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【現代詩】『苔の生すまで』

『苔の生すまで』赤黄緑紫

自分という名の密室で大麻栽培のようにむくむくと、自分だけの“可愛い”や〈綺麗〉を仕留めていく√飼い馴らしていく〆

悪阻に毒され嗚咽以外の生活が出来なくなった時に気づいたー(!)可愛い と 脈打つ鼓動や思わず呼吸を止めて ・綺麗・ と思えた心臓が
健康そのものだったということ

“可愛い”や〈綺麗〉を認めて生きる精力は明日を信じる生命とおんなじ∞成分で出来ていたのだー!

ーあれが足りないこれが足りない生きてゆけない√と暴れ 神経衰弱ずぶ濡れ君の心にも
「思う」という働き自体が既に駄座印だったのだという源泉が湧き
「暮らしている」という段階で立派な
繁栄クリエイティブの子孫なのだと躾できる母性が目映く芽生えた

見てくれよ、俺達は既に駄座印(でざいん)の温室で
こんなにも正直に恥ずかしげもなく
生かされてきたのだー!



仰向けになって見上げる夜空に点滴を繋ぎ、
まだ生きたいという潔さに溢れる
雑草の生い茂る心臓に鋭い針で生花したいと
〆心に誓える


あかきみどりむらさき
2020ねん

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