一期一会

7月の丸1ヶ月間を病院で過ごした。しんどい1ヶ月だった。でも、一生ものの出会いもあった。

その人は、僕よりも一回りほど歳上。僕よりも少し前から入院していた。毎晩のように人生について語った。退院できたとしても復職の勇気がなかった僕の背中を押してくれた。おかげさまで復職を果たした。

彼とは連絡先を交換しなかった。だから、退院した今、再会のチャンスはない。二度と会う機会はないだろう。でも、お互いにお互いのことを一生忘れないと言い合ってお別れした。

復職を果たし、もとの生活に戻った今、たまに彼のお名前が思い出せなくなることがある。一生忘れないと約束したのに、一生もののお世話になったのに、忘れたくないのに、顔が浮かんでも名前がついてこないことがある。申し訳なさが募る
忘れてしまうことが寂しい、いつか完全に思い出せなくなってしまうのではということが怖い。それにしても、入院なんて封印したいくらいの辛い記憶なはず。その中にそんな素敵な一幕があるのが幸せ。お名前が思い出せなくても、経験は忘れない。お元気にされてますか?


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