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蒔倉のショートショート

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私が書いたショートショートや掌編小説をまとめたマガジンです。毎週ショートショートnoteやその他お題で書いた作品も含まれます。だいたい410字〜1000字の小説となっております。
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#小説

痩せたガールの日常。【ショートショート】

痩せたガールの日常。【ショートショート】

「聞いて!また痩せてた!500g!」

 始まった。定例のダイエット報告会。水分が減っただけだろうと思ったが、口に出したらシバかれる。私は黙って話を聞くことにした。
 彼女達3人は常にカロリー&体重と戦っている。恐ろしいのはそれだけではない。なんとグループチャットまで組んで、そこで昼食以降に食べた物の内容を報告する義務があるのだ。しかも、その義務は全員が目標体重を達成するまで抜けられないという、さ

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そんなはずがない。【ショートショート】

そんなはずがない。【ショートショート】

今日はあいにくの雨。
「圭太、早くしなさい。遅れるわよ」
「うん、今行くー!」
5歳になる息子は先日買ったばかりのオバケレインコートを嬉しそうに着ている。園のみんなに自慢したいのだろう、買った日からずっと楽しみにしていた。

通っている幼稚園は歩いて行ける距離にある。手を繋ぎ、できるだけ圭太が濡れないように傘を持った。
園に着くやいなや先生の元へ向かい自慢げに燥いでいる。
私は圭太を預け家へと戻っ

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もう一度。【ショートショート】

もう一度。【ショートショート】

深夜のバス停。満月ガスとバスの往復が一枚綴りになった切符を握りしめる。

「あんたもこのバスに乗んの」
女がぶっきらぼうに話しかける。

「だったら何」
俺はガン飛ばしてそう答えた。

「このバスの行先、分かってんの」
「あぁ」
女はそれ以上何も聞いてはこなかった。

到着したバスへ乗り込む。
前方へ座った女は車窓を物悲しそうに眺めていた。

元よりこのバスの噂は知っていた。
一度だけ望む幻が見れ

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月夜の暗々裏。【ショートショート】

月夜の暗々裏。【ショートショート】

ようやく手に入れた三日月ファストパス。

三日月の夜。重厚な扉の前に立つ。防犯カメラに姿を捉えられ「合言葉は」と、問われた。

「暗々裏」

パスをかざすと、ギギギと音を立て扉が開く。
そこは名のある月の夜にだけ開かれる場所。

丸見えの満月も、暗闇で存在だけ感じる新月も、
裸エプロンや裸ワイシャツのような半分だけ見える上弦や下弦の月も、どれも捨て難い。

だけど俺は三日月が好みだ。
チラッと見え

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お子様ランチの境地。【ショートショート】

お子様ランチの境地。【ショートショート】

僕はとある酒場にいた。
「今回はどんな所を冒険してきた?」そう仲間に尋ねられる。
「今回は洞窟。」
「ほう、どうだった、何があった。」仲間は興味津々だ。

「洞窟の奥は…お子様ランチだった。」

その言葉を聞き、仲間は怪訝な顔で首を傾げた。
「お子様ランチ?」
「そう、あれは紛れもなくお子様ランチだった。」

=

人類未踏の地と名高い島の洞窟。洞窟は入り組んでおり、分かれ道を直感で突き進んでいく

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夜泣きの夜は。【詩的掌編小説】

夜泣きの夜は。【詩的掌編小説】

僕は怖かった。
眠ると真っ暗な世界に
ぽつんと一人、僕だけになっていた。
お父さんもお母さんも居なかった。

大きな戸愚呂を巻いた何が
ゆっくりと僕を飲み込むように近づいてくる。

僕はそれが怖かった。

眠っているといつも襲ってくるそれは
まるで黒い大きな怪物で
僕はすごく怖くて一人泣いた。
周りに誰も居なくて大声で泣いた。

誰かに助けて欲しくて
涙がボロボロ止まらなくて
怖くて怖くてヒクヒク

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僕らのチョコレート争奪戦。【ショートショート】

僕らのチョコレート争奪戦。【ショートショート】

チョコレート、それは僕ら自身の評価に値する。
つまり、モテ度の指標であり、恋の指標でもある。

今年のバレンタインからはチョコの受け渡しが困難を極めた。

ある年からバレンタイン取締法により、バレンタインチョコは規定された敷地内でしか渡すことができなくなっていた。
それでも今までは何事もなくチョコを渡せていたが、そのチョコ妬ましく思う非リア充や恋のライバルは少なくなかった。

そんな中、非リア充に

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