雨宮汐

小説書いたり、作詞しています。 著書には、つむぎ書房「君を愛すと死にたくなる」 いるか…

雨宮汐

小説書いたり、作詞しています。 著書には、つむぎ書房「君を愛すと死にたくなる」 いるかネットブックス、電子書籍「儚火」「骨の髄まで愛」 作詞はVOCALOIDサークルAsteRhythmメインです。 https://www.youtube.com/@asterhythm905

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  • いるかネットブックス 電子書籍紹介ページ

    雨宮汐の電子書籍小説の紹介ページです。

  • 夜光虫が嗤う

    ホラーミステリー小説

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最近の記事

過去が僕を殺してくれない

今から載せる曲は、僕がある一人を想い続けて書いた歌詞の曲だ。 僕は死んだ彼女のために一年2000の詩を書いていた。 途中から数えてもないけど。 他に消化されない想いを発散させる方法が思いつかなかった。 彼女は僕の神様で、たった一人の家族だった。 このnoteを見ている人ならわかるかもしれないけど、僕は女性だ。 弟が欲しかった姉に僕ということを強要されて、ついたくせだ。 彼女といたときは、いや、彼女が生きていた時は、僕という一人称を使っていた。だからこそ、何か近しい気持ちの時は

    • VOCALOID楽曲紹介「劣化少女」

      はじめにこの楽曲「劣化少女」はAsteRhythmという、私が立ち上げた創作系VOCALOIDサークルの楽曲である。 AsteRhythmのことを書くのはのちのちとして、まずこの楽曲はデモ曲を聴いたときから、運命を感じた、まるで自分の心情とマッチしていたのだ。 メロディーを聞いた瞬間から、歌メロが言葉を言っているように聞こえた。 そんな衝撃的な経験から私は聞こえるままに歌詞を書いた。 作曲家さんとの出会いこの曲の作曲家「gumikunn」さんとの出会いは、アメブロだった。

      • 小説紹介「水兵リーベ僕の船」

        はじめにこちらはいるかネットブックスより販売予定の小説 「水兵リーベ僕の船」の紹介ページです。 販売後、販売サイトを随時更新していきます。 あらすじ臆病で内気な少女、堂本 花は高校の入学式に倒れ、保健室で看病をしてもらったことがきっかけに保険医に恋をしてしまう。どこか愁いを帯び、不器用ながら優しい保険医にひかれていくうちに、彼が何かを抱えていることに気づく。 保険医が語る友人の話、自分の身に降りかかる奇病ドッペルゲンガー症候群。自分の理想が具現化して自分の命を奪う病気に侵

        • 小説紹介「beautifulworld」

          はじめにこちらの小説beautifulworldは、 いるかネットブックスさまより販売予定の電子書籍の紹介ページです。 販売が始まり次第、販売サイト様のURLなどを貼らせていただきますので、 お待ちいただけますと幸いです(*´ω`*) あらすじ十七歳の女子高生、綾子。 彼女は五感を失い、次第に体の機能が低下していく難病にかかり、視力を失おうとしていた。せめて最後に色鮮やかな海を見たいと病院を抜け出し、冬の海に向かう。 冬の灰色の海を見ているうちに、自分がすべての感覚を

        過去が僕を殺してくれない

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        記事

          ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」②

          「大丈夫?」  見上げると、女のその顔はもうあの肉食獣みたいに飢えた顔ではなくなっていた。  普通の、いや、年相応のあどけなさの残る女性らしい笑顔になっていた。彼女を初めて見たときは、その独特な雰囲気に圧倒され、自分よりずっと年上の女性だと思っていたけれど、実際は歳の変わらないのかもしれない。 今見ると十六歳ほどの、高校生になりたてという雰囲気の幼さを感じた。実際どうかわからないけれど。 「私は夜光虫っていうの」  女は頬に血をつけたまま、可憐に微笑む。その頃にはあの異臭は消

          ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」②

          ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」①

          逢魔が刻、それは西の空に夕焼けの名残の赤が残っている時間のことを指す。 血を零したような夕焼けに照らされて、すれ違う人から微かに異様な香りが立ち込めてくる。 人ではない、何かの匂い。踏みつぶした虫のような、どぶ川に流れる汚水のような、人の新鮮な血のような――。 そんな匂いを漂わせ、人ならざる者は時折見える者を誘そう。一瞬の瞬きの間さえも、彼らにとって影を落とすには十分すぎる時間。 逢魔が刻は人ならざるものを呼ぶ。  子供ながらにぼんやりと覚えているのは、マンションの屋上に立

          ホラーミステリー小説「夜光虫が嗤う」①

          小説 咲かないまま眠る君へ

          同い年の少年、伏見奏太に妹が生まれたと彼に手を引かれて家に招待された。興奮覚めあらぬ奏太の鼻息をうっとおしく思いながら、僕は初めて彼女と対面を果たす。 赤い顔をした、まだ生まれたての女の子。 蒸し器から出した肉まんのように、柔らかく湯気を出しそうなほど温かな息を吐いて、ビー玉のような丸い目で、僕の顔を眺めていた。 澄んだ黒目と赤らんだ頬、作り物のようなのに確かに熱を感じる手を見て、夢の中にいるような気がした。生まれたての赤ちゃんというよりは、全てを見透かしているような達観した

          小説 咲かないまま眠る君へ

          小説 恋という病 奇病シリーズ

          「人を愛さなければよかった」  彼はそっと左目に触れる。涙が零れ落ちるはずのない義眼から、見えない涙があふれている。彼の感情は、感情を失った私の目には奇異でしかなかった。  その涙の一滴でも奪い取り、その一滴でも飲み干してしまえば、感情が伝染して私にも芽生えるだろうか、その重々しくも惹かれてやまない感情が。  感情を失くし、機械が子供を産むこの時代に、人を愛する欲求に妙に惹かれるのは、どうしたことか。  毒々しく広がる感情の波にのまれた時、私は果たして何を思うのだろうか。 震

          小説 恋という病 奇病シリーズ

          愛されることが価値だと思っていた

          私は子供の頃に声が出なくなったことがある。 もちろん、病院には連れて行ってもらえず、かすれた声を出して話すと家族に笑われた。 そして声が出ないことで中学でいじめにあい、凍ったペットボトルで頭を殴られたり、空き教室に閉じ込められたり、万引きをしたと悪評を流されたりした。 そんな経験をしても、私は積極的に誰かを嫌う素振りなどを見せなかった。 それでも家庭環境よりはずっとマシだった。 誰もが自分に興味がなく、姉がよく髪を掴んで引きずり回したり、なわとびで鞭ごっこと称し、体中になわ

          愛されることが価値だと思っていた

          手を差し伸べない人のことを理解した

          心がまともなのは20代前半までで、あとはゆっくり何も感じなくなっていく。 そういったのは、元旦那さんである:( ;´꒳`;) そんなことあるわけがない。そう思っていたし、実際現在に至っても、あんな破綻した人間に私はなっていない。 あの人を思い返すと、人間の弱さ、ずるさ、悪意の塊のようで、ひたすら自分のことばかりな人だった:( ;´꒳`;) これは誇張表現に聞こえるかもしれない。けれど、私はこれでも甘いと思うほど、あの人は弱い自分を守るためなら、どれほど自分に優しい人をも盾

          手を差し伸べない人のことを理解した

          小説「oblivion」 プロローグ

           オートマタと呼ばれる半機械人間が作られたのは、半世紀も前のことだ。戦火による四肢の欠損の負傷者が多く出て、労働者確保が困難となり、新たに生み出された半機械人間の手術により、私は記憶の大半をなくし、半分機械の体となった。  記憶の欠如は、疑問ばかり産み、名家の息女として生まれた私はお付きとして雇われたレオによく問いかける。 「星はきれいですね。でもどうして美しいと感じるのか、私にはわからないのです。ねぇ、美しさとは何から作られるものですか?」  満点の夜空の星が、光が届く前に

          小説「oblivion」 プロローグ

          小説「小夜曲」

           夕立の雨に服が濡れ、どっしりと重みの増す制服を絞っていた。バス停の頼りないトタン屋根に雨粒がたたきつける音だけが響いている。  薄暗がりの中、制服のスカートを絞る妹が、ふいにこちらの視線に気づいて頬を赤らめる。その瞬間、変な意味で眺めていたわけではないのにこちらも頬に熱が集まってきた。  梅雨はいつもこうだった。放課後、部活などに入らない不精な僕たちは帰宅部の名のもとにバスに乗り込んで、颯爽と帰宅する。  雨粒を吸い込んで重くなった制服越しに寄り添った彼女の体温を感じる。僕

          小説「小夜曲」

          フライパン茶わん蒸し

          ※写真はイメージです。 ①     たまご2個、白だし大さじ2杯、水300㏄を混ぜ合わせる。   ②     具材はお好みで、椎茸やエビ、カニカマ、かまぼこなどを切っておく。   ③     茶わん蒸しの器に具材を入れ、最後に上に三つ葉を入れる。   ④     茶こしなどで腰ながら①を流しいれ、アルミホイルでふたをする。   ⑤     フライパンに茶わん蒸しの器の半分程度の高さまでお湯を入れ、沸騰させてから火を止め、茶わん蒸しをいれて、中火から弱火の間ぐらいに火を調節し

          フライパン茶わん蒸し

          詩 僕の世界の神様だった

          君は下手な嘘をつく 僕はその嘘に付き合って 永遠に騙されたまま 屈託もなく笑っていた 嘘を真実にした 未来を今にした だからある、残してあった 命の繋ぎ目、君のぬくもり 生き汚い僕の命も 君が生きた証なら 君はきっと太陽だ 温度のある唯一だった それしか綺麗なものがなかった 僕の世界の

          詩 僕の世界の神様だった

          詩 エビフライになりたい

          エビフライになりたい 僕はエビフライになりたい アンモナイトでもいい 内側に顔を寄せ 何も見なくていいように 自分の腹だけ見ていたい 僕はきっとアルマジロ エビフライにアンモナイト 僕は何も見たくない 眠れない夜の中に 夜空の絵の具に滲ませて 永遠に消え去って

          詩 エビフライになりたい

          考えてしまう(´ºωº`)

          生きているとモヤモヤと何かを考えることを辞めれなかったりする(´・ω・`) 人と話していても頭のバックグラウンドで、もしあのビルが倒れてきたらどうやって生き残ればいいんだろ、とか、もし友達の頭が爆発してバイオハザードみたいな化け物が出てきたらどうしよう。とか意味のわからないことを考えてしまいがちだ。 どうしてこんなに、考えることを辞めれないのか、と思い悩み、お薬を飲んでみたら幾分か頭の声が静かになったりするので。一種の病気なのかもしれない。

          考えてしまう(´ºωº`)