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アイデアノート9 生きがい投資思想とカネの指数関数性

生きがいの図。この図で注意したい点は、稼げる事の部分だ。これは実際の賃金ではなく、価値のことを示している。給与は年収800万円を超えるとほとんど上昇がみられなくなるとのデータがあり、実際1500万円以上からの上昇はあまり見られない。
自分の稼ぎではなく、生み出した付加価値が正体だと言える。

生きがい投資思想と一般的な選択肢では最大限の自由

 食品、住居、家具家電、自動車、衣服、教育、教養、娯楽のうちどれが選択できないために生きがいが不足するのか?特にどこに資金を費やすと生きがいが増加するのだろうか?これに関して考えてみる。

これらは、いずれも天動説(カネ→幸福的)な資金がなくなることで選択肢が減る。しかし、家具家電の性能が下がるといった問題はあるものの、日本では最低限度の生活で一般的な選択肢をほとんど選ぶことができる。

パソコンとWi-Fiがなければもはや仕事はできず、電子レンジ、給湯器、冷蔵庫、エアコン、扇風機、洗濯機などは、生活保護受給で賄うことができる。

かといっていくら資金が多くても、高級インテリア、風呂場のジャグジーなどの一般的でない選択肢は広まるが、一般的な選択肢はさほど増えない。
一般的な選択肢以上を買っても生きがいに与える影響は小さい。

豪邸はもはや家が広いという程度の価値であり、そこまで一般的な生きがいに対し大きな力は持たない。その人がよほど家好きであるといった理由でもなければ、幸福への貢献度は実価値に対して逓減するだろう。

居心地のよい机と椅子、マットレス、性能のよい寝具、自動お掃除ロボット、空気清浄機、食器洗浄機などが一般的な選択肢であるが、資金がないと買えないものになるだろう。特に性能のよい寝具と椅子、マットレスなどが重要に見える。 

生活をする上で常に関わるものについては、投資をする思考法で良いものを必ず買うように決めた方がよい。企業側からすれば、常に生活に関わる製品についてマス・カスタマイゼーションを行う必要があるのだ。

ただし、これも一般的な消費者であれば選択できる範疇にある。もとより天動説的に考えても投資をする価値があるものになる。天動説的に見ても解決できる課題になるだろう。

問題は賃金があまりに低いために、そもそもそれにさえ投資できないという(と考え込んで停滞している)非効率な状態なのだ。

人はそこに対して不満を持ち、生きがいを損ねるのだろう。しかしこれについては、投資とみることができるから、支払うことができないものではない。意識が足りないことに対して啓蒙する必要があるだけに過ぎない。

このようにして、投資と割り切ることで購入できるものの、選択肢の幅を広げることができる。こうした価値観を一手に動かせるのが生きがいイノベーションの圧倒的な強みである。

とはいえ、天動説的な利益さえ増やすことに繋がるのであれば、組織の発達段階が上がると共に改善されるだろう。

家具家電、自動車、教育、教養はこれによって一気に解決する。

特に教育、教養については有効であれば、掛けても掛けすぎるということはない。費用対効果が薄いものを避けることに注意すればよい。裏を返せば、教育、教養についての費用対効果が非常に重要ということにもなる。
 
しかし、天動説的な投資思想では、生産性と家計収益に貢献する以上に、これら財に資金を投じることを浪費とする。

一般的な選択肢の中にも浪費が紛れて混んでいる。生きがいには貢献するが生産性には貢献しない段階がある。これが特に食品、住居、衣服、娯楽では大きい。つまり、投資思想に対しても生きがいイノベーションを起こさなければ、選択肢は縮小してしまうだろう。生きがいが最大化されることで、結果的に更に生産性が飛躍するとしても天動説ではその分が計算に考慮しづらいのだ。天動説であればWell-beingによる生産性向上分までの食品、住居、衣服、娯楽への投資しかできず、それ以上は浪費になってしまう

幸福度が低下するというデータが出ているタバコどころか、酒やファーストフードで済まず、体に悪いもの、つまりは砂糖菓子や塩分の多いものさえも全て完全な浪費とする。

しかし、地動説(幸福が先)では人生を通じた幸福である生きがいを最大化させる以上は、持続的である限り可能となる。これについても、将来的に破滅的な未来が待っていなければよいから、一般的な選択肢の中では自由という意味に合致する。

高級品(幸福貢献度逓減)>一般的な選択肢>浪費>地動説での投資範囲>天動説では計算しにくい天動説の投資範囲>天動説の投資範囲

問題は、人々が生きがいの投資思想に則り、自らに投資をした時に、それでも不足する部分である。中でも生きがいに対して不足分が大きい部分である。これはやはり娯楽になる。

 食品であれば一般的な選択肢が、近場の飲食店やスーパーの商品であるため費用対効果が高い。衣類についても、通常の服屋で買える選択肢で考えれば家計の重荷になるほどではない。住居であれば一定の額から急激に費用対効果が悪くなるため算出しやすい。しかし、娯楽については費用対効果の計算が難しいだけでなく、天動説と地動説での乖離が大きい

娯楽に対する生きがい投資思想

娯楽では、自ら生きがいを決めるプロセスが必要となる。
どの生きがいの源泉を選ぶかは完全に顧客に任されている。娯楽は双方向となり、その程度さえ各人で決めることになる。だからこそ、より娯楽に関する生きがい投資思想については深く調べる必要があるのだ。そこで役に立つものが、個人生きがい主義である。
個人生きがい主義とは、一人一人が自らの生きがいの源泉を見出して、それに合わせて、各人でこれを追い求める主義のことである。画一的な生きがいモデルを立て、まずは全体に対して影響を及ぼし、例外には後から対処する国家生きがい主義や、企業の存在目的を中心にマス・カスタマイゼーションをする企業生きがい主義とは大きく異なる。

あとがき 1000円の壁

実際に、有料限定(100円以上)の情報商材サイトで調べてもカネには指数関数性と価格硬直性があることが分かる。情報商材の数に対して価格は指数関数的に推移している。そして、キリのいい数字が極めて強い価格硬直を生んでいる。中でも圧倒的強いのは1000円だ。

この1000円の壁は、日本がデフレとなった原因の一つと言えるだろう。ドルは物が10ドル単位なので1000の壁が存在しないが、円は100円1000円単位での商品が多く、極めて強い壁が存在する。もちろんこれがインフレ率の一部を説明するものでしかないが、価格硬直性を示す上で大きなものになる。

そして、日本では万の単位でもう一段壁がある。このキリの良い数字に一定の価格抑止力があることは間違いない。こうした方向からインフレ率を推定することは行動経済学の分野だと言える。この方向で語られた研究があるかは不明だが、少なくとも記事を見たことはない。

つまり、これはこう言うことができる。
多くの人は1000円の壁に合わせて消費行動をしている

これは、1000円以上ではもっと価格にシビアになるべきであり、
1000円以下でそこまで価格にシビアになるべきではない、と言えるのだ。

そして、実際企業についても1000円(アメリカだと10ドルと1000ドル、ヨーロッパだと10ユーロ)との真っ向勝負を避けることが価格面で競争優位を得る戦略のようである。

日本の時価総額トップランキングの中で1000円の壁と真っ向勝負をしている企業は、ユニクロのファーストリテイリング、セブン&アイ、ユニチャーム、花王、JR東日本、イオンくらいのものであり、これらの企業も1000円に近い商品を売ることは回避しているようだ。リクルートやバンナムは無料サービスを基本とし、味の素やハウス、アサヒビールなどは価格を低く抑えることで1000円を回避している。

このように1000円は非常に強い価格交渉力を持つらしい。

価格については価格の掟『低価格戦略で勝てる企業はごくわずか』と
BOLD『無料の企業が圧倒的な力を持つ』の両方から、基本高価格戦略を取り、低価格にするならばいっそ基本無料サービスを売るのが強いと捉えることができる。

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