海辺のディナー ビーチレストラン
以前よく南の島に旅行した。
ホテルのビーチには夕方からテーブルや椅子を出してレストランが設置されてた。
昼はビーチに寝そべったり、海に潜ったりホテルの部屋で昼寝したり。
海と空を思いっ切り楽しむために、観光やゴルフなどすべて断っていた。
特に楽しみだったのが、このホテルの夕方だけのビーチレストラン。
オープンすると一番乗りして好きなテーブルをとっていた。
昼間は大勢の海水浴客で賑やかだったビーチも夕方は人が少なくなり涼しい風が吹き始める。
籠に入れた花々がテーブルわきや砂浜に置かれ、照明に松明のようなかがり火がいくつも立てられた。
潮の香の中、静かにビールを楽しむ。
水平線に沈んでいく太陽がまぶしい。
雲も空も色鮮やかに輝き、原始そのままの地球の美しさを見せる。
何度見ても感動する。ドキドキしながら目を見開く。
日本で見るのとかなり違う。
別に、ホテルおススメの贅沢料理が食べたいわけでもない。
私はこのダイナミックな空と海を大好きなビールで味わいたいだけなんだ。
私は写真をあまりとらない。
写真より現場でじっくり味わって記憶に残したい。
笑顔なのに、なぜか涙が出てしまう日暮れの景色。
暗くなり、かがり火が目立ってくると大勢のお客がビーチレストランに来始める。
その前に食事を済ませ、海と空に別れを告げて引き上げるのだ。
早朝のビーチで見る朝日を次の楽しみに。
絵 マシュー・カサイ「ビーチレストラン」水彩 和紙四六判
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