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永遠に生きるつもりで食べる? 心を壊さない生き方とは

「基本のことって大切だけど軽視しがち・・・改めて意識しよう」

春になると心が疲れて来る、そんな人見かけますよね。

5月病などとも言いますが、新生活がスタートし、5-6月に精神的にストレスがピークに来て生活に支障をきたす。そんな経験をしたことがある方も多いのでは?

そこで、今回は「心を壊さずに生きる」ための工夫について考えます。

日本の自殺者数は異常

日本における自殺者の数、知ってますか?

近年減少傾向にあるとはいえ、実は年間2万人を超えています。これは世界的に見ても多い数字。

経済状況と自殺者数は相関があると言われています。コロナ禍で急激に経済が落ち込んでいる今、自殺者数が増加しそうで心配ですね。

日本の自殺者の年齢層は、働き盛りの50代が最も多く、次いで60代、40代、30代の順だそうです。最近は若年層の自殺も増えています。若年層の自殺率は世界でトップクラスのようで、日本の15歳から39歳の死因の第1位が自殺という悲しい結果。事故死よりも自殺が多い国は日本のみだそうです…。

そんな日本に生きている我々は、どうにかして心を壊さずにメンタルケアしていく必要があります。

では、具体的に何をしていけばよいのでしょうか。

基本は「食事」「睡眠」「運動」3つ! 

うつ病は近年非常に身近な病気になってしまいました。一度心を壊してしまうと、その回復には長い時間とかなりのエネルギーが必要です。職場の同僚や親、奥さん、旦那さん、子供など家族の協力も強いられるでしょう。

超がつくほどの高ストレス時代を生きる我々が幸福に日々を送るためには、「心の健康(メンタルヘルス)」を自分で確保していく必要があります。

そこで今回参考にしたのがこちら、『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』です。筋トレがで有名なTestosterone(テストステロン)氏の著書。精神科専門医・指導医である岡 琢哉氏との共著なので信ぴょう性の部分もしっかりとカバーした内容となっていますね。

本書ではエビデンスピラミッドという表現で各メソッドがどれほどの信ぴょう性があるのかもセットで記載されています。参考にするレベルがわかるのでとても親切な設計です。

 書かれていることは基本中の基本のことが多いですが、その基本がなかなか徹底できないのも事実。ぜひご自身の生活を振り返りながら、読み進めていただければと思います。

本書の最も大きな柱となる考え方はコレ。

『 予防 is KING 』

キャッチ―な言葉にあえてしてくれていますが、本当にそうだと思います。健康関連のトピックスはだいたい、病気になってからあたふた考えてどう治療しようかと悩むのが常…。「健康は失ってから気づくモノ」と思いがちです。

でも、理想は「不健康にならない生活」を無理なく続けておくことです。正に「予防 is KING」ですね。

そして本書に登場する3つのパワーフレーズがこちら。

 『永遠に生きると思って「食事」を管理しろ』

 『「睡眠」時間を死ぬ気で確保しろ』

 『悪いことは言わないからとりあえず「運動」しろ』

最近よく耳にするのが「人生100年時代」という言葉。自分の体は人のカラダと交換できません。100年生きるかわかりませんが、相当長い人生を今のカラダという乗り物に乗り続ける必要があります。「永遠に生きると思って食事する」というのは、この先の長い人生を生きていく上で基盤となる考え方です。

そしてこの記事のテーマの「心を壊さない」に直結するのが「睡眠」「運動」。これらの要素は基本ですが、やはり重要ということです。この本を読むと、健康に生きるための「らくちんな近道」などはなく、原理原則に沿って「ちゃんと生活する」ことの大切さを気付かされます。

心を守る「食事」(プロテインレバレッジ法)

本書には有益な情報がてんこ盛りなのですが、その中でも特に重要なトピックスをいくつかご紹介します。

1.体重、BMIをウォッチする
「精神的な不調」や「生活の乱れ」と同時に起こるのが「体重の変動」といいます。食生活の乱れをきっかけに、精神の不調や体重の変動が起こるということ。つまり、今の精神的な状態を掴むためにも、適正な体重かどうかを日々ウォッチすることは有益ということです。

2.プロテインレバレッジ仮説
本書ではBMIや体脂肪率を適正に保つのにオススメされているのは、「マクロ管理法」という食べ方です。これは一日の摂取カロリーを算出し、三大栄養素(タンパク質・炭水化物・脂質)の摂取割合を調整する(マクロバランス)というもの。

そして、体重増を食い止める上で重要なのが「食欲のコントロール」ですが、本書では「タンパク質」の摂取量を増やすのが有効と紹介されています。食欲とタンパク質の摂取量は逆相関の関係にあるといいます。「プロテインレバレッジ仮説」にもとづき、タンパク質の摂取量を増やすことで食べすぎを抑えられる可能性があるとのこと。

高たんぱくな食事を摂ると、その日の間に空腹を感じることが減るそうです。これは個人的にも体感として理解できます。たんぱく質が多い食事はおなかが満たされ、腹持ちも良いように感じます。

 たんぱく質にはトリプトファンが多く含まれ、このトリプトファンは精神を安定させるセロトニンの材料になります。日々幸福に生きる上でもタンパク質摂取は重要ですね。

ではそのたんぱく質の摂取目安量はというと、体重の0.8倍から2倍のg数となります。60㎏の人なら48gから120g程度ということですね。上手にプロテインを活用しながらたんぱく質多めの食生活を心掛けましょう。

筋トレより大切な「睡眠」

著者のTestosterone氏は筋トレの神様のような人ですが、そんな著者が「はっきり言って筋トレより大切なのが睡眠」と断言してます。

睡眠がメンタルに大きく関係しているエビデンスは多数存在しています。しかし、日本人の平均睡眠時間は6.5時間程度。6時間以下の人は40%を超えます。

世界保健機関(WHO)も「大人でも8時間睡眠が必要」との見解を出していますが、残念ながら日本人の睡眠時間は先進国でワースト1位の短さです…。みなさんの睡眠時間はどれくらいでしょうか?

睡眠で気をつけるべきはこちらの3点。

1.まずは質よりも時間を確保
睡眠は、まず何より「量(時間)」を確保することが大切。最低でも7時間眠ること。最近は「睡眠の質」の重要性が取りだたされたりしますが、質の話をするよりも、とにかくまずは「量」の確保が優先ですね。

2.平日も休日も同じ時間寝る
平日と休日で寝る時間にバラつきがある人は多いと思います。でも平日だろうと、休日だろうと同じ時間にふとんに入って、同じ時間に起きることが大切です。

休日の“寝だめ”などで引き起こされる「ソーシャル・ジェットラグ(社会的時差ぼけ)」は、現代の睡眠障害の大きな原因といえます。

3.日中に太陽の光を浴びる
太陽を浴びない生活は体内時計をくるわせ、睡眠障害や心身の不調を招きます。夜にちゃんと眠気がくるには、「メラトニン」というホルモンが大事。朝、太陽の光を浴びることで12〜14時間後にメラトニン分泌が高まり、深い睡眠につながります。そのためにもしっかりと太陽を浴びましょう。


心を守る「運動」の習慣

気分が晴れない時にウォーキングやランニングをして気持ちがスッキリした経験はありませんか?

私はこの体験をほぼ毎日のようにしています。なるべく朝仕事を始める前に30-40分軽めのジョギングをすることで、気持ちもカラダも適度のスッキリとリフレッシュでき、ニュートラルな状態で一日をスタートできます。

「運動」は精神状態の向上や、うつに関係する色々なカラダの不調に効果があります。具体的には肥満、2型糖尿病、自律神経失調などへの改善効果があると言われています。

1.誰かと一緒に運動する
ある調査で精神状態が良かった日にやっていた運動を調べた所、チームスポーツ、サイクリング、ジムアクティビティが上位だったそうです。人との関わりの中で行う運動は、オキシトシンの分泌にもプラスに働くそうです。

自分の好きな人と、自分の好きなスポーツやエクササイズをやるとより有効ですね。

2.習慣で続けることが大切
運動は筋トレでも、有酸素運動でもOKです。ただ、運動の種類や方法によらず、とにかく習慣で続けることが大事。まずは週3回、1回30分を目標にトライしてみてはいかがでしょうか。

そして習慣化を阻害する要因は「ムリをすること」です。運動時間は週6時間以内に抑えて、運動がストレスにならないようにするのも重要です。

まとめ

今回は心を壊さずにいかにメンタルヘルスをケアするかを整理してみました。まず大切なのは「予防」こそが最強ということです。何事も事が起こってからでは後手後手の対応になってしまいます。そうならないように「今日からの毎日でいかに予防するか」を考えましょう。

食事では炭水化物を減らし「たんぱく質多めの食事」を心がけましょう。そして、睡眠はまずは四の五の言わずに「時間を確保」すること。さらに運動ではとにかくできることから始めること、そして「続ける」ことが大事です。

特に私が心に響いたのは「永遠に生きると思って食べる」という考え方です。今日食べた食事が未来の自分のカラダを創ります。これは車も同じです。劣化したガソリンを入れ続けているとやはり痛みも早く、いずれ走れなくなります。なるべくならハイオクガソリンを入れて、長く大切に走りたいですね。

本書は2部構成になっていて今回の記事でご紹介したのは前半の1部の内容です。2部は「メンタルの教科書」というタイトルで、「適応障害」「うつ病」「強迫症」「不安症」「摂食障害」「アルコール依存症」「発達障害」など、より具体的な症状別にメンタルヘルスケアのメソッドが解説されています。

しかも、各症状が漫画で解説されており、意外に身近にあるものだと気付かされる構成となっています。メンタルヘルスに関心のある方はぜひ参考にされてはいかがでしょうか。

『心を壊さない生き方 超ストレス社会を生き抜くメンタルの教科書』

メンタルヘルスの問題は少しずつ理解されやすい世の中になってきていますが、それでも一部ではまだ「甘えだ」「自己管理ができていない」などと責められたり、人になかなか相談しにくかったりするのも事実です。

正しい知識を身についけることで、自分の心のケアができるとともに、まわりにいる大切な人を守ることにもつながります。

今一度、心を壊さない生活について考えてみてはいかがでしょうか。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。


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