6月の風 雨のち晴れ
鬱陶しい雨が止んだようだ。
外に出ると、まだ雨のムッとする暖気は残っていた。
しかし、徐々に明るくなって湿気は流れていった。
まだ水たまりのある道を歩くと6月の気持ち良い風が吹いてきた。
風の流れる方向には、雨を降らせていた黒雲が追われるように去っていく。
この時期の晴れた日は本当に気持ちがいい。
たっぷりと水を吸った紫陽花や木々が風に揺れている。
光を受けた花や葉が輝く。
街にも傘をたたんだ人々が多く出てき始めた。
みんな空を見上げ、輝く初夏の光に目を細める。
シャツを揺らす風。
小鳥の声。
雨に濡れた道路が渇き始める匂い。
モンシロチョウが舞い始めた。
小さな子供たちが声をあげながら走っていく。
みんな、雨が止むのを待ってたんだね。
空の青さが際立ってきた。
暑い夏が近い。
絵 マシュー・カサイ「6月の風 雨のち晴れ」水彩 和紙 1091X788cm
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