雨宮汐

小説書いたり、作詞しています。 著書には、つむぎ書房「君を愛すと死にたくなる」 いるか…

雨宮汐

小説書いたり、作詞しています。 著書には、つむぎ書房「君を愛すと死にたくなる」 いるかネットブックス、電子書籍「儚火」「骨の髄まで愛」 作詞はVOCALOIDサークルAsteRhythmメインです。 https://www.youtube.com/@asterhythm905

マガジン

  • いるかネットブックス 電子書籍紹介ページ

    雨宮汐の電子書籍小説の紹介ページです。

  • 夜光虫が嗤う

    ホラーミステリー小説

  • 短編小説ページ

記事一覧

過去が僕を殺してくれない

今から載せる曲は、僕がある一人を想い続けて書いた歌詞の曲だ。 僕は死んだ彼女のために一年2000の詩を書いていた。 途中から数えてもないけど。 他に消化されない想いを…

雨宮汐
6日前
6

VOCALOID楽曲紹介「劣化少女」

はじめにこの楽曲「劣化少女」はAsteRhythmという、私が立ち上げた創作系VOCALOIDサークルの楽曲である。 AsteRhythmのことを書くのはのちのちとして、まずこの楽曲はデモ…

雨宮汐
9日前
5

小説紹介「水兵リーベ僕の船」

はじめにこちらはいるかネットブックスより販売予定の小説 「水兵リーベ僕の船」の紹介ページです。 販売後、販売サイトを随時更新していきます。 あらすじ臆病で内気な…

雨宮汐
9日前
2

小説紹介「beautifulworld」

はじめにこちらの小説beautifulworldは、 いるかネットブックスさまより販売予定の電子書籍の紹介ページです。 販売が始まり次第、販売サイト様のURLなどを貼らせていた…

雨宮汐
10日前
12

ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」②

「大丈夫?」  見上げると、女のその顔はもうあの肉食獣みたいに飢えた顔ではなくなっていた。  普通の、いや、年相応のあどけなさの残る女性らしい笑顔になっていた。彼…

雨宮汐
2週間前
8

ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」①

逢魔が刻、それは西の空に夕焼けの名残の赤が残っている時間のことを指す。 血を零したような夕焼けに照らされて、すれ違う人から微かに異様な香りが立ち込めてくる。 人で…

雨宮汐
2週間前
8

小説 咲かないまま眠る君へ

同い年の少年、伏見奏太に妹が生まれたと彼に手を引かれて家に招待された。興奮覚めあらぬ奏太の鼻息をうっとおしく思いながら、僕は初めて彼女と対面を果たす。 赤い顔を…

雨宮汐
3週間前
9

小説 恋という病 奇病シリーズ

「人を愛さなければよかった」  彼はそっと左目に触れる。涙が零れ落ちるはずのない義眼から、見えない涙があふれている。彼の感情は、感情を失った私の目には奇異でしか…

雨宮汐
1か月前
8

愛されることが価値だと思っていた

私は子供の頃に声が出なくなったことがある。 もちろん、病院には連れて行ってもらえず、かすれた声を出して話すと家族に笑われた。 そして声が出ないことで中学でいじめに…

雨宮汐
1か月前
12

手を差し伸べない人のことを理解した

心がまともなのは20代前半までで、あとはゆっくり何も感じなくなっていく。 そういったのは、元旦那さんである:( ;´꒳`;) そんなことあるわけがない。そう思っていたし、…

雨宮汐
1か月前
5

小説「oblivion」 プロローグ

 オートマタと呼ばれる半機械人間が作られたのは、半世紀も前のことだ。戦火による四肢の欠損の負傷者が多く出て、労働者確保が困難となり、新たに生み出された半機械人間…

雨宮汐
2か月前
5

小説「小夜曲」

 夕立の雨に服が濡れ、どっしりと重みの増す制服を絞っていた。バス停の頼りないトタン屋根に雨粒がたたきつける音だけが響いている。  薄暗がりの中、制服のスカートを…

雨宮汐
2か月前
7

フライパン茶わん蒸し

※写真はイメージです。 ①     たまご2個、白だし大さじ2杯、水300㏄を混ぜ合わせる。   ②     具材はお好みで、椎茸やエビ、カニカマ、かまぼこなどを切って…

雨宮汐
2か月前
4

詩 僕の世界の神様だった

君は下手な嘘をつく 僕はその嘘に付き合って 永遠に騙されたまま 屈託もなく笑っていた 嘘を真実にした 未来を今にした だからある、残してあった 命の繋ぎ目、君の…

雨宮汐
2か月前
5

詩 エビフライになりたい

エビフライになりたい 僕はエビフライになりたい アンモナイトでもいい 内側に顔を寄せ 何も見なくていいように 自分の腹だけ見ていたい 僕はきっとアルマジロ エビ…

雨宮汐
2か月前
4

考えてしまう(´ºωº`)

生きているとモヤモヤと何かを考えることを辞めれなかったりする(´・ω・`) 人と話していても頭のバックグラウンドで、もしあのビルが倒れてきたらどうやって生き残れば…

雨宮汐
3か月前
5
過去が僕を殺してくれない

過去が僕を殺してくれない

今から載せる曲は、僕がある一人を想い続けて書いた歌詞の曲だ。
僕は死んだ彼女のために一年2000の詩を書いていた。
途中から数えてもないけど。
他に消化されない想いを発散させる方法が思いつかなかった。
彼女は僕の神様で、たった一人の家族だった。
このnoteを見ている人ならわかるかもしれないけど、僕は女性だ。
弟が欲しかった姉に僕ということを強要されて、ついたくせだ。
彼女といたときは、いや、彼女

もっとみる
VOCALOID楽曲紹介「劣化少女」

VOCALOID楽曲紹介「劣化少女」


はじめにこの楽曲「劣化少女」はAsteRhythmという、私が立ち上げた創作系VOCALOIDサークルの楽曲である。
AsteRhythmのことを書くのはのちのちとして、まずこの楽曲はデモ曲を聴いたときから、運命を感じた、まるで自分の心情とマッチしていたのだ。
メロディーを聞いた瞬間から、歌メロが言葉を言っているように聞こえた。
そんな衝撃的な経験から私は聞こえるままに歌詞を書いた。

作曲家さ

もっとみる
小説紹介「水兵リーベ僕の船」

小説紹介「水兵リーベ僕の船」


はじめにこちらはいるかネットブックスより販売予定の小説
「水兵リーベ僕の船」の紹介ページです。
販売後、販売サイトを随時更新していきます。

あらすじ臆病で内気な少女、堂本 花は高校の入学式に倒れ、保健室で看病をしてもらったことがきっかけに保険医に恋をしてしまう。どこか愁いを帯び、不器用ながら優しい保険医にひかれていくうちに、彼が何かを抱えていることに気づく。
保険医が語る友人の話、自分の身に降

もっとみる
小説紹介「beautifulworld」

小説紹介「beautifulworld」



はじめにこちらの小説beautifulworldは、
いるかネットブックスさまより販売予定の電子書籍の紹介ページです。

販売が始まり次第、販売サイト様のURLなどを貼らせていただきますので、
お待ちいただけますと幸いです(*´ω`*)

あらすじ十七歳の女子高生、綾子。
彼女は五感を失い、次第に体の機能が低下していく難病にかかり、視力を失おうとしていた。せめて最後に色鮮やかな海を見たいと病院

もっとみる
ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」②

ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」②

「大丈夫?」
 見上げると、女のその顔はもうあの肉食獣みたいに飢えた顔ではなくなっていた。
 普通の、いや、年相応のあどけなさの残る女性らしい笑顔になっていた。彼女を初めて見たときは、その独特な雰囲気に圧倒され、自分よりずっと年上の女性だと思っていたけれど、実際は歳の変わらないのかもしれない。
今見ると十六歳ほどの、高校生になりたてという雰囲気の幼さを感じた。実際どうかわからないけれど。
「私は夜

もっとみる
ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」①

ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」①

逢魔が刻、それは西の空に夕焼けの名残の赤が残っている時間のことを指す。
血を零したような夕焼けに照らされて、すれ違う人から微かに異様な香りが立ち込めてくる。
人ではない、何かの匂い。踏みつぶした虫のような、どぶ川に流れる汚水のような、人の新鮮な血のような――。
そんな匂いを漂わせ、人ならざる者は時折見える者を誘そう。一瞬の瞬きの間さえも、彼らにとって影を落とすには十分すぎる時間。
逢魔が刻は人なら

もっとみる
小説 咲かないまま眠る君へ

小説 咲かないまま眠る君へ

同い年の少年、伏見奏太に妹が生まれたと彼に手を引かれて家に招待された。興奮覚めあらぬ奏太の鼻息をうっとおしく思いながら、僕は初めて彼女と対面を果たす。
赤い顔をした、まだ生まれたての女の子。
蒸し器から出した肉まんのように、柔らかく湯気を出しそうなほど温かな息を吐いて、ビー玉のような丸い目で、僕の顔を眺めていた。
澄んだ黒目と赤らんだ頬、作り物のようなのに確かに熱を感じる手を見て、夢の中にいるよう

もっとみる
小説 恋という病 奇病シリーズ

小説 恋という病 奇病シリーズ

「人を愛さなければよかった」
 彼はそっと左目に触れる。涙が零れ落ちるはずのない義眼から、見えない涙があふれている。彼の感情は、感情を失った私の目には奇異でしかなかった。
 その涙の一滴でも奪い取り、その一滴でも飲み干してしまえば、感情が伝染して私にも芽生えるだろうか、その重々しくも惹かれてやまない感情が。
 感情を失くし、機械が子供を産むこの時代に、人を愛する欲求に妙に惹かれるのは、どうしたこと

もっとみる
愛されることが価値だと思っていた

愛されることが価値だと思っていた

私は子供の頃に声が出なくなったことがある。
もちろん、病院には連れて行ってもらえず、かすれた声を出して話すと家族に笑われた。
そして声が出ないことで中学でいじめにあい、凍ったペットボトルで頭を殴られたり、空き教室に閉じ込められたり、万引きをしたと悪評を流されたりした。
そんな経験をしても、私は積極的に誰かを嫌う素振りなどを見せなかった。
それでも家庭環境よりはずっとマシだった。

誰もが自分に興味

もっとみる
手を差し伸べない人のことを理解した

手を差し伸べない人のことを理解した

心がまともなのは20代前半までで、あとはゆっくり何も感じなくなっていく。
そういったのは、元旦那さんである:( ;´꒳`;)

そんなことあるわけがない。そう思っていたし、実際現在に至っても、あんな破綻した人間に私はなっていない。

あの人を思い返すと、人間の弱さ、ずるさ、悪意の塊のようで、ひたすら自分のことばかりな人だった:( ;´꒳`;)
これは誇張表現に聞こえるかもしれない。けれど、私はこれ

もっとみる
小説「oblivion」 プロローグ

小説「oblivion」 プロローグ

 オートマタと呼ばれる半機械人間が作られたのは、半世紀も前のことだ。戦火による四肢の欠損の負傷者が多く出て、労働者確保が困難となり、新たに生み出された半機械人間の手術により、私は記憶の大半をなくし、半分機械の体となった。
 記憶の欠如は、疑問ばかり産み、名家の息女として生まれた私はお付きとして雇われたレオによく問いかける。
「星はきれいですね。でもどうして美しいと感じるのか、私にはわからないのです

もっとみる
小説「小夜曲」

小説「小夜曲」

 夕立の雨に服が濡れ、どっしりと重みの増す制服を絞っていた。バス停の頼りないトタン屋根に雨粒がたたきつける音だけが響いている。
 薄暗がりの中、制服のスカートを絞る妹が、ふいにこちらの視線に気づいて頬を赤らめる。その瞬間、変な意味で眺めていたわけではないのにこちらも頬に熱が集まってきた。
 梅雨はいつもこうだった。放課後、部活などに入らない不精な僕たちは帰宅部の名のもとにバスに乗り込んで、颯爽と帰

もっとみる
フライパン茶わん蒸し

フライパン茶わん蒸し

※写真はイメージです。

①     たまご2個、白だし大さじ2杯、水300㏄を混ぜ合わせる。
 
②     具材はお好みで、椎茸やエビ、カニカマ、かまぼこなどを切っておく。
 
③     茶わん蒸しの器に具材を入れ、最後に上に三つ葉を入れる。
 
④     茶こしなどで腰ながら①を流しいれ、アルミホイルでふたをする。
 
⑤     フライパンに茶わん蒸しの器の半分程度の高さまでお湯を入れ

もっとみる
詩 僕の世界の神様だった

詩 僕の世界の神様だった

君は下手な嘘をつく
僕はその嘘に付き合って

永遠に騙されたまま
屈託もなく笑っていた

嘘を真実にした
未来を今にした

だからある、残してあった

命の繋ぎ目、君のぬくもり
生き汚い僕の命も
君が生きた証なら

君はきっと太陽だ
温度のある唯一だった

それしか綺麗なものがなかった
僕の世界の

詩 エビフライになりたい

詩 エビフライになりたい

エビフライになりたい
僕はエビフライになりたい

アンモナイトでもいい
内側に顔を寄せ 何も見なくていいように
自分の腹だけ見ていたい

僕はきっとアルマジロ
エビフライにアンモナイト

僕は何も見たくない

眠れない夜の中に
夜空の絵の具に滲ませて

永遠に消え去って

考えてしまう(´ºωº`)

考えてしまう(´ºωº`)

生きているとモヤモヤと何かを考えることを辞めれなかったりする(´・ω・`)
人と話していても頭のバックグラウンドで、もしあのビルが倒れてきたらどうやって生き残ればいいんだろ、とか、もし友達の頭が爆発してバイオハザードみたいな化け物が出てきたらどうしよう。とか意味のわからないことを考えてしまいがちだ。
どうしてこんなに、考えることを辞めれないのか、と思い悩み、お薬を飲んでみたら幾分か頭の声が静かにな

もっとみる