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小柳とかげ
2021年9月12日 17:40
僕は雨に打たれてる。傘を持たずに、1人歩く。ザーザーと降っていた雨が緩やかになって、途絶えたその後のポツポツと体のバリアの外に弾かれるぐらいの雨粒に気持ちよさを感じたのだった。雨が降り出した時のプールを思い出した。水の中に入っていれば、雨は冷たくもない。もっと入っていたかった。外に出たら寒くなってしまう。ぬるい雨に纏われるのが嫌で、僕は限界まで潜っていた。それでも、スピーカーからはプールから
2021年9月6日 19:30
尽きた命の音がしたカシャっと乾いた音死んだ命を踏んだこの足に罪はある【写真詩集『はみ出す青』のボツ作】掲載するつもりで作ったけど、微妙だ!と思ったのでこちらで供養です。好きだけど!!ちょっと単語が無意味に繰り返されてる感じがします。純度が低い……そしてこれもsampleで兄が作ってくれた表紙案です。これもとても素敵ですが、ちょっと水色過ぎるかなと!思って!リテイク出したらより良
2021年9月1日 18:35
流れる街は、夏終わり感じた思いももう終わる叶うはずだった願いは、遠い過去夏ってそういうものだよとあの子は言った人は何かを諦めて新しい季節に順応する雲も空気も何もかも昨日までとは違うものを抱きしめるこことあそこはもう違う君と僕ももう違う愛するものはみな同じあの空がこの空気が変わったことに気付いたら僕に教えてくれないかきっとそのときあなたの中で息衝くから
2021年8月24日 20:20
もう終わるらしい夏休みの空を見ることなく部屋の中ひとりぼっちで吸う息にとくとくと輝いた愛のなさめぐる命の空き箱は何かを思わすことも無いさおさおさお竹の音がどこからか聞こえるのさおさおさおまた聞こえるそれは猫の悲鳴をかき消すためにマスクから開放され入ってくるのは青の音侵食していくその色はまぶたの裏に焼き付いた
2021年7月31日 20:42
午睡の夢の色をしていたその空を僕は目をつぶって感じてる吸った息に含まれた純粋な色彩は僕の体内全部を染め上げた色の着いた空気はちるちると音を立てる宇宙を感じるその色をきっと火星人も見ているに違いない僕の世界はピンクとも撫子色とも石竹色とも言いたくない色で満たされた命よ君よ、僕をありがとう
2021年7月20日 22:34
進行方向に向かって座ったまま何キロで進んでいるかも分からないで、目的地に行こうとする。そんな私と同じようにスマホをいじるだけの乗客もみな、いつの間にか半袖に衣替えをしていた。世界には黒と白しかないのかと思うぐらい彼らの服装は無彩色であった。色があるのは私だけなのか。多数に流される方がきっと楽だ。でも、私は色が好きだ。夏の毒々しいほどの名前の知らない赤い花とか、遊びに行くからと玄関に投げ捨てられ
2021年7月19日 20:21
私は今、蚊に刺されている。左の肘に少しの痛みを感じたから目をやると細い足と胴、そして翅がそのサイズよりも存在感を表していた。すぐに腕を動かすと消えた。ぎりぎり噛まれていなかったのだろう。だけど、先の痛みを意識してしまって、痒くなってきた気がする。気の所為かもしれないけど、痒い気がする。こそばゆくて、痛い。私はきっと思い込んでいるだけ。痛みを作り出しているだけでしかないんだろう。今もずっとジーっ
2021年7月18日 23:07
何を思っている訳でもないのだけど、私はそっと街を眺めていた。夏の涼しさを感じながら、自転車で駆け巡る。髪が風に吹かれて、私は一人声を出して笑ってみた。ハハハ、なんだか愉快な気持ちになってきた。空の青さはどこまでも優しくて、命が沸き立つのが分かる。雲はきっと滑らかだ。生きてるって実感するのは何故なのだろう。夏が来るまではどこかぼやけたような気持ちがしていたということか。夏生まれの私は全身が水