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エッセイ

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2023年4月の記事一覧

夏目漱石『こゝろ』

夏目漱石『こゝろ』

夏目漱石の『こゝろ』。
読み進めるのが遅い私だけれど、割と一気に読み終わった。それぐらい面白かったのだと思う。
有名な作品。だからこそ、きっと文学的にも優れているのだろうし、私なんかが改めて「面白かった」だなんて言う必要もないと思うのだけれど。

ただ、読後感というのか、読み終わった後の私は大変だった。物語の世界から全然抜けられなかった。なんというか、人間のただ綺麗なだけではない感情や精神の根本だ

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季節の途中

季節の途中

このところ、身体の不調に囚われている。
持病のリウマチが再燃したのか?と疑う反面、季節の変わり目のせいかとも思う。

昨年の5月には、近くの公園でピクニックをしたから、今年もするぞとワクワクしていたのに、春を楽しみきれないまま、低空飛行モードになってしまった。

身体が重く、疲労感がなかなか取れない。
散歩と軽い運動を習慣にしているのに、それも気が乗らなくなってきた。
最近少し忙しくしていたので、

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春眠としくじり

春眠としくじり

しまった。機会を逃してしまった。
私は飛び起きた。

昨晩は珍しく、
夜中一度も目覚めずに
今朝まで眠り続けることができた。

またずいぶん寝汗をかいていたけれど、
眠れたことの方が嬉しかった。

起きて朝食を済ませてからも、
まだ眠い。
結局うたた寝をし、そのまま正午まで。

しまった。
目を開けたか開けていないか、
意識があったかそうでないか、
という夢と現実の隙間で気がついた。

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憧れの君

憧れの君

とある画家がある朝、起き出したかと思ったら一気に白いキャンバスに色を置いていく。そんな風に、目覚めたら世界が一気に春になっていた。

冬が嫌いというわけではないけれど、春になると、ようやく会いたい人に会えた様な気持ちになる。わくわくするとか、ときめくとか、そういった気持ちに自動的になる。

春ってどこか特別で、主役級の華やかさがあるけれど、でも「主役」ではない。そんな感じがするのは、とてつもないイ

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