青木マーキー

ミーティング・ファシリテーター。家族会議から国際会議まであらゆる話し合いの進行をお引き…

青木マーキー

ミーティング・ファシリテーター。家族会議から国際会議まであらゆる話し合いの進行をお引き受けします。淡路島在住、48才。趣味は落語、散歩、山伏修行。 www.aokiworks.net

マガジン

  • ファシリテーション 一日一話

    仙台に出張するときに飛行機が遅延して、そのおかげで書き始めた「ファシリテーション」の連載です。会議ファシリテーターとして全国各地にでかけ家族会議から国際会議まで、様々な分野の話し合いを進行する上で感じたことを綴ります

最近の記事

五感をフルに使って会議する

週末は、東京都美術館を拠点に活動するアート・コミュニケーターのみなさんと過ごした。とびラーと呼称されるこの人たちは、アートの扉を開くべく集った3年間の期間限定でボランタリーに活動する人たち。様々な世代・職業・得意技を持つ人が集い、研鑽しあい、アートを介したコミュニケーションや企画を次々と展開していく個性あふれる面白い人たちだ。 僕はこの方々に「グッドミーティング=よい会議につくり方」を伝えに毎年伺っている。今回はちょうど視覚障害を持ったとびラ〜さんがいたので「会議では五感を

    • Must haveとNice to haveに分けて話そう

      神戸空港が近いので、よくスカイマークにお世話になる。この航空会社は必要充分なサービスを低価格で提供してくれる。機内誌を見ると社長のごあいさつページに「何をしないかを決める」という文が載っていて、さすがだな、と感じた。 マイページ開発秘話 長年のスカイマーク利用者が待望していた「マイページ」がどのように話し合われて開発されたかが記されている。というのもスカイマークはフライトの予約の旅に、フルネームと電話番号とクレジットカード番号をゼロから記入しないといけないので、ヘビーユー

      • 失敗を語れるか /ファシリテーション一日一話

        岐阜にオークビレッジという国産材・家具職人集団を立ち上げた稲本正さんのお話しをオンラインで伺った。御年79才になる先人は「自分が失敗した時の話なんだけど、、」とこんなことを語ってくれた。 日本語があまり上手じゃない人が連絡してきて「あなたと交流したい、自分の本の書評を書いてほしい」という類の連絡をしてきた。指定された本を読んでも、自分がイヤイヤ読んでいるせいか、あまり面白いとも思わず、とりあわないことにした。すると後日、ノーベル文学賞の受賞インタビュー映像が流れ、その方は、

        • コロコロ変えないでほしい  /ファシリテーション一日一話

          ある電機メーカーの技術者部門会議のファシリテーションをしたときのこと。それぞれに光、磁器、熱、バイオテクノロジーなどの専門分野を持つエンジニアたちは、会議室につくと同時にパソコンを開いて、もくもくと作業を始めていた。開始時間になり部門長が会議の主旨を説明する。ファシリテーターにバトンタッチとなったときに「もしかしたら、パソコンを閉じてもらって、紙に書いたり、立って話したりする時間が多いかもしれません」と伝達すると、大半の人は素直にパタンと画面を閉じてくれた。 いつものように

        五感をフルに使って会議する

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        • ファシリテーション 一日一話
          18本

        記事

          ドアを閉めて書け ドアを開けて書き直せ /ファシリテーション一日一話

          昨日は新刊『君の物語が君らしく』の出版記念インタビューだった。読書会のファシリテーションはよくやるのだが、友人や大切な知人が本を出したときは、その出版記念イベントの進行役みたいなことも、よくやる。僕はまぁ、雑食のファシリテーターみたいなものなので、会議ファシリテーションを専門にしながらも、結婚式の司会から、井戸端会議の進行までやるのだけど。とりわけ、本を出すというのは、その人にとって大事な節目になる。そういう場の進行をお手伝いできるのは、ファシリテーター冥利につきる。本を書く

          ドアを閉めて書け ドアを開けて書き直せ /ファシリテーション一日一話

          かけがえのない人と /ファシリテーション一日一話

          先日、亡き友人の一周忌イベントを仲間内で開催した。まだ50才という若さで亡くなった友を忍び、親しかった仲間や世話になった面々が集い、黙祷を捧げ、歌をうたい、酒を酌み交わした。僕はスライド・トークを担当した。亡くなった彼が大学院時代に書いた修士論文を読み解く、というチャレンジだ。「文系の修士論文だったら読めるだろう」と、たかをくくっていた僕の予想を大きく外れ、内容は難解で苦戦を強いられた。一文目から書いている意味がさっぱりわからず、辞書や検索エンジンのお世話になって、必死になっ

          かけがえのない人と /ファシリテーション一日一話

          なるべくコントロールしない /ファシリテーション一日一話

          ある場の進行を終えて、帰路につく。その車内にて、参加者から「青木さんのファシリテーションは好きです。コントロールしようとしないから」というお言葉を頂いた。実のところ、ちょっと嬉しかった。僕がこの言葉を嬉しいと感じるのは、自分がそういうファシリテーターでありたいと願っているからだ。 逆に、また別の場で「マーキーは、ふだんはおちゃらけているのに<ここは大事>という場面では声色を変えている。洗脳的な声の出し方をするんだと思った」と言われた。これはちょっとショック。言われて腹が立つ

          なるべくコントロールしない /ファシリテーション一日一話

          100年後の未来を見据えて  /ファシリテーション一日一話

          この3日ほど、南方熊楠をテーマにした旅に出かけていた。熊野ゆかりの偉人が暮らした家を訪ね、ミュージアムをたっぷり巡り、彼が研究した森を歩き、お墓参りをした。南方熊楠が生きた時代は、明治・大正・昭和と激変する日本。若い頃にアメリカやイギリスに渡った彼は、市井の博物学者・民俗学者として知られ、粘菌研究なども行った。明治末期、政府の「神社合祀」政策が協力に進められると、これに怒る。数ある神社を統合・整理し、その森を伐採する動きは、実のところ日露戦争でかさんだ戦費を補うためという理由

          100年後の未来を見据えて  /ファシリテーション一日一話

          対話とは何か? /ファシリテーション一日一話

          まーぼー、こと古瀬正也さんが開催した「対話についての理解を深める会」に参加した。といっても、夜9時からの開催だったので開始5分で寝落ちして、アーカイブ視聴に切り替えた。夜は苦手なのだ。まーぼーは、多読家で、かなりの本を読む。難解な本にもチャレンジするタイプで、僕が「これ難しくて読みにくいなぁ、けど読みたいな」と思った本は、大抵読んでいる。で、彼に教わるとなんとかガイドを得ることができ、読み進められたりする。新幹線移動の時間をみつけて、アーカイブ動画を視聴した。 パウロ=フレ

          対話とは何か? /ファシリテーション一日一話

          法螺貝合宿やります@淡路島 10月19-20日 〜法螺吹きになれる2日間〜満席御礼

          ヴオーンと鳴らすと、山が呼応する みなさん、こんにちは。淡路島在住のファシリテーター、青木マーキーです。趣味は落語・散歩・素潜り・山伏修行です。え、山伏? そう山伏です。 10年ほど前からやっている山伏修行はとくに面白く、法螺貝を持って山を歩いたり、遙拝したり、滝行したり。言葉少なく自然と向き合う時間に自分自身が整ってゆくのを感じます。どんなに困難な会議ファシリテーションの仕事があっても、心揺れずに進行できるのは、山伏修行のおかげといって過言ではありません。 このあいだ

          法螺貝合宿やります@淡路島 10月19-20日 〜法螺吹きになれる2日間〜満席御礼

          どんな舟に見えますか? /ファシリテーション一日一話

          あるNPOの会議進行をお引き受けした時のこと。15年かけて育ててきた組織も、そろそろ転換期。設立者がバリバリに働ける年齢から逆算しても、ここ5-10年で、組織を転換させる必要のあるタイミングに見えました。 みんなで絵を描いて話そう そこで今回は舟にたとえるワークを取り入れることにしました。「皆さんが参加するこの団体は、舟にたとえると、どんな感じでしょうか?」と問いかけ、全員に絵を描いてもらうのです。すると、15人いた参加者が、それぞれに筆を進めます。なかには、楽しそうなカ

          どんな舟に見えますか? /ファシリテーション一日一話

          身体感覚を研ぎ澄ます /ファシリテーション一日一話

          瞑想やマインドフルネスの実践家であり研究者の藤野正寛さんのお話しをオンラインで伺った。ファシリテーターとして手がけている仕事のうち、今の段階だと1-2割がオンラインの仕事になる。オンラインだとどうしても限界がある、と思っていたのは単なる僕の思い込みで「おぉ!ここまでいけるんだ」と驚愕した。森の案内人・三浦豊さんといっしょに4年間開催してきた「みんなの森のサロン」でのひとコマ。 レーズンひと粒を用意してください オンラインのセッションが始まる前に、藤野さんからこんな声がかか

          身体感覚を研ぎ澄ます /ファシリテーション一日一話

          会議で話が長い人には、どう対応したらいいのか? /ファシリテーション一日一話

          昨日はある地域の中間支援組織からご依頼のあったファシリテーション講座の打合せ。地域活動や市民活動を進める上で、どのように会議進行をするかは、日々の悩みだ。この組織では毎年夏にファシリテーション講座を開催しているようで、参加者からよく出る質問のひとつが、表題の「話が長い人対策」とのこと。 この質問、古今東西・組織の種類も問わず、よく出る質問だ。年長者を重んじる日本や東アジア特有なのかなと思いきや、ベトナム人や、ケニア人、アメリカ人にも同じ質問をされたことがある。「うちの集落の

          会議で話が長い人には、どう対応したらいいのか? /ファシリテーション一日一話

          人物を旅する /ファシリテーション一日一話 10

          旅をするのが好きだ。全国各地に出かけていって会議のファシリテーションをするのが本職なのは、どこへ移動するのも全く苦にならないからだと思う。むしろ好き。仕事の時は一人で移動することが多い。初めて行く土地のことを調べたり、宿をとったり、交通経路を探るのは、もはや喜びでもある。 一人で旅するだけでなく、集団での旅を企画するのも、昔から好きだった。学生のころから、環境問題のスタディツアーなどを企画して、アメリカにいったりフィリピンに行ったりしてきた。テーマを決め、行程を組み、旅の仲

          人物を旅する /ファシリテーション一日一話 10

          ファシリテーターは図書館にも来て頂けますか? /ファシリテーション一日一話 9

          子どものころから校長室が好きだった。どこか異質なものを抱えた僕は、あまり同世代と話が合わず、どちらかというと年配の先生と仲良くなるのが常だった。校長先生がオープンな人柄のときは、僕のような学生が顔を出しても、喜んで迎えいれてくれた。校長室には変な彫刻とか、誰か偉い人の書とか、難しそうな本が並んでいて、ソファも立派で好きだった。校長室で論語や仏教や社会問題の話をして盛り上がる、そんな感じの子ども時代を経た僕は、いまだに校長室が好きだ。 娘や息子が世話になった小学校でPTAの役

          ファシリテーターは図書館にも来て頂けますか? /ファシリテーション一日一話 9

          歯を食いしばりなさい  /ファシリテーション一日一話 8

          亡くなった母はとても厳しい人で、彼女に「そこに座りなさい、歯を食いしばりなさい」と言われた時は覚悟を決めたものだった。正座して相対し静かな時が流れる。じっと睨まれて、「今、なぜ怒られているかわかるか」という問答があって、ことの核心までいたったところで、バチンと平手打ちが飛んでくる。今になってみると、当時小学生の自分が何をやらかして叱られたかのかは、さっぱり覚えてないのだが、そうやって平手打ちされた記憶はよく残っている。ちなみにこれは同級生たちもよく知っていて、ここは叱るべきタ

          歯を食いしばりなさい  /ファシリテーション一日一話 8