ダニエル

ダニエル

記事一覧

なんて楽しいんだ

4月の最終日、私は球場でプロ野球観戦をしていました。一球一球、一つ一つのプレーに夢中だったその瞬間に知らせを目にしました。詩人として画家としてご活躍されてきた星…

ダニエル
7日前
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苦しむ幸せ

よろこびが集ったよりも 悲しみが集った方が しあわせに近いような気がする 強いものが集ったよりも 弱いものが集った方が 真実に近いような気がする しあわせが集ったよ…

ダニエル
2か月前
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天国からの就職祝い

「あんたが一番頼りになるんや、元気でな」 亡き祖父が生前最期に私にかけてくれた言葉だ。その言葉の2時間後には倒れてしまい帰らぬ人となった。 その頃のおじいちゃん…

ダニエル
3か月前
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こんなことがあった

こんなことがあった。 喘息の療養のためにスイミングスクールに入るも水が怖くてプールに入ろうとしなかった。 こんなことがあった。 年中で体操教室に入るも脚の筋肉が無…

ダニエル
3か月前

一期一会

7月の丸1ヶ月間を病院で過ごした。しんどい1ヶ月だった。でも、一生ものの出会いもあった。 その人は、僕よりも一回りほど歳上。僕よりも少し前から入院していた。毎晩の…

ダニエル
3か月前
1

過ぎてしまったことは仕方ない

私はミスを起こしてしまうと落ち込みが激しく、立ち直りに時間がかかる。だからか、間違いを起こしてしまった時に次のような声かけをされることがある。 「過ぎたことを悔…

ダニエル
3か月前
4

擬似体験

かなり久しぶりの投稿になってしまった。教員の仕事やプライベートのことでいっぱいいっぱいだったために投稿できなかったのだが、ふと思った。 なぜ、こんなにいっぱいい…

ダニエル
3か月前
4

移行

「あなたは今笑えてますか? どんな息をしてますか? 人混みに強がりながら「負けない」ようにと歩いているんだろう」 (塩田フミヤ「花になれ」) 小学校4年生で教室に入…

ダニエル
7か月前
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無音

「黙っていても日々は続く レコードが無音で回るみたいに かっこわるくないよ 電源を切らずにいられれば」 (住野よる「無音が聴こえる」) 365日もあれば一年のうちの大…

ダニエル
7か月前
4

実践

「やってみて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」 (山本五十六 1884〜1943) 私は義務教育の9年間の中で、小学校3年生の時が一番楽しかったです…

ダニエル
7か月前
1

生きる意味

「なんのために生まれて なにをして生きるのか  こたえられないなんて そんなのはいやだ!」 (やなせたかし アンパンマンのマーチ) 幼稚園に入る少し前くらいの私は、…

ダニエル
7か月前
5

イデアと自分

「理想をもっているからこそズレに気づける」 三角形が目の前に描かれているとします。目前の描写が三角形であると認識できるのは、私たちが三角形という図形の存在や概念…

ダニエル
7か月前
5

理想と拒絶

「学校に行かないとと思うのですが、行こうとすると吐き気がします」 高校で勤務している私は、そのような生徒さんの悩みの声を耳にすることがあります。不登校に陥ってい…

ダニエル
7か月前
1

出会いは偶然

「ダニエルさんは国語の点数が良かったので高校国語をどんどん担当してもらいたいです」 24歳の時、塾講師として初めて教育業界に足を踏み入れた時に告げられた言葉です。…

ダニエル
7か月前
1

なんて楽しいんだ

4月の最終日、私は球場でプロ野球観戦をしていました。一球一球、一つ一つのプレーに夢中だったその瞬間に知らせを目にしました。詩人として画家としてご活躍されてきた星野富弘さんがお亡くなりになられたという知らせを。自分で自分の頭や顔から血の気のようなものが引いていく感覚がしました。10年前の大学生時代に星野さんの詩を合唱として歌うようになってから、星野さんの詩、自叙伝、絵画に励まされてきた私にとって、そ

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苦しむ幸せ

よろこびが集ったよりも
悲しみが集った方が
しあわせに近いような気がする

強いものが集ったよりも
弱いものが集った方が
真実に近いような気がする

しあわせが集ったよりも
ふしあわせが集った方が
愛に近いような気がする

星野富弘『よろこびが集ったよりも』

私のお気に入りの詩。通勤の道中、この詩をテキストにしたコーラスをよく聴いている。

ところで、私は23年の7月にストレス性適応障を患った。

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天国からの就職祝い

天国からの就職祝い

「あんたが一番頼りになるんや、元気でな」

亡き祖父が生前最期に私にかけてくれた言葉だ。その言葉の2時間後には倒れてしまい帰らぬ人となった。

その頃のおじいちゃんは、認知症の影響もあって孫である私を実の息子と勘違いすることもよくあった。でも、最期の言葉の時は、昔の力強いおじいちゃんの瞳だった。

当時、私は15歳、中学3年生だった。本当になにもできない、か弱い中学生だった。それから13年が経過し

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こんなことがあった

こんなことがあった。
喘息の療養のためにスイミングスクールに入るも水が怖くてプールに入ろうとしなかった。
こんなことがあった。
年中で体操教室に入るも脚の筋肉が無さ過ぎてジャンプすらままならなかった。
こんなことがあった。
なんとなく入った公文のおかげで計算と国語が得意になった。
こんなことがあった。
小学校の時の恩師と同じ職に進み、同じ趣味に目覚め、卒業10年後に再会を果たした。
こんなことがあ

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一期一会

7月の丸1ヶ月間を病院で過ごした。しんどい1ヶ月だった。でも、一生ものの出会いもあった。

その人は、僕よりも一回りほど歳上。僕よりも少し前から入院していた。毎晩のように人生について語った。退院できたとしても復職の勇気がなかった僕の背中を押してくれた。おかげさまで復職を果たした。

彼とは連絡先を交換しなかった。だから、退院した今、再会のチャンスはない。二度と会う機会はないだろう。でも、お互いにお

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過ぎてしまったことは仕方ない

私はミスを起こしてしまうと落ち込みが激しく、立ち直りに時間がかかる。だからか、間違いを起こしてしまった時に次のような声かけをされることがある。

「過ぎたことを悔やんでも仕方ないよ」

一種の励ましのように言ってもらうことが多い。

しかし、このフレーズをミスをした人が自ら
「過ぎたことをどうこう言っても仕方がないので」
と使うと、お前が言うな、反省しろなどと説教のタネになってしまうだろう。どうい

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擬似体験

かなり久しぶりの投稿になってしまった。教員の仕事やプライベートのことでいっぱいいっぱいだったために投稿できなかったのだが、ふと思った。

なぜ、こんなにいっぱいいっぱいにならなければならないほどに仕事をするのか、プライベートなことでまで苦しむのか と

前者に関して自分なりに問いが解けた。生活のためには仕事が必要で、キャパや能力に自信がない自分が仕事をこなすためにはいっぱいいっぱいにならざるを得な

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移行

「あなたは今笑えてますか? どんな息をしてますか? 人混みに強がりながら「負けない」ようにと歩いているんだろう」
(塩田フミヤ「花になれ」)

小学校4年生で教室に入りにくくなった私は、5年生に進級してクラスと担任が変わっても、登校することやクラスに入ることに対して拒絶反応を抱え続けていた。教室に入らなくなった発端は、前回記した通り、給食の際のルールという今思えば些細なものであった。しかも、進級時

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無音

「黙っていても日々は続く レコードが無音で回るみたいに かっこわるくないよ 電源を切らずにいられれば」
(住野よる「無音が聴こえる」)

365日もあれば一年のうちの大部分の日が、前進もなく後退もない、平凡な現状維持の日であるように私個人は感じる。そして、その現状維持の時間は、のんびりと幸福感に包まれて送れるものの時もあれば、苦しく耐え忍ばなければならない時もあるように思う。しかし、どんな時でも、

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実践

「やってみて、言って聞かせて、させてみて、ほめてやらねば、人は動かじ」
(山本五十六 1884〜1943)

私は義務教育の9年間の中で、小学校3年生の時が一番楽しかったです。その年の担任の先生の指導方針のようなものが、自分にピッタリと合っていたからです。その先生は、宿題や課題を大量に出す上に、漢字の書き取りが一文字でも間違っていれば再提出というとても厳しい先生でしたが、私にはそのスパルタさが心地

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生きる意味

「なんのために生まれて なにをして生きるのか
 こたえられないなんて そんなのはいやだ!」
(やなせたかし アンパンマンのマーチ)

幼稚園に入る少し前くらいの私は、自分の生きる意味が分からずにいました。家事をする母、仕事に向かう父、小学校に行く姉には自らの役割が与えられていて、それぞれがかっこよく任務に励んでいるのに対して、自分はただぼーっとアニメを見たり、生産性のない遊びをしたりしているようで

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イデアと自分

「理想をもっているからこそズレに気づける」

三角形が目の前に描かれているとします。目前の描写が三角形であると認識できるのは、私たちが三角形という図形の存在や概念を知っているからです。頭の中に知識として備わっている三角形のイメージと目前に描かれている図形とが一致することで、目前のものは三角形だと判断することができるわけです。また、私たちが頭の中で描く三角形のイメージは直線が3本で内角の和が180°

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理想と拒絶

「学校に行かないとと思うのですが、行こうとすると吐き気がします」

高校で勤務している私は、そのような生徒さんの悩みの声を耳にすることがあります。不登校に陥っている生徒さんや登校に負担を覚える生徒さんの多くは、学校は行くべきところであると認識していて、学校に行きたい・行かなければならない、なのに身体が拒絶してしまって行けないという悩みを抱えているようです。登校したいという意欲があり、登校はするべき

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出会いは偶然

「ダニエルさんは国語の点数が良かったので高校国語をどんどん担当してもらいたいです」

24歳の時、塾講師として初めて教育業界に足を踏み入れた時に告げられた言葉です。教えるにあたって一番自信があったのは中学生の英語だったので、やっていけるかなと不安になりました。しかし、受験生に負けないエネルギーでこちらも国語に向き合い、たくさんの評論文や小説、古典作品と出会い、結果的にさまざまな思想や人間模様を知る

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