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TABLO連載【加筆修正】

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ニュースサイト「TABLO」に連載をした過去記事に加筆修正をしてまとめています。
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#HSP

勝手に他人をかわいそうな人にしてしまう癖

勝手に他人をかわいそうな人にしてしまう癖

勝手にかわいそうなストーリーを他人にあてはめてしまう
 寒くなる時期に思い出すのは、大きな鍋で煮込まれたおしょうゆの匂い。

 まだ幼いころのお話しです。

 お母さんに連れられていったスーパーの駐車場に、玉こんにゃくの屋台が出ていました。冬が近づくとやってくるその屋台は、家では見たことがないような大きな両手鍋からグツグツと白いゆげを立ち上らせていて、子どもながらにおいしそうだなと思ったものです。

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ふっと意識が自分だけになる「自分スイッチ」

ふっと意識が自分だけになる「自分スイッチ」

ふっと意識が自分だけになる「自分スイッチ」思えば、小学校のころからそうでした。

「2組の転校生、なまってるけどかっこいいよね」「音楽の先生、すぐ怒るし、むかつかない?」「新しい文房具屋さん見つけたんだよ」

近所の女の子たちと、集団登校で盛り上がっている途中、なにげないことをきっかけに、たとえば道が日陰から日向になるとき、アスファルトがふっと明るくなったあの瞬間に、「自分スイッチ」のようなものが

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コンビニでなにを買えばいいかわからない日、自己否定でズタズタにする前に

コンビニでなにを買えばいいかわからない日、自己否定でズタズタにする前に

空腹でも、コンビニでなにを買えばいいかわからない日ファミリーマートの自動ドアが鳴らすメロディーを聞きながら、おにぎりの棚の前で動けなくなってしまいました。

おなかは空いているのですが、食べたいものがなにも思いつきません。

しかたなく、となりのサンドイッチの棚をながめて、デザートの棚でプリンを手にとり、無意識に裏面のカロリー表示を見ていることに気づき、「だからなんだって言うんだろうな」と棚に戻し

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教務室のテレビと地下鉄サリン事件。神さまは人間だったから、わたし、ギャルになる。

教務室のテレビと地下鉄サリン事件。神さまは人間だったから、わたし、ギャルになる。

先生たちが来なかった朝の地獄あの日、わたしはまだ子どもでした。

常々、神さまなんていない、と思っていたのでおなかが痛くなっても、「神さま、もう悪いことしませんからおなかの痛みをなおしてください」なんてトイレの中で祈ったことはありませんし、ティーン誌の後ろのページの星座占いなんて気にしたこともありませんでした。当時、クラスメイトがつけてたプロミスリング(手首につける紐のブレスレット、切れたら願いが

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人をおとしめても自分の位置はあがらない。給食の時間に「2センチの離島」にされた気持ちを一生覚えている。

人をおとしめても自分の位置はあがらない。給食の時間に「2センチの離島」にされた気持ちを一生覚えている。

悪意をもって人を傷つけることアメフトのタックル事件が問題になっています。
意図的に相手を傷つける動画がニュースで繰り返し放送されるたびに、仮面女子の猪狩ともかさん(湯島聖堂の看板が倒れ、腰の骨を折る大怪我をされました)のことを思い出して辛い気持ちになり、直視ができません。

監督が相手の選手を「つぶせ」「壊せ」と言ったとしたならば、どんな気持ちで言ったのでしょうか。選手はどんな気持ちでそれを聞き、

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半額のケーキを全部食べたり、嫌いな人のSNSを見すぎてアドレスを手打ちできたり、ひとりの部屋でしていることは愛おしい

半額のケーキを全部食べたり、嫌いな人のSNSを見すぎてアドレスを手打ちできたり、ひとりの部屋でしていることは愛おしい

わたしがひとりの部屋でしていること帰宅途中、駅ビルの有線で流れていたEXILEの曲がやけに耳に残って、なんて言っているのかわからない英単語の歌詞を、ひとりの部屋でうろ覚えで歌ってみたことはありますか。わたしはあります。

夕方のスーパーで半額になったケーキやシュークリームをたくさん買って、紅茶も入れずにひとりでこっそり食べたことはありますか。わたしはあります。



イオンで買った100円のシュ

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死ぬほど苦手な「二度目まして」。苦手な4月は自分のハードルをどんどん下げよう。

死ぬほど苦手な「二度目まして」。苦手な4月は自分のハードルをどんどん下げよう。

死ぬほど苦手な「二度目まして」昨日のわたしは、テキパキとお風呂に入れたから天才でした。

「入るぞ…」と決めてから30分以内にお風呂に入ることができたら、「よしよし、今日の自分は天才だぞ」と思うルールです。そんな風に、笑ってしまうくらい自分のハードルを下げて生活をしています。特に桜が咲くこの季節は。

春の全てが苦手です。

新学期、クラス替え、新社会人、部署の移動、転職、転勤、環境の変化…。ただ

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アイドルにメンタル最強という肩書きを背負わせてしまったわたしたち。“なにを言われても大丈夫” にならなくていいはずなのに。

アイドルにメンタル最強という肩書きを背負わせてしまったわたしたち。“なにを言われても大丈夫” にならなくていいはずなのに。

悪口を言われる側にいる自分女の子のアイドルが好きです。

難ありの家庭環境で育ち、自己形成に失敗をして人間関係でつまずきまくり、「あらゆる他人は自分なんかに話しかけられたら迷惑かもしれない」と思ってしまう系チームにいるわたしにとって、アイドルとファンの形式はとても都合の良いシステムだからです。アイドルは、こちらが応援をすること、好きになることを(もちろん常識の範囲で)受け入れてくれ、いつでも歌と踊

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他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

他人の壁を勝手に取っ払おうとしないでほしい

「そんなところにいないで」の「そんなところ」とはときどき、誰かの善意に押しつぶされそうになります。

自分のタイミングで向き合う準備をしている問題に勝手に火をつけて、話したこともないような人が「自分が助けてあげるから!」となぜか嬉しそうに駆け寄ってきたり、問題とも思っていないことに「もっと幸せになる方法を教えてあげる!」と手をとろうとしたり。

そういう場合、こちらが喜んで受け取らなければ(あるい

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