見出し画像

毎日読書メモ(69)『金春屋ゴメス』(西條奈加)

前回の直木賞を『心淋し川』で受賞した西條奈加のデビュー作(第17回日本ファンタジーノベル大賞大賞受賞作)、『金春屋ゴメス』(新潮社、のち新潮文庫)の感想を発掘したので再掲。

西條奈加『金春屋ゴメス』(新潮社)の続きが気になって最後まで読んでしまう。いかにも、日本ファンタジーのベル大賞をとった、という感じの作品。現在と過去が交錯する、「江戸」と「日本」の物語。ミステリーでもある。(以下ネタバレ)現代文明と隔絶した「江戸」に持ち込まれていた、致死率100%近い細菌兵器。唯一の生還者が自分のはっきりしない子ども時代の記憶をよすがに、核心に迫っていく。主人公辰次郎のキャラが今ひとつ立っていないので、彼の正義感とかが今ひとつリアリティを持って受け入れられにくいのだが、でも、主人公は辰次郎じゃなくて、ゴメスなのか? すごく強烈なんだけど、ゴメス自身についての謎は殆ど隠されたままで、これってどれだけでも続編が書ける? まだ読んでみたいねぇ。(2006年6月)


#読書 #読書感想文 #西條奈加 #金春屋ゴメス #日本ファンタジーノベル大賞 #心淋し川




この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?