致良知。良知を致すことこれが陽明学における知行合一です。良知は天理の照明霊覚なる処であり心の虚霊明覚なる本体です。造化の精霊でもあるため草木瓦石も良知であると伝習録に書かれています。風雨露雷、日月星辰、禽獣草木、山川土石は人と一体なる良知の発露です。見性成仏する禅と同じ修行です。
知行合一。知識を行動に移せば良いという単純なものではありません。知行の知とは良知のことです。良知は造化の精霊であり人にあっては言わば魂のような霊的存在です。この良知を致すことが本当の知行合一です。人は誰でもこの良知を持つていて致良知によって聖人になれるとしたのが陽明学の本質です。