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『伝説の剣道部 後編』
【同期のライバル 坂本美枝】
月曜日。道場に行くと丸刈りになった主将、副主将が道場にいた。一瞬言葉を失った。元からスポーツ刈りの主将はともかく、ロングだった副主将までもがツルツルになっていた。しかも千里よりも短い…。
それを見た監督は「2人とも素晴らしいです!その気持ちがあれば強くなるでしょう。もし部員の中で、2人を見習い坊主にしたい人がいたら、私がいつでもやってあげるので遠慮なく言ってくる
『伝説の剣道部 前編』
〈登場人物〉
主人公:斎藤千里
同期のライバル:坂本美枝
監督:菊池芳江
主将:竹下雅代
副主将:大里由香
中学生剣士にとって最高の舞台、中学総体個人戦の決勝戦。私の相手は県下に名が知れた強豪、坂本美枝。何度も苦杯を舐めさせられた相手だ。
試合は壮絶なものとなった。互いに打ち合うが決着はつかず延長戦へ。そこでも打ち合い、僅かな差で私の面が勝った。拍手が鳴り止まず、「大会史上最高の
『お嬢様学校の厳罰』
私の通う学校は中高一貫校。偏差値が高く、4年生から塾通いを始めた。友達からの遊びの誘いも時々断り、猛勉強の末何とか合格した。
勉強も大変だが、礼儀作法や立ち居振る舞いにも厳しい。だが、ここを出ると系列の女子大にほぼ無条件で入ることが出来る上、一流企業にも就職しやすい。一流の教養や品格を身に着けていると信頼があるからだ。
校則も厳しかった。言葉遣いは細かく定められているし、外出時は制服着用
『アタマジラミ撲滅 後編』
橘由香里、26歳。教師生活4年目
新任校で3年勤め、初めての異動になった。異動先は、前年にアタマジラミのため、男女とも丸坊主にしたことで有名だった。女の子まで髪を切ったことに、大きな驚きがあった。
もし私の学校でそんなことが起きたら、どうするのだろう。女子生徒達に何と言って説得すればいいのだろう。女の子が丸坊主なんて、どうやって説得したのだろう。
私がもしその立場だったら…丸坊主にす
『レディースの抗争』
泣く子も黙る「闇連合」は、地域で恐れられたレディースのチームだ。
ヘッドの沙耶はタイマンで負けたことがない。小さな頃から空手を仕込まれており、重い突き、鋭い蹴りでどんな相手も負かしてきた。
また、沙耶は仲間想いで情にも厚く、チーム内で困った子がいたら全力で助けていた。沙耶のケンカの強さや人柄に惹かれて、自然と仲間か集まってきた。
沙耶には一つだけ、周りが愁眉をひそめる性癖があった。そ
『アタマジラミ撲滅 前編』
時は戦後の昭和。舞台は九州のとある田舎町。医療が未発達な時代-。
中学2年生の聖子は、学生生活を謳歌していた。友達とは仲良く過ごし、郷土部では好きな歴史を研究していた。その中学生活がある日暗転する。
中学校にアタマジラミが大流行した。これといった薬もなく、ただ頭に付いたシラミを見つけては駆除するしかなかった。それでもシラミの繁殖能力には遠く及ばず、男女とも髪の毛に付いたシラミを駆除するの
『水泳部での出来事 外伝』
【監督の青春時代】
青春時代は辛かった-。
私には水泳の才能があった。中学2年で日本一に輝いた。末はオリンピック選手と騒がれた。泳ぐのが大好きな私は、当然のように高校は特待生として強豪校に入った。
入部初日に刈り上げショートにしてくるよう言われた。それが伝統であり、髪型なんかに気を遣っていると水泳が上手くならないという理由らしい。水泳と髪型になんの関係があるのかと疑問だったが、怖い監督と
『水泳部での出来事』
中学を卒業した私、結城恵子は無事に地元の女子高に入学した。あの時丸坊主にした髪も伸び、ショートボブにまでなっていた。
高校では水泳部に入った。お金かあまりかからないこと、それに小さい頃から泳ぐのが好きだったから決めた。
部活紹介で、他の運動部に比べてとても良い雰囲気というのも決め手だった。見学に行くと先輩たちはのびのびとしており、いわゆる「体育会系」みたいなノリもなさそうだった。
ま
『バリカンに魅せられて』
坂崎愛花。理美容専門学校生。
私の家は代々床屋を営んでいる。子どもの頃から両親の仕事を見てきた。自然と私も跡を継ぐことになり、今は専門学校に通っている。
今日はバリカンの使い方の講義と実演。一通りの扱い方を学び、ウイッグで練習をした。最後に先生に言われた。
「…なお、出来れば君たち自身でバリカンを体験してほしい。もちろん無理にとは言わないが、何事も一度体験しておいた方がいい。バリカンで