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#小説
そんなはずがない。【ショートショート】
今日はあいにくの雨。
「圭太、早くしなさい。遅れるわよ」
「うん、今行くー!」
5歳になる息子は先日買ったばかりのオバケレインコートを嬉しそうに着ている。園のみんなに自慢したいのだろう、買った日からずっと楽しみにしていた。
通っている幼稚園は歩いて行ける距離にある。手を繋ぎ、できるだけ圭太が濡れないように傘を持った。
園に着くやいなや先生の元へ向かい自慢げに燥いでいる。
私は圭太を預け家へと戻っ
もう一度。【ショートショート】
深夜のバス停。満月ガスとバスの往復が一枚綴りになった切符を握りしめる。
「あんたもこのバスに乗んの」
女がぶっきらぼうに話しかける。
「だったら何」
俺はガン飛ばしてそう答えた。
「このバスの行先、分かってんの」
「あぁ」
女はそれ以上何も聞いてはこなかった。
到着したバスへ乗り込む。
前方へ座った女は車窓を物悲しそうに眺めていた。
元よりこのバスの噂は知っていた。
一度だけ望む幻が見れ
お子様ランチの境地。【ショートショート】
僕はとある酒場にいた。
「今回はどんな所を冒険してきた?」そう仲間に尋ねられる。
「今回は洞窟。」
「ほう、どうだった、何があった。」仲間は興味津々だ。
「洞窟の奥は…お子様ランチだった。」
その言葉を聞き、仲間は怪訝な顔で首を傾げた。
「お子様ランチ?」
「そう、あれは紛れもなくお子様ランチだった。」
=
人類未踏の地と名高い島の洞窟。洞窟は入り組んでおり、分かれ道を直感で突き進んでいく
僕らのチョコレート争奪戦。【ショートショート】
チョコレート、それは僕ら自身の評価に値する。
つまり、モテ度の指標であり、恋の指標でもある。
今年のバレンタインからはチョコの受け渡しが困難を極めた。
ある年からバレンタイン取締法により、バレンタインチョコは規定された敷地内でしか渡すことができなくなっていた。
それでも今までは何事もなくチョコを渡せていたが、そのチョコ妬ましく思う非リア充や恋のライバルは少なくなかった。
そんな中、非リア充に