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サイバーかわいくない運命【ショートショート】
運命ほどかわいいものはない。だって、みんな君のことを考えてるから。「こうなる運命だったんだよ」って君が言うのが悪いんだよ。
買ってあげようと思っていたぬいぐるみが、気づけば販売終了になっていたり、あるいは「もう冷めちゃった」とか言ってる人にはプレゼントあげちゃったり。それはそういう運命なんだって、わたしは思うことにしている。
出会うべくして出会った何か。出会わざるべくして出会わなかった何か。そ
悔しい【ショートショート】
私がとても悔しいのは、その人が、私の好きな人と仕事をしていたからです。醜い恋煩いにおける邪悪な嫉妬と同じであったので、私は私が余計に醜く思えました。
私はその人を知っています。何年も前から、一方的に知っています。これは片想いのように清々しいものではなく、冷笑的な一方通行でした。彼の音楽は商業主義的で短絡的であったので、内心で小馬鹿にしていたのです。私はその人の知名度と人気を羨んでいました。羨んで
私はなにも知らない【ショートショート】
家族は、学習机の下に置いて行こう。そして、またこの家に帰ってこれたなら、そのときは、ぎゅうっと抱きしめてあげよう。
夜中だから、そんなことを考えている。布団の中で、そのぬいぐるみを抱きしめて、今日も眠れない。
当時、私は大阪にいた。
同級生は、「廊下が斜めになった」という感覚があったらしいが、私には何も感じられなかった。
小学校から帰ったらテレビが点いていた。おんなじ映像が流れ続けていた。そ