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学び直しのフィンランド留学記

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Aalto Universityの大学院で感じた日本の教育との違いや、学んだことについてを綴っています。それに加えて留学を考えている方に役立ちそうな情報を載せていきます。
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#大学院留学

アアルト大学教授が共有してくれた失敗談から学んだこと

アアルト大学教授が共有してくれた失敗談から学んだこと

今修士論文を書いているところです。その過程で担当教授に相談をする機会が多くなりました。
企業へのワークショップへの提案について相談した際に教授の失敗談を交えてアドバイスをしてくれました。

ワークショップをやる際の注意点として、参加者の前提をわかっておかないといけないと言われました。それは教授(アート学部)がエンジニア学部の修士学生にCreative and Critical thinkingの授

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『感性・感情を通した創造性のひらき方』 ワークショップのお知らせ

『感性・感情を通した創造性のひらき方』 ワークショップのお知らせ

Laereさんと一緒にオンラインワークショップを企画しました。
アールト大学院での学び、フィンランドの教育について前半でお話をし、
後半のミニワークでは身近なものを使って、日常の中の感性、創造性のひらくきっかけをお話しします。
フィンランドでの教育の生の体験、またみなさんの感性をひらくヒントを得れるようになっているワークショップです。
フィンランドの留学に興味がある方、感性を磨きたい、創造的な働き

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Aalto Universityの特徴とサポート

Aalto Universityの特徴とサポート

そろそろ2021年9月入学の合否が出て、どの大学に行くか迷われている方もいると思います。今回はアアルト大学の特徴とどのようなサポート制度があるのかご紹介できればと思います。大学院留学1年目が終わろうとしている今、細かい授業内容というよりは大学の全体的な特徴を私の学び視点で書ければと思います。
この記事が、入学を考えている方に大学内にいるからこそ知ることができるサービスをお伝えすること、また大学関係

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ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【後半:学び編】

ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【後半:学び編】

前回紹介したワークショップで発見したことを紹介したいと思います。自分で企画・運営したからこそ見えてきた課題がありました。

課題はありますが、何より、日本とフィンランドでのイベントを多く企画されているフィンランドセンターさんと進めることで、多くを学ばせていただきました。このようなチャンスをいただいたフィランドセンターさんに本当に感謝です。

■課題
フィンランド会場が直前まで決まらない
日本の会場

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ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【前半:企画編】

ハイブリッドのアートワークショップを企画(フィンランド×日本) 【前半:企画編】

2021年4,5月にフィンランドと日本を同時にオンラインで繋ぐアートワークショップをフィンランドセンターと企画・運営をしました。
対象は20歳以上の英語を話せる方。フィンランドの会場はDidrichsen Art Museum、日本の会場はメッツァパビリオンです。

ワークショップの内容に関してはこちらに寄稿しているのでぜひご覧ください。
https://note.com/lapuankankur

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フィンランドの学び直しの多さ・女性の自立

フィンランドの学び直しの多さ・女性の自立

世界経済フォーラムが世界男女格差指数で、フィンランドは第2位、日本は120位。

フィンランドは男女平等が進んでいると言われています。どんなところから来ているのでしょうか。
女性の参政権(投票だけでなく、出馬する権利)が世界で初めに認められたのはフィンランドです。そして今は共働きが当たり前。育休は男女ともにとることが多い。などなど。
特に印象的なのは、離婚率が高く、50/50という子供を交互に世話

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フィンランド教育の5つの特徴と、 Phenomenon-based learning

フィンランド教育の5つの特徴と、 Phenomenon-based learning

フィンランドの教育は世界的に注目をされています。
1968年の教育の民主化、1994年の教育大全の大改革、2度に渡り大きな教育改革を行い、OECDが行う学習到達度調査(PISA)のテストでも常に上位を占めています。そんなフィンランド教育の特徴を今回は簡単にご紹介したいと思います。

まずはフィンランドの教育構造から。日本との大きな違いは16歳以降です。日本でいう高校卒業後、特定の職業に必要な資格を

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アアルト大学でのバイトでの学び、フィンランド人の働き方

アアルト大学でのバイトでの学び、フィンランド人の働き方

現在フィンランドに自費留学しています。バイトをしないと赤字のため、2021年1月からアアルト大学でのResearch Assistantというバイトを始めました。週11時間 590€/月(時給1800円ほど)。リモートでの仕事がほとんどで、自由裁量で仕事ができるので割りの良いバイトです。このバイトを通じてフィンランドについて学んだことを紹介したいと思います。

■仕事内容
仕事内容はファシリテーシ

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アート思考と多文化コミュニケーションの似ているところ

アート思考と多文化コミュニケーションの似ているところ

アアルト大学には世界各地から学生が来ています。

火曜日は香港、フランス、チェコからの生徒とフィンランドの文化についてディスカッション、
水曜日は、フィンランド人、アメリカ人、ベトナム人と企業戦略のコミュニケーション方法についてグループワーク、
木曜日の夜は、イラン人、アメリカ人、ラトビア人とホームパーティーをして、授業の愚痴を言ったり、
金曜日は、ギリシャ人、パキスタン人、ウクライナ人、フィンラ

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6ヶ月オンライン授業を受けてみてのメリット・デメリット 、オンライン授業ばかりでも留学して良かったこと

6ヶ月オンライン授業を受けてみてのメリット・デメリット 、オンライン授業ばかりでも留学して良かったこと

現在、Aalto Universityの授業はアート制作、ラボでの実験の授業以外全てオンラインで行われています。4月まではその体制で変わらないと大学からアナウンスがありました。おそらく私の留学1年目はオンライン授業がメインで終わるのかなと思います。

留学したにも関わらず、オンライン授業だけでは留学する意味があるのかとたまに聞かれることがあります。6ヶ月間ほぼ全てオンライン授業だった経験から、今回

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フィンランド人とワークショップの企画 @Espoo Museum of Modern Art
【後半:当日編】

フィンランド人とワークショップの企画 @Espoo Museum of Modern Art 【後半:当日編】

前回紹介した【前半:準備編】に続き、今回は当日どのようなプログラムを行ったかを紹介したいと思います。https://note.com/finlandryugakuki/n/nab78e195e5dc

ワークショップはフィンランドの学校が休みの10月中旬の4日間で行いました。
コロナ禍にも関わらず、定員を上回る参加者数でした。
それぞれの日の担当者を2人決め、その2人がワークショップの進行を行って

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フィンランド人とワークショップの企画 @Espoo Museum of Modern Art 【前半:準備編】

フィンランド人とワークショップの企画 @Espoo Museum of Modern Art 【前半:準備編】

フィンランドの美術館Espoo Museum of Modern Art(EMMA)とAalto Universityのコラボワークショップ企画に9月に参加しました。普段はフィンランドを含め約6カ国から来ているクラスメイトに囲まれ、英語で勉強しているので、フィンランド人の中で外国人が私1人だったこの企画は、普段の授業とは異なる発見がありました。

■参加した経緯
Aalto Universityの

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答えのない課題・アート思考

答えのない課題・アート思考

今答えのない課題に向かい続けています。
どの授業の課題も正解がない、同時に間違いもない、どう課題を終わらせればいいのか迷う日々です。

経済学部のゼミや授業では、ケーススタディーで成功した方法や、出された課題に対してある程度正解があることが多かったです。また、営業として働いていた時も売上や新規顧客の獲得数、給料などから、自分のパフォーマンスが高いのか低いのか指標がありました。そんな私にとっては正解

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経済学部生、芸術学部生の考え方の違い② お互いの妥協点

経済学部生、芸術学部生の考え方の違い② お互いの妥協点

先日の投稿で紹介したデパートへの企画提案の続きを紹介したいと思います。↓

授業の主題はAalto大学の学生がArt, People, Spaceをテーマにデパート(Kamp Galleria)へ企画を提案するというものでした。美術館やギャラリーの社会における教育的役割、社会と芸術の関わり方などを授業で学び、学んだことを活かして企画を提案すると言う内容です。
企画の始まりは、1887年から続く格式

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