出会いは偶然

「ダニエルさんは国語の点数が良かったので高校国語をどんどん担当してもらいたいです」

24歳の時、塾講師として初めて教育業界に足を踏み入れた時に告げられた言葉です。教えるにあたって一番自信があったのは中学生の英語だったので、やっていけるかなと不安になりました。しかし、受験生に負けないエネルギーでこちらも国語に向き合い、たくさんの評論文や小説、古典作品と出会い、結果的にさまざまな思想や人間模様を知ることができました。偶然巡ってきた国語という科目によって、私の見聞が多少は深く広いものになりました。

「ダニエルさんには来週から政治経済と倫理を担当してもらいます」

27歳で高校に就職した際に宣告されたものです。私の大学時代の専攻は日本史で、公民に属する上記2科目については素人中の素人でした。とりあえず、教壇に立つからには最低限の知識は知っておかないとと教科書を読み漁るところから勉強を始めたのですが、次第にその2科目にもどっぷりハマり、今では哲学関係の書物にも少しずつ手をつけるようになりました。

私は、小学校4〜中学校3年生まで人間関係に悩み、心身を壊して保健室・別室登校をしていました。高校は通信制高校を選択しました。なぜこんな目に遭うのか、なぜ自分はこうも情けないのかと自分で自分を苦しめたことは数知れずで、今でもストレスによる心身の不調に陥ることがあります。しかし、そんな時にそっと助けてくれる存在の一部として本やさまざまな思想を挙げることができます。「偶然」出逢った国語や倫理が、苦しむ私を支えてくれています。「偶然」というものを大事に生きていきたい、そんな気持ちを形に残すべく、しばらくはこのnoteを活用しながら考えを深めていきたいと思います。
よろしくお願いします。

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