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人類の『未来』をつくる、「脳」と「心」と「精神」のメカニズム

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脳科学、心理学、精神医学――切り口は違うが、どれも「人の心のしくみを知る」学問だ。 精神活動や知的生産活動とは、突き詰めれば「約1000億個の生体回路とその100倍の数の接続点を…
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2022年5月の記事一覧

「怖い」「ヤバい」に感じる日本人の弱さ

「怖い」「ヤバい」に感じる日本人の弱さ

先日、ライターの和田靜香さん(著書「時給はいつも最低賃金、これって私のせいですか? 国会議員に聞いてみた。」など)のツイートに、こんなのがあった。

これね、今どき、っていうか、もうここ何年も続いてる状態。しかも近年さらにひどくなってる。

政治の話をする。社会の問題を会話に取り上げる。それに対して自分はこうだと表明する。選挙に行こうと呼びかける。
ごく普通。あたりまえ。これだけ。

だけど物わか

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発達障害の自分が、『話すときに相手と目を合わせない理由』

発達障害の自分が、『話すときに相手と目を合わせない理由』

先のnoteで、発達障害を公表しました。

今日は、発達障害の特徴としてよく言われる『話時に相手と目を合わせない理由』 について書いてみたいと思います。

発達障害の方が、全員そうだというわけでなく、あくまで『私の場合』の留保ですが、それでも、同じようなタイプの人がいらっしゃるとすれば、養育者や周囲の方も含めた、独特のコミュニケーションの理解の一助になるのではないか、と考えています。

『話す相手

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脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

脳に興味があるすべての人に心からおすすめできる一冊。デイヴィッド・イーグルマン『脳の地図を書き換える:神経科学の冒険』解説・紺野大地

解説 東京大学医学部付属病院 老年病科 医師  紺野大地

良い本を読むと心が震え、「いつまでもこの本を読み続けていたい」という感覚を抱く。そのような本に出会えるのは一年に一度あるかどうかだが、この本は間違いなくその一冊だ。

内容に入る前に、本書の著者について簡単に紹介しよう。デイヴィッド・イーグルマン博士はスタンフォード大学に所属する神経科学者でありながらNeosensory(ネオセンソリー)

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【認知行動療法】バランス思考を身に着けるための認知再構成法を解説

【認知行動療法】バランス思考を身に着けるための認知再構成法を解説

認知のゆがみ、考え方の偏りにはパターンがある
前回は自動思考、認知再構成、バランス思考についてそれぞれ解説しましたが、今回は「自動思考で生まれる認知のゆがみパターン」と「認知再構成法」の具体的な方法について解説していきます。

起きた出来事に対して瞬間的に行われる自動思考では、ゆがんだ考え(証拠のない、あるいは証拠の少ない一方的な思い込み)が浮かびやすく、人によってはそのせいで暗いこと(明るいこと

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【認知行動療法】認知再構成、バランス思考とは?

バランス思考と認知の再構成とは?
前回は肉体的な解決法である漸進的筋弛緩法を解説しましたが、今回は認知的な解決法である「認知再構成法」と「バランス思考」について解説していきます。

認知行動療法では、「出来事(実際に起きたことや事実)」と「考え(真偽の定かではない仮説)」を区別することが重要です。

この2つを区別することで、どうしようもない考えや思い込みを避け、かわりに現実的な問題や自分で解決で

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怒った顔って、必要?|指導者や親に必要な「伝え方」とは

怒った顔って、必要?|指導者や親に必要な「伝え方」とは

部下が遅刻する・報告をしない、子どもが何度もふざける・宿題をしない。毎日生活していると、周囲に改善要求や注意したくなることが沢山あると思います。みなさんはそんな時、「怒った顔」で注意しますか?

■人はなぜ怒った顔をするのか様々なシチュエーションで、私たちは「怒り」を感じることがあります。もちろん私たちは人間であり、感情があるからこそ「怒り」を感じるのは当たり前のことです。

「怒り」を感じたとき

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ゲームの心理学

ゲームの心理学

実績解除を使いこなす初めての分野に挑戦するとき、最初から結果を出すことは難しいです。

そこで挑戦する時には、実績解除のシステムを意識しましょう。

実績解除とはゲーム用語で、特定の行動をしたり、一定の結果を出した時にもらえる勲章のようなものです。稀に報酬も伴うこともあります。

実績解除は、ゲーム内で「トロフィーを獲得する」と表現されることもあります。この表現はまさに勲章そのものですね。

実績

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