【認知行動療法】認知再構成、バランス思考とは?
バランス思考と認知の再構成とは?
前回は肉体的な解決法である漸進的筋弛緩法を解説しましたが、今回は認知的な解決法である「認知再構成法」と「バランス思考」について解説していきます。
認知行動療法では、「出来事(実際に起きたことや事実)」と「考え(真偽の定かではない仮説)」を区別することが重要です。
この2つを区別することで、どうしようもない考えや思い込みを避け、かわりに現実的な問題や自分で解決できる問題に集中できるようになります。
そして、ネガティブにもポジティブにも偏ることのない、バランスのとれた考えを持てるようにトレーニングしていくことで、メンタルヘルスが安定し現実的な問題にも対処できるようになっていきます。
そのバランス思考を身に着けるための方法が、今回紹介する「認知再構成法」と呼ばれる思考法です。
感情と考え方の関係~考え方が感情をつくる~
これまでの復習になりますが、私たちの考え方と感情は連動しています。
人は、出来事そのものではなく、出来事に対する自分の考えによって感情をかき乱されます。
例えば、怪我をしたときに「怪我をして最悪だ!」とネガティブに捉えるとイライラしたり、「また怪我をするかもしれない…」と不安が襲ってきます。
しかし、逆に、怪我をしたときでも「怪我をしただけで済んでよかった!」とポジティブに捉えると幸せを感じられます。
さらにポジティブな人は「怪我をしたから学校(仕事)を休めるぞ!ラッキー!」とさえ思うかもしれません。
これが、出来事そのものではなく、出来事に対する自分の考えによって感情が変わるということです。まずはこの心の仕組みを理解しておきましょう。
嫌なことが続くとネガティブな思考になりやすくなる
人は、つらいときには注意や考え方が悪い方へ偏りやすく、咄嗟にネガティブな考えをしがちになってしまいます。
嫌なことが続いたら「なんで自分だけこんな目に遭うんだ!」と思ってしまう感じですね。
しかし、このように咄嗟に生まれるネガティブな考えに対してツッコミを入れ、それによっていまの考え方を変わることができれば、つらい感情が軽くなっていきます。
このネガティブな思考に対して行われるツッコミが認知再構成法です。
出来事と考えを分ける
認知の再構成には、「実際に起きた出来事」と「自分の頭の中にある考え」とをきちんと分けられるようになることが大切です。まず2つの違いを見ていきましょう。
出来事とは?
出来事とは、実際に生じた事実で、ビデオや写真に映すことができ、みんなの意見が一致するものを言います。
例えば、「昨日の試合は5-3で自分のチームが勝った」「今日は朝ごはんを全部食べた」などです。つまり、立場によって意見が変わらないものが出来事です。
考えとは?
考えとは、一人一人の頭に浮かんだ仮説や価値判断で、ビデオや写真に映すことができず、それぞれの意見に違いが生じるものです。
例えば、「昨日の試合はつまらなかった」「朝ごはんは全部食べなくてはいけない」などです。つまり、出来事とは異なり、立場によって意見が変わるものが考えです。
まずはこの2つの違いを理解しておきましょう。
→元記事はこちら:https://kruchoro.com/cognitive-behavioral-therapy-5
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