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エッセイ

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自分のこと (機能不全家族、依存、仕事、恋愛、心療内科、発達障害)
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#機能不全家族

泥梨の花よ

泥梨の花よ

母からの突然の電話。
開口一番、
「弟の就職が決まったよ」

「やったーーーー!!!!!」
思わず大きな声が出てしまう私。
大学卒業してニートをすること3年目…ようやく春が訪れた…!嬉しい。本当に。

しかし、母は電話の向こうで泣きじゃくっている。嬉し泣きでは無さそう。
話を聞いてみると案の定、
「〇〇大学まで出てこんな年収の会社…」
「貧乏暮らしするのが可哀想」
「もっといい会社行けるのに勿体な

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不器用な人

不器用な人

私の母は不器用な人だ。
自分の思いを言葉にするのが苦手。
弟や父と喧嘩すると、物に当たり、あらゆる罵詈雑言を吐き散らかす。
喧嘩した後はひたすら無視。
父とは今、3年以上まともに話していない。
そして、家事を放棄する。長い時で数ヶ月。
子どもの時から、そんな母の地雷源を踏まぬように細心の注意を払って生活してきた。



ある日、弟と母が喧嘩した。
弟が悪い部分もあるが、そこまで?と思わされる剣幕

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曖昧に愛し合って、鎖で繋がっている

曖昧に愛し合って、鎖で繋がっている

「母という呪縛 娘という牢獄」
齋藤彩 著
読了。

《あらすじ》
母を殺した娘は、ツイッターに、
「モンスターを倒した。これで一安心だ。」
と投稿した。18文字の投稿は、その意味するところを誰にも悟られないまま、放置されていた。
母と娘――20代中盤まで、風呂にも一緒に入るほど濃密な関係だった二人の間に、何があったのか。
公判を取材しつづけた女性記者が、拘置所のあかりと面会を重ね、刑務所移送

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生きて欲しい

生きて欲しい

貴方に伝えたいことがあります。
それは「生きて欲しい」ということ。
どういうこと?って思うかもしれませんね。
少し言い換えると、自分の人生を生きて欲しいのです。
貴方は自分の人生を生きているように見えません。どこか投げやりになっているような、自分に見切りをつけているような感じがします。

口うるさく貴方の人生にレールを敷いてきた母も、
「好きにしなさい。」と尊重するような言葉を言って放っておく父も

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君に私の孤独はあげない

君に私の孤独はあげない

ご家族と仲良しな彼。
「毎年、お祭の日に母方の親戚の家に集まるんだよね。」
「今度、実家の手伝いに召集された。その後、大叔父さんも来て皆で呑むらしい。」
当たり前のように家族との予定がポンポン入る。

親戚で集まることも、家族皆でご飯を食べることも私の家では有り得ない。
最後に親戚に会ったのは…5年前か。
最後に、食卓で家族全員でご飯を食べたのは…覚えていないぐらい昔だ。

「〇〇ちゃんの家はどう

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血が繋がってたって一緒にはいられない

血が繋がってたって一緒にはいられない

母親からこの時間に電話がかかってきた。
「今度いつ帰ってくるの?」
ああ、また弟と喧嘩したのかな。
私に帰ることを求めるのは愚痴を聞いて欲しいとき。
お盆らへんかな、と伝えると
「一ヶ月先なの?!もう帰って来なくていい!」
と電話を切られた。

極端な人だ。
つくづく一緒には暮らせないな、と思う。
私今年27歳になるんだよ。
仕事もあるし、距離も遠いんだから簡単には帰れないよ。
いつまで私に依存し

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はぐれて現れたお前は私の欠片

はぐれて現れたお前は私の欠片

友だち、彼氏そして家族にさえ本当の自分を見せられない。嘘で塗り固めてきた人生。

「家族の仲は良いんだ。」
「仕事、楽しいよ。心配しないで。」
鎧のように笑顔と明るい嘘をはりつけている。
私の本当の気持ちを知ってもあなたに背負いきれないでしょう?
誰に対しても、そんな諦めが付き纏う。

矛盾している自分が苦しくなって、体の外側を剥がし、どこか遠くへ行ってしまいたくなる時がある。
でも、嘘も私の一部

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「ここが、一番安全な場所だよ。」

「ここが、一番安全な場所だよ。」

「おかえり。」
実家に帰ると、
久しぶりに弟が部屋から出てきた。
髭が仙人のように伸びている。猫背。ニキビだらけの肌。この前会った時よりまた太ったな。
生活は見た目に出るのだと改めて思った。
まだ若いのに。世捨て人みたい。
胸がギュッと締め付けられる。
私の弟は1年前から引きこもっている。
食事の時以外ほぼ部屋から出てこないらしい。



弟は、昔やんちゃな子どもだった。
今からは信じられないほ

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機能不全家族の正月

機能不全家族の正月

年末年始、実家へ帰省している。
昨日から帰ってきて、もう嫌気が差す。
一人でご飯を食べに行く父。
引きこもり、部屋から出てこない弟。
おせちを父の分だけ買ってこない母。

新年なのに、全く晴れやかな気分にならない。
なぜ父も母もお互いを頼り合わないのか。
対話もできない関係は終わっている。

幼い頃から、母は機嫌を損ねると父の分のご飯は全く作らない。
母と弟と私の3人で囲む食事。すぐ側に父はいるの

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孤独な同士よ

孤独な同士よ

私がnoteに書き記すのは、共感者が欲しいから。
私は私の心の澱を発信することで、世の中で同じように膝を抱えている人に寄り添いたいのだ。
そして、自分自身も救いたい。

私の家は、ずっと前から機能不全。
父も母は不仲。喧嘩する度、父と母の気持ちの受け皿になってきた。大きくなった娘に、未だに甘えてくる父と母。
母と弟も不仲。母は攻撃すること・食事を与えることでしか弟と繋がれない。弟も母に甘えて依存し

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父への嫌悪

実家に帰ると、気が重くなる瞬間がある。

父は、帰ってくると私に手招きをする。
そして、私のことを抱きしめる。
私はもう26歳なのに、小さな子どものように抱きしめる。

私はそれが嫌でたまらない。
手招きをされると、嫌悪感で心がいっぱいになる。

でも断れないのだ。母に嫌われ、家のどこにも居場所がない父。きっと愛に飢えて、繋がりを求めているのだろう。
私がまだ幼い頃、母と喧嘩して出ていく父の後ろ姿

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呪いの血

とにかく気分屋な母。
上手く自分の気持ちを言えないから、イライラした時の言動が酷い。
イライラすると大きな音を出したり、物を投げたり好き放題。
父や弟と喧嘩になると、ご飯を一年以上作らない、「死ね!」などの罵詈雑言。
私はずっと側で見て見ぬふりをしてきた。怖かったから。嵐が過ぎるのをじっと待つように。大人になった今でも心臓が掴まれたような気持ちになる。

でも、最近自分もお付き合いする人に対して、

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恥の多い人生を送っています

恥の多い人生を送っています

気づけばなりたくなかった母のような女になっていました。

幼い頃、感情で周囲を振り回す母の機嫌を損ねないように道化になるよう努めていました。
わざと鈍感な振りをしていたけれど、父や弟に強く当たる母の姿を見ては「こうはなってはいけない。」と自らを戒めていました。
と同時に、母はとても孤独な人ではないかと思えて、母の笑顔を見たい愛されたい一心で道化のように振る舞うのです。甘えるように見せるのは得意でし

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