彩。

穏やかな日差しを受けて花々が輝く。

バラのアーチや壁で園内はまるで迷宮のよう。

人通りはなく、静かに時が過ぎていく。

目の前には風に揺れる花々と、たくさんの蝶。

白日夢のような不思議な雰囲気。

このまま誰にも出会わず、出口に

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神々しい朝日

神々しい朝日

数年前、仕事で南海の久米島に数日滞在した。

その時の思い出。

もう季節は秋でオフシーズン、ホテルも閑散としていた。

仕事やその他のストレスで不眠も続き、体調はあまり良くなかった。

ある日、小鳥の元気な鳴き声で目が覚めた。

外はようやく明るくなり始めている。

海岸へ行ってみよう。

歩いてすぐのところにきれいな海岸があったはずだ。

ロビーを通らず、中庭から海岸に向かった。

南の島らし

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夜の花  段違い藤棚

夜の花  段違い藤棚

夜の花を見ていた。

月の光に妖しく輝き、闇に香気を流す。

幾段にも重なる藤棚に、無数の藤の花房が細く長く垂れ下がる。

私は虫のように幻惑され引き寄せられ、恍惚として見惚れる。

時の流れは緩やかになり、月の光だけが柔らかく降り注ぐ。

物にさえ付喪神が宿るこの国、数百年を経たこの木に何かの神が宿っていても不思議ではない。

そうでなければ、この滝のような花は咲かないのではないか。

彼岸でし

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道草の楽しみ 光のテーブル

道草の楽しみ 光のテーブル

外出の用事が終わった後、道草するのが好きだ。

時間に余裕があれば、知らない脇道に入るのがいい。

知らない街角。

何となくドキドキする。

面白い建物、不思議なお店、きれいな花壇、立派な豪邸、廃屋、何かの工場、暗い裏路地、懐かしい下町、小さな神社、子供たちの遊ぶ学校・・・

初めて見る景色は気持ちに刺激を与えてくれる。

こういう時は一人がいい。

そっと覗く知らない人たちの世界。

どんな人

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天空カフェ 忘れていた景色

天空カフェ 忘れていた景色

テレビに映し出された景色を見て息をのんだ。

この景色。

見たことがある。

雄大に広がる空と、鏡のようにそれを写した浅い水面。

どこまでも広がっている。

テレビの声はボリビアのウユニ塩湖の景色と言っている。

そんな場所は知らない。

夢だ。夢の中で見た景色だ。

完全に忘れ去っていた。

記憶の深く暗い海の中から、突然鮮やかに蘇った景色。

思い出した。

あるとき、私は広い海岸のような

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光のどけき春の日に

光のどけき春の日に

目の前を、黄色い帽子をかぶった園児たちが先生たちに引率されながら歩いている。

スズメの群れのように賑やかだ。

大きな声を出す子、歌を歌っている子、笑いあってる子、見てて飽きない。

つい、あとをついて行きたくなった。

温かな午後、今日は日差しが眩しい。

陽気な子供たちに影響されて、私も楽しい。

一緒に歌って、歩きたくなった。

歌を口ずさみながら大きく手を振っていると、なんだか目線がどん

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春爛漫 桜吹雪に思いを乗せて

春爛漫 桜吹雪に思いを乗せて

朝は黄砂で黄色く空が濁っていた。
春霞というような美しい色ではなかった。
軽い落胆を感じる。

それでも春。
気軽に散歩に出て、川端の桜並木を見に来た。
ちょうど両岸の桜は満開を迎え強く吹き始めた風に花びらを飛ばしていた。

桜吹雪。

空を覆っていた黄砂は風に追われ、春らしいのどかな青空が見え始めた。
この場所は、両岸に桜が並び、豪華な眺めとなる。
今年は、天候不順のせいか桜が散るのが早い。

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