記事一覧
おとなの読書感想文6
『アイネクライネナハトムジーク』伊坂幸太郎映画化されたので読んでみました。伊坂幸太郎は大学生のころに好んで読んでいました。ほとんどの作品は読んでいる気がします。伊坂トリックは大好きなんですが、ほとんどの作品でガンガン人が死ぬのでそれが結構しんどいと思うことが増え、遠ざかっていました。マーベルのように伊坂ワールドで作中の人物が入り乱れるのは楽しいです。さて、本作ですが、あとがきにもあるように伊坂作品
もっとみるこんまりメソッド~ときめきとサンクコスト~
アメリカでも大ブームを起こした近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』をついに読みました。「ときめき?」と読むまではピンとこなかったのですが、自称・片付けの鬼の僕が常日頃感じるままに片付けしていたことが言語化されていて感動しました。
1.「ときめく」とはなにか
とても曖昧な表現ですが、それには訳があります。価値観は人それぞれだからです。居心地の良い部屋とはなんでしょうか。視界に入る服、本
おとなの読書感想文1
読書メモをしようと思います。気まぐれで始めたのでおぼろげな記憶のもと書いています。しかしそれが実は本当の読書感想文だったりするかもしれません。
『蜜蜂と遠雷』恩田陸圧巻でした。凡人だと登場人物が動揺したり緊張する場面を読むと「ミスに繋がっちゃうのかな。台無しになる?」と不安になりましたが、杞憂でした。そういう次元の人たちじゃない。天才たちの世界で、化学反応が起きていく様はあまりにすごくて言葉を失
『きりこについて』から学ぶ自己肯定感
『サラバ!』に続いて西加奈子さんの『きりこについて』を読んだ。『サラバ!』は2014年、『きりこについて』は2009年の作品である。同じ著者の作品を続けて読むことは多い。1作品だけではわからなかった発見ができる。『サラバ!』では貴子のセリフが胸を打つ(過去記事)。この作品においてだけの発言だったらとんでもなく鋭利な、尊い、救いのような言葉だと思う。キラキラ光る奇跡のように感じるだろう。しかし、遡る
もっとみる『サラバ!』とゲシュタルトの祈り
西加奈子さんの『サラバ!』を読んだ。姉・貴子の言う「あなたが信じるものを、誰かに決めさせてはいけないわ。」は多くの人の心に突き刺さっているようだ。貴子の言葉でいう「幹」を持ち合わせていない人は多い。かく言う僕もその一人である。依存について勉強していく中で、アダルトチルドレン(AC)かもしれないと気付いた。アスペルガー障害や双極性障害の特徴との類似点もあったので確証はないが、「ゲシュタルトの祈り」を
もっとみる