こんまりメソッド~ときめきとサンクコスト~

アメリカでも大ブームを起こした近藤麻理恵さんの『人生がときめく片付けの魔法』をついに読みました。「ときめき?」と読むまではピンとこなかったのですが、自称・片付けの鬼の僕が常日頃感じるままに片付けしていたことが言語化されていて感動しました。

1.「ときめく」とはなにか

とても曖昧な表現ですが、それには訳があります。価値観は人それぞれだからです。居心地の良い部屋とはなんでしょうか。視界に入る服、本、小物、趣味のもの…それらが自分にとってポジティブなものだったらそれは「ときめく」部屋です。ただ、それが「ちょっと違和感」「なんかあまりいい気持ちがしない」なら【改善=片付け】が必要ということです。

2.捨てることへの抵抗はサンクコストで解決

今の自分に必要なものか、それが一つの判断基準になります。しかしそれを邪魔するのは「結構高かったし」「いいなと思って買ったから」「せっかく…」など過去への執着心。ここで考えてほしいのはサンクコストという考え方です。例えば、あなたはなんとなく気になっていた映画を観ることにしました。1800円のチケット、上映時間は150分。でも上映開始から20分…う、これは面白くない。あなたはこんな場合どうしますか。1800円も払ったし残り130分間面白くない映画に時間を割きますか? 観てみようと思った瞬間の気持ちに1800円を支払ったのであって、面白くないと感じた時点でその1800円分の価値の受取りは完了しているのです。片付けにも同様のことが言えます。片付けをする対象のお金を支払ったのは過去のことです。今、それを片付けるかは「今の価値観=ときめき」で決めるのです。自分で買ったもの以外にも、年賀状・頂き物など捨てるのに忍びないものもたくさんあります。しかし、こんまりは言います。“プレゼントはモノそのものより、気持ちを届けるものです。だから、「受け取った瞬間のときめきをくれて、ありがとう」といって捨ててあげればよいのです。”(P.148)どうですか。ありがとうと言って捨てることができそうじゃないですか。サンクコストはお金の勉強をしていたときに知ったものですが、まさか片付けの手法として登場するとは。

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以下、僕が「はっ!」と思った事例を挙げます。

1.足枷となる見栄

本が好きでハマるとその著者の作品を全部集めます。しかし、全作品が好きなわけではありません。読み返すほど気に入っているのはこの数冊だけ…でも「この著者の作品は全通している!」という気持ちが邪魔をします。今回、こんまりメソッドを通してそのもやもやを晴らすことにしました。全通本以外にも知識人なら読んでる著書など本棚にある「これを読んでる自分って素敵」という見栄で置いている本たちを手放しました。本棚の品ぞろえで見栄をはって何の意味がある!と自分に喝をいれました。


2.甘酸っぱくない捨てられない過去

「写真など思い出の品の片付けは最後にしましょう」とあるのですが、僕の場合ほとんど片付いていたのですぐに着手できました。高校~大学~社会人とほぼほぼ写真はありません。が、振り返りたくない過去もなんとなく「数少ない写真だから…」という理由で残していたのです。そんなアルバムを見ることがあると思いますか。全然見ませんよ。自室の中ですら隠すほどです。というわけでかなり処分しました。そのときは記憶や記念で撮ったものですが、今~将来見たいと思わない=ときめかないので手放しました。


3.サンクコストという考え方

既述の通り、お金の勉強をしていたときに知った言葉でした。これは知ってかなり楽になった考え方でした。自分に合う服の系統を模索した日々、好きになれるかどうか試した音楽・映画・本、振り返れば「散財」「浪費」としか思えないことばかりでしたが(実際そうだと思います)、そのときの自分への投資のようなものだと考えると無駄なお金ではなかったんだなと思えます。実際、試行錯誤した結果、昔にくらべ失敗することは減りました(主に服)。もちろん新しい刺激を求めることもありますからそれは少し賢く動くことにしました(主に本)。出版業界の方には申し訳ないのですが、基本的に図書館を利用しています。手元に置きたいほど良い本に出合ったら買うことにしました。一読してみたいと思う本は山のようにあるのですが、過去の経験から小説は愛読書になる確率はかなり低い。ビジネス書も読んで取り入れたい部分だけメモしたり実践するだけで、繰り返し読むバイブルになる本って意外と少ないことに気付きます。

※久々に感動してあまり寝かせないままに記事を書いてしまいました。あとで加筆修正するかもしれませんが、自分のための備忘録です。

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