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発達障害の自分が、『話すときに相手と目を合わせない理由』

先のnoteで、発達障害を公表しました。

今日は、発達障害の特徴としてよく言われる『話時に相手と目を合わせない理由』 について書いてみたいと思います。

発達障害の方が、全員そうだというわけでなく、あくまで『私の場合』の留保ですが、それでも、同じようなタイプの人がいらっしゃるとすれば、養育者や周囲の方も含めた、独特のコミュニケーションの理解の一助になるのではないか、と考えています。

『話す相手の目を見て、表情からも、相手の発するメッセージを受け取る』というのは、大前提に『相手の目や表情からのメッセージを受け取る能力』があります。

そして、その能力があるからこそ、『相手の目・表情を見ることで、より多くの情報を得ることが出来る』のであり、さらには、『相手の情報をより得ようとする、相手に関心や敬意を持っているという態度は、話し相手に目を合わせることによって表現される』というマナーの問題にも辿り着くわけです。

図にするとこのような感じです。

定型発達の方のコミュニケーション(想像です)


さて、その能力を持たない場合。表情を見ると『顔の表情という変化の激しい視覚からのノイズが増えて、かえって、話の理解の邪魔になる』のです。

図にするとこんな感じです




そして、『相手の話をしっかり聞きたい、ちゃんと理解したい』時ほど、『無駄な視覚ノイズはない方が良い』ので、『相手の表情という視覚ノイズを避ける=相手と目を合わせない方が、相手の話している内容を理解しやすい』

すなわち

私の場合は、「目を合わせる」というのは、こういう感じでした。

『相手の話をしっかり聞いて理解したいからこそ、相手の目や表情は見ない方が良い』

と言う状況が生まれます。

しかし、これは、通常の『相手に関心・敬意を持っているという態度は、話し相手に目を合わせることによって表現される』ということを『常識』として持っている人からすると、真逆になります。

すなわち、発達障害の人が、『相手のいうことを一生懸命理解するため』に、相手の目から目を逸らすことは、通常のマナーにおいては、むしろ『無礼・失礼』になってしまう。さらには、『愛情や親密さがあれば、自然と相手の顔を見て話すようになるはず』と信じている定型発達の保護者さんが『子供が目を合わせてくれないのは、愛情不足なのではないか』みたいに悩む原因にもなったりします。

率直に、私の場合、授業中はずっと下を向いて、目線をノートに落としていました。真っ白いノートを見ていると視覚からの情報がシンプルで安定するので、耳の感覚に集中しやすいからです。今でも、行儀が悪いと思いつつ、セミナーなどでは手元のスマホをじっと見ていたりします。見慣れた画面を見ている方が、視覚からの情報が落ち着き、集中力が保てます。

ただ、『教師の話は、顔を上げて教師の目を見て聞くものだ』という、マナーや礼儀を尊重するタイプの先生に当たった場合は大変でした。特に、高校3年生の時、古文・漢文の先生がこのタイプの先生で、受験期に古文・漢文が伸び悩んだのを覚えています。

さらには、このタイプの先生に当たったとき、ほっとかれるようになると、自分にとって情報を取りやすいスタイルになるので、成績が安定してきます。しかし、礼儀や上下関係に拘るタイプの先生ほど、「先生の言うことを、素直によく聞くかどうか」が判断基準になるので、ほったらかしにされた途端に成績が伸び出すと「反抗している」と受け取られて、人間関係面でもこじれることになりました。

これが、発達障害からみた『相手の目や表情をしっかり見る』という常識が原因のすれ違いについての、1つの説明でないかと思います。

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