おとなの読書感想文4

『有頂天家族』森見登美彦

森見作品の中でも上位に入る。「退屈している暇がない」というフレーズがとてもいい。人生を、日常をそう思って過ごせることに憧れる。これも『ぼくは勉強ができない』みたいにスマートに生きるというか、しがらみに捕らわれない自由な生き方がいいなと思う。これくらいの気持ちで生きられたらいいのだろうな。誰にも迷惑をかけずに、世間に申し訳なさも持たずに。ドタバタな出来事が起きるけれど、始終平和な印象。コミカルでもあり、家族愛・兄弟愛に溢れる。3部作ですが、やはり1部への思い入れが強いです。

『るきさん』高野文子

文庫サイズの漫画です。オールカラー。バブル時代にマイペースに生きる、るきさんの日常。気取ってなくて、とても素敵。元カノが誰かに似てると思ったらるきさんで、お付き合いしていたときに貸したら「ほんとだ、似てる」と納得していました。面白い人でしたよ、るきさんみたいで。という僕個人の思い出です。

『ぼくには数字が風景に見える』ダニエル・タメット

サヴァン症候群とアスペルガーのダニエルの半生を綴った自伝。幼少期のエピソードは共感する部分もあり、そのため彼が後に社会に出ていく様子を読むと勇気が貰えます。僕も少しだけ共感覚があって文字や数字に色が決まっています。例えば「八・8・A」は赤色です。ダニエルは本当にすごい。ここまで才能が突き抜けていたらいいな~と思います。

『春期限定いちごタルト事件』米澤穂信
『夏期限定トロピカルパフェ事件』米澤穂信
『秋期限定栗きんとん事件(上)(下)』米澤穂信

小市民シリーズです。アニメ化した『氷菓』の古典部シリーズと並ぶシリーズもの。僕はこっちのほうが好きでリピートしていました。が、なかなか完結の冬期限定が出ない!学生時代に読み始めて楽しんでいたのですが、社会人になって読んでみると、幼く感じて、これは学生のための本だなと思います。短編を集めた連続ものなので少しずつ読むのに適しています。また、推理ものというと少し構えてしまいますが、事件といっても人は死なない。日常のなんてことない謎解きが程よいので好きです。




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