マガジンのカバー画像

毎日読書メモ

543
運営しているクリエイター

2021年8月の記事一覧

このnoteについてなど(eneoの簡単な自己紹介とインデックス)

このnoteについてなど(eneoの簡単な自己紹介とインデックス)

(2021年8月28日これを記す)

noteを始めたのが2018年10月だったので、3年近くたちました。

昔はウェブ上のホームページで毎日日記を更新していて(ホームページビルダで書いていた)、その後SNSに移り(当初mixi、その後Facebook)、友達だけ公開で身近なことを書いているのですが、本の感想などは、友達以外にも読んでもらえるといいな、と思って、noteのサービスを使ってみることに

もっとみる
毎日読書メモ(91)派生本読書

毎日読書メモ(91)派生本読書

過去日記から何冊かの本を拾いあげてみた。

(2013/8/30)

派生本読書の楽しみ。
岸惠子『わりなき恋』(幻冬舎、現在は幻冬舎文庫)を読んでいたら、主人公が旅行先に「槍の小輔」を持って行く、というエピソードが出てきて、調べてみたら浅田次郎『天切り松 闇がたり』(集英社文庫)というシリーズものの中の1編だったので、現在ぼちぼち読み進め中。たぶんこういうきっかけがなかったら読んでなかった本かも

もっとみる
毎日読書メモ(90)『灰の劇場』(恩田陸)

毎日読書メモ(90)『灰の劇場』(恩田陸)

今日は、恩田陸『灰の劇場』(河出書房新社)を読んで過ごした。

先にムック「白の劇場」に目を通しており、その他の媒体でも色々情報が流れていたので、恩田陸が若い頃に新聞の三面記事で読んで、切り抜きも残していなかったのに忘れられないでいた、女性二人の飛び降り自殺について、小説に書いてみる過程を描いている、というのは知っていて読み始めた。

結末のわかっている物語を、何故その結末に向かったかという過程を

もっとみる
毎日読書メモ(89)桜庭一樹「少女を埋める」を最後まで読んだ

毎日読書メモ(89)桜庭一樹「少女を埋める」を最後まで読んだ

昨日、桜庭一樹「少女を埋める」をnoteで無料掲載しているところまで読んで、途中経過的感想を書いたのでその続き。

(ネタバレになっちゃいますので、未読の方はご注意を)

夕方散歩に出て「文學界」9月号買ってきた。noteには全体の約3分の2が転載されていたが、真ん中あたりからもう一度読み直す。

昨日わたしは「少女を埋める」を私小説と呼んだ。主人公(私)は冬子という名前を与えられているが、物語の

もっとみる
毎日読書メモ(88)「少女を埋める」(桜庭一樹)

毎日読書メモ(88)「少女を埋める」(桜庭一樹)

大昔、Twitterのアカウントを取った頃、特に何かがしたい、とか何の情報が欲しいとかいうこともなく、当時からアカウントを持っていた小説家を探してはフォローしていた。その中に桜庭一樹もいた。

桜庭一樹の小説は結構読んだけれど、一番好きなのは『赤朽葉家の伝説』(東京創元社、のち創元推理文庫)かな。その濃厚な物語の舞台は彼女の故郷でもある鳥取県西部をモデルとしている。

アカウントは持っていても、普

もっとみる
毎日読書メモ(87)『愛ふたたび』(渡辺淳一)

毎日読書メモ(87)『愛ふたたび』(渡辺淳一)

自分の過去の読書記録を調べていて、昔、日本経済新聞に渡辺淳一『愛の流刑地』が連載されていた頃、毎日、内容を突っ込むブログがあって、それを愛読していたことを思い出した。検索してみたら、にっけいしんぶん新聞、というブログは今でもあった! 「今日の愛ルケ」の初回ポストはこちら。出勤して、職場の日経新聞で「愛の流刑地」を読み、それからこのブログを見て、共に突っ込み共に笑っていた。なんでこんなに独りよがりで

もっとみる
毎日読書メモ(86)『探偵ガリレオ』『予知夢』(東野圭吾)

毎日読書メモ(86)『探偵ガリレオ』『予知夢』(東野圭吾)

2006年5月の日記より。東野圭吾は、当たり外れなく面白いので、時々誘惑に負けて本屋で買うけれど、どうしても消耗品っぽさがあり、でも、図書館で新刊を待っていると、他の本の予約が入れられず(なかなか順番が回ってこないので)、結果的にあまり新刊を追って読むことがなくなってしまった。福山雅治のドラマ「ガリレオ」は、ファーストシーズンが2007年10月~12月だったので、この日記を書いていた時点では、ガリ

もっとみる
毎日読書メモ(69)『金春屋ゴメス』(西條奈加)

毎日読書メモ(69)『金春屋ゴメス』(西條奈加)

前回の直木賞を『心淋し川』で受賞した西條奈加のデビュー作(第17回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作)、『金春屋ゴメス』(新潮社、のち新潮文庫)の感想を発掘したので再掲。

西條奈加『金春屋ゴメス』(新潮社)の続きが気になって最後まで読んでしまう。いかにも、日本ファンタジーのベル大賞をとった、という感じの作品。現在と過去が交錯する、「江戸」と「日本」の物語。ミステリーでもある。(以下ネタバレ)現

もっとみる
毎日読書メモ(80)『坂の上のグミ屋敷』(岡野薫子)

毎日読書メモ(80)『坂の上のグミ屋敷』(岡野薫子)

2006年の日記を読み返していたら、図書館で岡野薫子『坂の上のグミ屋敷』(岩波書店)を借りてきて読んだときのことが書いてあった。これはもはや図書館で読むか、古書店で探すしかない本なのだろうな。いい本だったので、残念。

『坂の上のグミ屋敷』岡野薫子・岩波書店。1972年に刊行された児童書。わたしはどうやら刊行直後に母に買ってもらったらしい。特定の地名として出てくるのは目黒川、東横線など。作者のあと

もっとみる
毎日読書メモ(85)『女が死ぬ』(松田青子)

毎日読書メモ(85)『女が死ぬ』(松田青子)

書評欄で勧められていた松田青子『女が死ぬ』(中公文庫)を、本屋で見かけて買って帰る。いやいや、痛快な読書でした。

一番短い作品は1ページ(というかタイトルだけ、の作品もあった!)、一番長い表題作でも15ページ、色んなアプローチの作品が取り揃えられているが、女性の生きにくさなんてくそくらえ、という通奏低音の流れる上に書かれていて、ふつふつとした怒りも感じられる。特に、「女が死ぬ」と「男性ならではの

もっとみる
毎日読書メモ(84)『ダーク』(桐野夏生)、『午前三時のルースター』(垣根涼介)、『All Small Things』(角田光代)

毎日読書メモ(84)『ダーク』(桐野夏生)、『午前三時のルースター』(垣根涼介)、『All Small Things』(角田光代)

2006年5月~6月に読んだ本を、日記の中から掘り返してきた。記録することで読んだことを忘れないようにしたい、と思っているが、15年前の読書、殆ど記憶がないことを追認しているだけのような気もする。人は忘却の生き物だね。それでも読んだことのかけら位はわたしの中に残っているのではないかと信じて生きる。

桐野夏生『ダーク』(講談社、講談社文庫化されたときに上下分冊に):図書館で借りてきた桐野夏生『ダー

もっとみる
毎日読書メモ(83)『サキの忘れ物』(津村記久子)

毎日読書メモ(83)『サキの忘れ物』(津村記久子)

数日前に『サキ短編集』の話を書いたが(ここ)、その後じっくり味わいながら、津村記久子『サキの忘れ物』(新潮社)読了。本当に愉しかった。

発表媒体もばらばらで、テイストもそれぞれ全然違う9編の短編小説。それがどれもどれも面白くて。

(以下、内容に踏み込んだ紹介になるので、読む楽しみをそがれたくない方はご注意ください)

サキの忘れ物:居場所が見つけられないでいた若い女性が、ふとしたきっかけで本を

もっとみる
毎日読書メモ(82)『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子叫んでもいいですか』(辛酸なめ子)

毎日読書メモ(82)『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子叫んでもいいですか』(辛酸なめ子)

気軽に読んで、ハハハ、と笑いたいな、と思って、図書館で目に付いた辛酸なめ子『タピオカミルクティーで死にかけた土曜日の午後 40代女子叫んでもいいですか』(PHP)を借りてきた。タイトルと表紙のインパクト半端ない。テーブルの上に置いていたら家族がみんな食いついてきた。

今まであんまり辛酸なめ子って読んだことなくて、確か『女子校育ち』(ちくまプリマー新書)しか読んでないかも。しかし『女子校育ち』が代

もっとみる
毎日読書メモ(81)『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』(新井潤美)

毎日読書メモ(81)『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』(新井潤美)

2006年6月の日記を読みながら、何日かかけて、新井潤美『機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』(平凡社新書)(版元品切れの模様)を読んだときの断片的な感想を拾い集めてみる。

新井潤美『不機嫌なメアリー・ポピンズ―イギリス小説と映画から読む「階級」』(平凡社新書)を読み始める。イギリス社会に厳然と存在するクラス、というものが、文学及びそれを映像化した作品の中でどのように表

もっとみる