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第3話『北の玄武が逃げ出した』週刊少年マガジン原作大賞
ここは河原町商店街。人気のない飲食店の裏口でハムタコスキーはへなへなと萎れていた。未来は空白だった。無計画で、一文無しで、宿もない。それ以上に生きる気力を失っていた。
ネズミの遺伝子操作をする研究室から逃げ出すことができたものの、人間がネズミを実験動物として扱っている事実は受け入れ難かった。これまで人間を疑うことを知らず、忠実に国家のスパイとして生きてきたが、自分も所詮、国の都合の良いように開発
第2話『北の玄武が逃げ出した』週刊少年マガジン原作大賞
ハムタコスキーを捕らえたのは、京大脳外科・察時教授の秘書の明子だ。
察時の指示で、隣の研究室の実験マウスの面倒を見るように言われていた。
「あら、先生嫌だわ、こんな汚らしいネズミ!」不満を漏らしながら明子は嫌々ケージ内の掃除を始めたが、手際が悪く気づかぬうちにネズミを逃がしてしまった。逃亡したネズミを回収をしていたところ、ハムタコスキーを見間違えて捕まえたのだ。
隣の研究室の花時丸准教授は自分
第1話『北の玄武が逃げ出した』週刊少年マガジン原作大賞
ここは新宿MSビル地下2階のゴミ捨て場。1匹のハムスターがゴミ袋に埋もれて居眠りをしている。
ハムタコスキーが日本に潜入するのは10年ぶりのことであった。今回は医療機器メーカーの設計図を盗み取る任務がある。社員が退勤したあとの空っぽのオフィスを狙いにきたが、厄介なことに日本人は残業を好む民族であるがゆえに潜入調査も思うように進まない。最後の1人が退勤するまでゴミ捨て場で本日のディナーを楽しむこと
『北の玄武が逃げ出した』あらすじ 週刊少年マガジン原作大賞
千年の都、京都にかつてない威力で邪気が流れ込んだ。事の発端は、太古の昔から京都の北の守護神とされてきた霊獣、玄武の逃亡だ。守り神が不在となった影響で北の方角から魔物コロモダコが入り込んだのである。この魔物は人間の自尊心を吸い尽くし京都の街を荒らしていた。ちょうどその頃、日本に1匹のスパイ、ハムタコスキーが潜入していた。彼はアンビエント連邦が派遣した国家のスパイ動物だ。ひょんなことから京都への亡命を
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