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あまねく紡ぐ次代の民藝=「萬画(ミリオンアート)」の世界

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2019年4月の記事一覧

「ジェンダーバイアスのかかった漫画は滅びればいい」のか?備忘録、雑感など

「ジェンダーバイアスのかかった漫画は滅びればいい」のか?備忘録、雑感など

 この件、noteにノロノロとまとめている間に沈静化してしまった感もあるのですが、せっかくなので公開しておきます。

少女漫画の現状に一石を投じる人がいる。今年で漫画家デビュー35周年を迎え、『マーガレット』(集英社)などで数々の革新的な少女漫画を発表してきた楠本まきさんだ。現在、漫画月刊誌『ココハナ』(集英社)で連載中の「赤白つるばみ・裏」で、登場人物に「ジェンダーバイアス※のかかった漫画は滅び

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みんな違って、みんな面白い。

みんな違って、みんな面白い。

〜漫画家さんとのやりとりで気をつけていること。④〜

先日、東京ネームタンクのごとうさんがこんなツイートをされていました。

漫画には「共感型」と「興味型」があるということ。そして、それが知られていない危機感についても触れられています。

この話題については僕も思うところがあるので、僕は漫画編集者の立場からになりますが、今日はこの「タイプ」のことについて書いてみます。

答えがない世界だからこそ一

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創作上の個性はいかに作るか?

創作上の個性はいかに作るか?

絵の個性って絵を学んでゆく中で、自分は何を目指し、そのために何を選択し、選択しなかったかということだと思う。

技術的に下手でも何が好きで何を表現したいかが明確であれば魅力的な個性になる。
クロード・モネは下手で雑として画家仲間にも笑われたが自分の表現を追求し印象派の第一人者になったんだよ。
話題の傑作「王様ランキング」の絵がイラストとして上手いか?と言われれば上手いと言う人は少ないだろう。
でも

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『ドラゴンボール』はわからない所が無い

『ドラゴンボール』はわからない所が無い

漫画・アニメ・ゲーム・映画などのエンタメビジネスに従事する人たちというのは皆等しく“ヒット作を作りたい!”と思っています。

例外はありません。

“別に売れなくてもいいや”と思っている人たちはサークル活動などを行っている一部の人たちだけで、“その世界”で働いているプロは一人残らず“売れたい・売りたい”と願っています。(願って“それ”を実現するために戦略を練り勝算を持って日々仕事をしています。いや

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クリエイティブ産業、海外取材で何ができる?=ドイツ編

クリエイティブ産業、海外取材で何ができる?=ドイツ編

「ドイツ」のビール文化をテーマにしたマンガ「キツネと熊の王冠(クローネ)」が2019年3月に発売されました。国内でもドイツのビール祭りを意識した「オクトーバーフェスト」が全国各地で開催されドイツのビールを身近に感じる機会が増えたり、もっと知りたいといった需要の高まりも背景にはあるのかもしれません。

このマンガはドイツ風の架空の世界で、ビール産業に携わる主人公たちや彼らを取り巻く人たちとの温かい交

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マンガが「高級商材」となった時代の戦略は何がいいか?

「アル」というマンガサービスを作っている関係で、いろいろなマンガを読む人とか、若い人とかに話しを聞くのですが、最近気づいたことは

「マンガは高級商材となっている」

ということです。

若い人に、「なんでマンガをあまり読まないのか?」というと「だって高いじゃないですか」という答えになるんですね。

たとえば、エンターテイメントを考えると、TikTokやYouTubeって無料じゃないですか。無料で

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